インタビュー

【インタビュー】IMO Exchange 共同創業者 Richard Fuji氏(前編):ユニークなエコシステムのアイデアについて訊く

2020/3/6 金曜日

仮想通貨取引所が供給過多で独自のサービス展開に苦戦している中、IMO ExchangeはIEOに変わる独自の資金調達サービスIMO(Initial Model Offering)を立ち上げ、IMO Eco Systemとして独自のサービスを打ち出しています。そこで、当メディアではIMO Exchangeの共同創業者 Richard Fuji氏にインタビューを行いました。

本インタビューは前後編の構成になっています。前編では、そもそものIMOのアイデアについてやIMOを使うブロックチェーンプロジェクトのメリットについて訊いていきます。

IMO Exchange 共同創業者 Richard Fuji氏(前編):ユニークなエコシステムの発想について訊く

Richard氏の自己紹介

加藤:最初に略歴の紹介をお願いします。IMO Eco Systemのビジネスをやる前は何のビジネスをしていて、何がきっかけでブロックチェーン業界に来たのでしょうか?

Richard:私は長い間IT関連に携わってきました。ソフトウェア開発を中心に、ほとんどのITにかかわり、金融や為替取引ソフトを開発してきました。

私にとってのブロックチェーンとの出会いですが、私は当初ビットコインをあまり信じていませんでした。それは、単に私が勉強していなかったからです。しかし、いざ勉強しはじめてみると、技術的な視点からこれはすごいなと!ブロックチェーンは第4次産業革命と呼ばれていますが、それくらいの革命を起こせる分野だなと感じました。

仮想通貨ビジネスについては、ビットコインなどのマイニングや売買、アルトコインの投資を経て、IEOも若干経験しました。最終的に取引所やウォレットをやったほうが良いという考えにたどり着きました。

加藤:自分でやりたくなったのですね。ブロックチェーン業界では、最終的に取引所をやりたいという人は少なくないように感じます。

IMO Eco System(IMO Exchange、IMO Wallet)の特徴

加藤:IMO Eco Systemは、どのような取引所・ウォレットですか?Initial Model Offering(IMO)の特徴と併せて教えてください。

Richard:現在IMO Eco Systemのユーザー数は13万人います。毎日のアクティブユーザーは2-3千人です。他の取引所と比べると良い数字だと思っています。

IMOを考えたのは、IEOに問題が多いからです。実際、IEOをやっているプロジェクトのほとんどが失敗しています。これは、プロジェクトにとっても投資家にとっても良い仕組みではないと思っています。

以前、私はビジネス投資を含めた仮想通貨以外の投資を色々していたことがあり、いきなりドンと投資をするわけではなく、段階を踏んで新規ビジネスに投資をしたほうが良いかなと考えています。その考えから、IEOを分けて投資できるようにした方がいいと考えました。

さらに、コインの売買の仕組みを考えると、プロジェクト側はコインを売ってお金をもらって開発に回さなければならないわけです。取引市場から買い手がいなくなると、コインの価格がストンと落ちるのは当然なんですよ。IEOはそこを失敗しています。

それだったら、それを一部戻す形で投資したお客さんに還元して、還元されたお客さんは、もっと別のお客さんを呼んで、呼ばれたお客さんがそのプロジェクトのファンになると。そのような形で、沢山の人がどんどんプロジェクトに参加してもらえるというのがメリットになります。そのプロジェクトのファンを拡げていける点のがIMOの一番変わっている点だと思います。

加藤:もともとの発想が、従来のビジネス投資だったわけですね。

Richard:そうですね。従来の投資の経験と、IEOの仮想通貨の特性を組み合わせた結果ということになります。

加藤:IMOでは、上場初期はトークン価格があからさまに上がるわけですが、これは初期に投資した人にとっては心理的な安心につながっているのではと感じています。

Richard:プロジェクトにとっては、自分のIEOをやって値段が瞬間的に落ちてしまったとなると、次の投資を呼び込むことは難しくなります。IMO方式になると、価格が上がっていくので、IMO以外の投資も新たに受けやすくなります。大口個人投資家やトークンファンドからも投資を受けやすくなります。既にコインが上場されているわけですから。IMOにはそのようなメリットがあります。

IMOのアイデア

加藤:IMOは何がきっかけで出てきたアイデアですか?このモデルを業界の人に話すと、仕組みが面白いねという話をよく聞きます。

Richard:ここだけの話、個人投資家の人がなぜ投資するかというと、プロジェクトは関係ないです。単に価格が上がれば投資をします。

では、価格が上がるためにどうすれば良いのかと考えると、上がるには誰かが買わなければいけないということになるわけです。そうすると、プロジェクトは投資してもらったお金である程度お客さんに還元して、投資家は還元されたことを見返りに他の投資家を呼び込むのが当然でしょうと考えました。

加藤:それがIMOの紹介制度なわけですね。

Richard:そういうことになります。私は通信や数学、様々な技術をやってきたので、それらを組み合わせて数学的にIMOのような仕組みをやったら面白いと考えました。

IMOの面白いことは、各ラウンドでパラメータを調整できることになります。値段の上げ下げやロック率の変更、ロック日数を変えることができます。それらは他の取引所の仕組みと違うところです。

IMOトークンセールの例

IMOトークンセールの例:ラウンドごとにトークンのセール価格、販売数量などが異なる

Richard:市場の状況や流動性、投資家の投資意欲というのは日々変わります。それによって、各ラウンドの微調整をしていくことによって、価格を安定して維持することができます。ロジックはノウハウなので、公表はできませんが。

加藤:プロジェクトにとっては、IEOと比べると投資家が後に続きやすいのでトータルで資金が集まる。さらに、市場環境に合わせた資金調達ができるのがIMOのメリットということですね。

Richard:そういうことになります。

プロジェクトにとってのIMOのメリット

加藤:先程の内容と少し被る部分がありますが、なぜブロックチェーンプロジェクトはIMOで資金調達をする必要があるのでしょうか?プロジェクトにとってのIMOのメリットを教えてください。また、IMOをやっているプロジェクトからは実際にどのような声が聞かれますか?

Richard:まず前提として、IMOをするためにはプロジェクトを審査します。このプロジェクトは将来的に市場性があって、開発能力があるか、開発をきちんとするかという観点になります。審査の結果、問題がないプロジェクトが上場します。我々は、2週間や1ヶ月に1つのペースで上場させていきます。

プロジェクトから共通して言われるのは、コインの価格が維持でき、そのおかげで大口投資家が納得してくれるので追加投資を受けることができるという点です。また、プロジェクトの投資に対してコミュニティが形成されることによって、コミュニティが広がっていく、自分たちのファンが広がっていくとも言われます。

将来的にプロジェクトがサービス開始になった時に、そのお客さんが自動的についてくるというメリットがあります。

加藤:IMOプロジェクトの一例として、SKYHASHのコミュニティを覗いていると、そのような感じがしますね。

Richard:そうですね、彼らは努力しているプロジェクトだなと思います。

他には、プロジェクトが定期的にお金を調達できることがメリットになります。調達できた時点で、開発やマーケティングにそのまま資金を回せますから。

加藤:たしかにIEOだと、ある程度開発が進捗した段階で実施する場合が多いですけれども、プロジェクトにとって本当にお金が必要なのは開発の最初のときですね。

Richard: IEOのプロジェクトだと、IEOをバンとやって、お金をもらって、後は知らないよという形で開発に回します。しかし、その後上場したらストンと価格が落ちるわけですよ。それは当然なわけで、誰も買わないので売られるだけになるからです。

プロジェクトのサービスが半年から1年後にできたとしても、市場からは過去に爆下げしたプロジェクトとして見られるので、プロジェクト側に悪影響が出てしまいます。詐欺と言われてしまいます。

加藤:実際に、きちんとしたプロダクトを出したのに詐欺呼ばわりされるプロジェクトを見かけます。

Richard:そうなのです。ほとんどのIEOプロジェクトがそうなってしまいますね。

加藤:IMOだと過去に資金調達したプロジェクトが再度資金調達をしたケースがあったと思います。そのようなプロジェクトは、既にトークンの価格形成をしてしまっているので、また資金調達をするのは難しいと思われます。これはどのようなことなのでしょうか?

Richard:「Return of Kings」というものを用意しています。日本語だと敗者復活、中国語だと王者帰来といいます(笑)

結局プロジェクトはIEOで失敗するわけです。IEOで失敗したのは彼らのせいではないです。当然IEOをやって逃げたプロジェクトは論外ですが、きちんとプロジェクトをやりたい、IEOを失敗したけれどもやり続けているプロジェクトはたくさんあります。

そのようなプロジェクトに対して、もう一度資金を調達するチャンスを与えるのが「Return of Kings」です。

一度のIEOを失敗して価格が落ちて、投資家がそのプロジェクトのトークンを持っていた場合、そのまま持っていると何も価値がないので、既存のトークンを新しいトークンに交換することによって、IMOでトークン価格を上げていきます。

投資家は、トークンセールを他人に紹介すると、ロックアップが解除されて現金化できるようになります。投資家にとっても敗者復活になるわけですよ。投資して損した部分を取り戻す機会が出てくる。そうなるとプロジェクトへの文句は少なくなります。責任感があるプロジェクトは、投資家に損をさせたくないという気持ちがありますから、IMOをやることによって投資家に対して1つの責任を果たすということができるわけです。

直近で中国のプロジェクトのReturn of Kingsで、AICCからIPOSへのトークン交換を行いました。そこには数千人のお客さんが入ってきて、交換ラウンドが秒殺しました。AICCからIPOSにトークンを替えるためのWeChatグループがあって、300人くらいの部屋が300個あります。9万人ほどがいるということになります。それくらい既存の投資家が盛り上がっています。

加藤:取引所からみたら、既存のプロジェクトを取り込めるというのは、ビジネス上のメリットですね。しかも、トランザクションを生めますし。

後編予告

前編では、主にブロックチェーンプロジェクトからみたIMOのメリットを中心に訊いていきました。後編からは、投資家にとってのIMOのメリットや、IMO投資で利益をあげるためのポイントを訊いていきます。

▼後編:投資家にとってのIMOとは

【インタビュー】IMO Exchange 共同創業者 Richard Fuji氏(後編):投資家にとってのIMOとは

IMO Eco System(IMO Exchange / IMO Walletに関する情報)

公式情報

当メディアによる情報

IEOに次ぐ新たな資金調達方法IMOを提供する「IMO Exchange」

IMOとは?IMO ExchangeのIMO参加方法をわかりやすく解説



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Junya Kato

TOKEN ECONOMISTの管理人、ブロックチェーン専門誌「月刊仮想通貨」「CRYPTO CROWD」の執筆陣。ブロックチェーンプロジェクトでは、QURASのコミュニティマネージャー。 より多くの人にブロックチェーンの未来を感じてもらうべく、先進的なブロックチェーンプロジェクトやイベントのレポートをお伝えしています。 ブロックチェーンの素晴らしさを世に広げたい!!

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