プロジェクト解説

Mina(MINA)の概要と解説

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Mina(MINA)の概要

Minaは、O(1) Labsにより開発されている世界最軽量のブロックチェーンプラットフォームです。既に2021年3月17日9時に最初のブロックを生成し、メインネットの稼働を開始しました。

ブロックチェーンは、原則すべてのトランザクションデータをノードに蓄積します。例えばビットコインでは、ノードが保有するブロックチェーンのデータ容量は300GBを超えています。しかし、Minaではノードが保有するデータ容量は、ゼロ知識証明により22KBに留まるようになっています。これは、ツイッターの数ツイート分に相当するサイズになり、大変軽いものになります。そのため、Minaではノードの容量が軽い分、参加者がネットワークを素早く同期して検証することができるようになり、大規模な分散化が容易になります。

また、Minaは業界の著名なベンチャーキャピタルからの評価が高く、Polychain Capital, Paradigm, Coinbase Venturesなどから投資を受けています。詳細は、スタートアップのデータベースのCrunchbaseからも確認することができます。

Mina(MINA)の解説

ノードの驚異的な軽量化が実現できる

Minaのノードが保持するチェーンの容量は、一貫したサイズの暗号化証明により22KBに保たれるようになっています。これは、従来のブロックチェーンでは考えられない驚異的な軽さになります。

このようなサイズ低減は、Minaのブロックチェーンの検証方法が他と異なるからこそ実現できるものです。Mina以外のブロックチェーンでは、ノードはチェーンに参加するとチェーン上のトランザクションを最初から検証していきます。そのため、ノードにはチェーン全体のデータ保管が必要になり、検証にも膨大な時間を要します。

一方で、Minaはチェーン全体を検証しなくて済む方法を導入しています。それを実現するのが、ゼロ知識証明*1の非対話的な実装であるzk-SNARKsになります。zk-SNARKsは、匿名ブロックチェーンの代表的な技術としても知られています。Minaにおいては、”再帰的なzk-SNARKs”として実装されています。

この実装では、ブロックチェーン全体を軽量なスナップショットとして捉えます。そして、次のブロックが生成されると、再びスナップショットを捉え、前のスナップショットと紐付けを行います。そのため、各スナップショットには、無限の情報の証明が含まれているにも関わらず、ノードでは常に同じデータ容量が保たれるようになります。

つまり、Minaのノードではブロックすべてを保有するのではなく、再帰的なzk-SNARKsのスナップショットによって取得された小さな証明を保存するだけになります。このような仕組みにより、ノードが保持するチェーンの容量を22KBに抑えることができます。

*1 ゼロ知識証明とは、ある人が別のある人対して、与えられた情報が「真実である」ということ以外の情報を相手に与えずに、その情報が実際に「真実」であることを証明する手法を指します。

分かりやすい例として、AがBの電話番号を知っていることをCに証明します。しかし、AはBの電話番号をCに教えたくありません。そこで、AはBに電話をかけることで、CにBの電話が鳴っていることを見せます。これにより、Aは、CにBの電話番号を伝えずに、自身がBの電話番号を知っていることを証明することができます。

大規模な分散化が実現できる

従来のブロックチェーンでは、前述のようにブロックを最初から検証する必要があるため、ノードには過去のブロックすべてが保存されます。これは、限られたハードウェア保有者ができることであり、チェーンが分散化できるかはノードを構築する人がたくさん現れるかどうかにかかってしまいます。また、チェーンのスループットが上がると、ノードの要件がますます厳しくなり、ノード構築がさらに困難になります。

一方で、Minaではチェーンを保有するノードの容量は22KBで済むため、一般ユーザー向けのアプリケーションにチェーンを保有するためのノードを実装することが容易になります。

また、Minaではコンセンサスアルゴリズムとして改良型のOuroboros(ウルボロス)を実装しています。Ouroborosは、学術的なアプローチを行うCardanoに採用されているProof of Stake(PoS)のコンセンサスアルゴリズムで、大規模なスケーリングを可能にします。

このように、Minaでは軽量なノードと学術的に証明されたコンセンサスアルゴリズムを用いることで、大規模な分散化を実現します。

プライバシー性の高いDappsを実現できる

Minaでは、ゼロ知識証明を用いることによりプライバシー性の高いDapps、Snapps(SnarkifiedApplications)を実現することができます。

EthereumのDapppsと比較した場合にSnappsが優れている点は、データの中身を開示せずにデータの整合性を検証、コストが掛かる計算が正しく実行されていることを確認でき、スケーラビリティの大きなメリットを持てる点です。

Ethereumでは、Dappsの実行にコミットするには、ネットワーク上のすべてのノードとマイナーが同じ計算を実行する必要があります。これは極めて非効率的です。MinaのSnappsでは、計算が開発者が用意する環境で1回だけ実行された後、他のノードはそれに関連する証明を検証するだけになります。

ノードが証明を検証するだけになるため、データの開示が生じずプライバシーが確保され、かつスループットが向上します。

MINAトークン

トークン概要

Minaでは、経済圏を支えるトークンとしてMINAを用います。

Minaの経済圏では、検証者、ブロックプロデューサー、スナーカー(SNARKer)のネットワーク参加者が存在しています。ブロックプロデューサーは、ブロック生成報酬やユーザーから支払われるネットワーク料金を得ることになります。また、直接のステーキングや、委任するステーキングを行うことができます。スナーカーは、Minaならではのネットワーク参加者です。トランザクションを行うためのzk-SNARKsを生成し、ブロックプロデューサが得た手数料の一部がスナーカーに支払われます。

MINAトークンは、メインネット稼働時には10億MINAが発行され、10年弱をかけて23億MINAが発行されます。初期配布に関しては、公式ブログ「Mina Token Distribution and Supply」から詳細を確認することができます。

MINAの供給スケジュールとインフレ率

MINAの供給スケジュールとインフレ率

取引所

2021年8月10日現在、MINAトークンは以下の取引所扱われています。

Minaに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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