コラム

このICOにはお金を入れない方が良いパターン(後編)

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nattanan23 / Pixabay
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なぜこのような記事を書こうかと思ったかというと、私の身の回りで変なICOにお金を突っ込んでひどい目にあっている人が想像以上に多いことと、周りが良いと言っているICOに対して私自身が強い違和感を感じることが多くなってきたからです。

その感覚の裏付けとなるのが、このブログコンテンツを作る過程で様々なプロジェクトのICO情報を見てきたことによる知識の蓄積と、何人もの成功したICO投資家と意見交換をして得られた知見によるものです。

私にとっては、かなり秘伝な内容を公開するつもりですが、所詮は一個人の意見です。その前提でお読みください。

本記事は「このICOには入れない方が良いパターン(前編)」の続きです。

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このICOには入れちゃダメパターン(後編)

トークンの流通が増えなさそう

トークンの価値とは流通量です。事実、最も価値が高いと見られているビットコインは、仮想通貨の中で最も使われており、高い流通量を誇っています。他のブロックチェーンのトークンと比べると、性能的には劣るのにです。

トークンの価値が流通量であることを理解するのは、法定通貨に置き換えてみると判りやすいです。

ご存知の通り、法定通貨で一番流通しているのは米ドルです。米ドルはみんなが使っているので、何かの取引をするために米ドルを持っているのが一番便利だからです。そのため、人々はわざわざ米ドルを手に入れようとします。

トークンでも同じことが言えます。あまりトークンの流通が生じないであろうブロックチェーンサービスでは、わざわざ取引所でそのトークンを調達してまで使おうとする利用者は多くありません。

また、必ずではないものの中央集権型のブロックチェーンサービスもこれに当てはまる傾向があります。中央集権型だと管理者のコントロールが及ぶ範囲がトークンが流通する経済圏になるため、分散型サービスと比べると経済圏がスケールアップして行かないためです。

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トークンが循環しない

内容が上記の内容と似ていますが、少し違います。

トークンが循環するというのは、トークンを手に入れる(=買う)人がいて、それを手放す(=売る)人がいるという意味になります。

私が最近話を聞いたとあるプロジェクトでは、ライセンスが必要なサービスを利用するためにトークンを購入する必要があるというトークンエコノミー設計になっていました。つまり、トークンがライセンスの役割を持つということです。

そのため、サービスが普及するとみんながトークンを購入するので需要が高まり、トークン価格が上がるという触れ込みで紹介されていました。

ライセンスはサービスを利用する間は保有していなければいけません。つまり、トークンを手放すという考慮が欠けているのです。

もちろん、トークン価格が上がるためには需要が上がっていくことが必要です。しかし、価格が上がった際にある程度の売りが湧いてきて、その売りを吸収するだけの大きな買いが発生しないとさらなる価格上昇はありません。

トークン価格上昇のプロセスに対して需要が必要なのはもちろんですが、供給もなくてはならないのです。当たり前ですが、需要の大きさ>供給の大きさになっている必要があります。

そのため、トークンエコノミーの設計が一方的に売られる、一方的に買われるというトークンが循環しない構造になっていると、価格の動きは限定的になる可能性があります。

極端に多いボーナスレートをつけている

多くのICOをするプロジェクトでは、上場すればそれで終わりと思っているところが多いのか、資金調達だけにはとても熱心です。そのためか、驚くほどのボーナスをつけて客寄せをするプロジェクトがあります。

仮に100%のボーナスが付けられたとすると、100%ボーナスでトークンを購入した人はICO価格の半値までであれば損をしないと判断してトークンを売却しようとします。

現実的には、ICO価格の半値まで下がってしまうと、その後大きく上昇するのが困難になります。

これは人間心理によるもので、強力な下げを体験してしまうと、価格が戻ってきたときに少しでも損失を抑えたいと思う投資家がトークンを売却するからです。売却されるとまた価格が下がります。

そのため、再度価格が上昇するためには、前述のような投資家の売りが収まる必要があります。これには期間を要します。

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ロックアップが甘い

ロックアップというのはトークンの売却制限のことを指します。売却制限があると、トークンの売り圧力が減るため、価格上昇の要因となります。

本来望ましいロックアップは以下の通りです。

  • 運営メンバー保有分のロックアップ
  • 大口投資家保有分のロックアップ
  • 大量付与したボーナス分へのロックアップ

運営メンバー保有分がロックアップされている場合は多いですが、ボーナス分がロックアップされていないことが多いです。

ボーナス分にロックアップがされていないと、前述したような現象が起きるため、ボーナスもロックアップされていることが望ましいです。

自分がそのサービスを使いたいと思わない

今まで長く色々な理屈を述べてきましたが、実はこれが一番重要です。

自分がそのサービスを使いたいと思わないということは、そもそもそのプロジェクトに魅力がないということかもしれません。

今の仮想通貨マーケットでは、トークンを入手するためにはまずBTCやETHを入手し、それを使ってさらにトークンを購入する必要があります。最低2回はトークンを入手するための手間が生じるのです。これはかなり面倒です。

2度手間をかけないと手に入らないトークンをわざわざ入手するということは、そのサービスには魅力があるはずです。そうでなければ、既存の競合サービスや、中央集権的なサービスに勝つことはできません。

人々がトークンが買わないと価格上昇が起こらないため、そのサービスを使いたいかどうかという利用者視点で考えるのはとても重要なのです。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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