当ブログでは、独自の指標に基づき割安な取引所トークンが何かという情報を月次で出しています。
先月の記事「取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年7月版)」から1か月が経ったので、現時点の状況を確認してみます。
取引所トークンについて
取引所トークンがよくわからない方のために、まずは取引所トークンについてご説明します。
[the_ad id=”7860″]
取引所トークンとは取引所内のみで使うことができるトークンで、一般的にユーティリティトークンに分類されます。ユーティリティトークンとは、あるサービスにアクセスするためのトークンになります。
取引所トークンを保有することで特典が受けられます。
- その取引所における基軸通貨として売買することができる。
(例:BinanceのBNBの場合、 BTC/BNB, ETH/BNB のような売買が可能) - 取引所トークンを使って売買すると、取引所の手数料の割引を受けられる。
- 取引所トークンの保有者には、取引所の利益の一部が還元される。
- 取引所トークンの保有者には、取引所に上場する仮想通貨の投票権が与えられる。
必ずしも、すべての取引所がこれに当てはまるとは限りません。
また、最近は取引所トークンを持っていると、何らかのトークンをエアドロップで貰えるというところまで登場しました。取引所トークンを通じたサービス合戦が活発になってきています。
取引所トークンの割安・割高判定
取引所トークンの割安・割高判定については、先月と全く同じ指標を使います。
ざっくりと書いてしまうと「取引所の売買高が大きいと、1トークンあたりの価値が高い」という考えのもと、割安・割高を判定します。
割安・割高判定の考え方
取引所の場合、大変わかりやすい指標があります。それが取引所の売買高になります。
ここでは「多くの人が積極的に売買する取引所は売買高が高く、その取引所トークンの価値が高い」という考えのもと、取引所トークンを割安・割高を測ってみました。
取引所トークンは、取引所ごとに発行数が異なるため、1トークンあたりの売買高を「取引所トークンの価値」と定義しました。
「取引所トークンの価値」=「取引所の売買高(24hあたり)」÷「取引所トークンの発行数」になります。
さらに、取引所トークンの価値と現在の価格がどれだけ開きがあるかを「倍率」で表しました。
「倍率」=「トークン価格」÷「取引所トークンの価値」になります。倍率が小さければ小さいほど、取引所の価値が取引所の実力に見合っておらず、その取引所トークンは割安と判断します。
[the_ad id=”7916″]
割安・割高判定の一覧
取引所トークンの割安・割高の判定には2018年8月9日時点のデータを用いました。取引所の売買高(取引所報告ベース)及び、取引所トークンの発行数はCoinMarketCapから取得し、円換算で記載しています。
今回は主要取引所の取引所トークンとしてBit-ZのBZを加えました。
前述の考え方のもと、割安・割高判定をした結果が以下の通りになります。
種別 | 取引所名 | シンボル | 発行数 | トークン 価格(円) |
24時間の 売買高(円) |
1トークン あたりの価値(円) |
倍率 |
中央集権型 | FCoin | FT | 2,510,925,464 | 9.97 | 232,926,088,950 | 92.77 | 0.11 |
中央集権型 | CoinBene | CONI | 1,000,000,000 | 5.79 | 43,658,162,927 | 43.66 | 0.13 |
中央集権型 | OKEx | OKB | 1,000,000,000 | 306.688 | 148,029,942,424 | 148.03 | 2.07 |
中央集権型 | Binance | BNB | 192,443,301 | 1,383.90? | 151,494,117,388 | 787.21 | 1.76 |
中央集権型 | Huobi | HT | 500,000,000 | 281.99? | 115,946,801,619 | 231.89 | 1.22 |
中央集権型 | Bit-Z | BZ | 1,200,000,000 | 20.96 | 17,504,326,730 | 14.59 | 1.44 |
中央集権型 | QUOINEX | QASH | 1,000,000,000 | 18.72 | 25,809,093,951 | 25.81 | 0.73 |
中央集権型 | Bibox | BIX | 267,941,449 | 66.11 | 26,309,048,234 | 98.19 | 0.67 |
中央集権型 | KuCoin | KCS | 180,730,576 | 225.89 | 2,358,878,435 | 13.05 | 17.31 |
中央集権型 | CoinEx | CET | 9,962,146,451 | 5.63 | 62,619,760,187 | 6.29 | 0.90 |
中央集権型 | COSS | COSS | 200,000,000 | 6.72 | 77,579,623 | 0.39 | 17.32 |
分散型 | CryptoBridge | BCO | 27,000,000 | 102.10 | 100,239,458 | 3.71 | 27.50 |
分散型 | Waves Platform | WAVES | 100,000,000 | 189.64 | 172,823,881 | 1.73 | 109.73 |
分散型 | Switcheo Network | SWTH | 1,000,000,000 | 1.02 | 14,884,439 | 0.01 | 68.53 |
分散型 | Kyber Network | KNC | 215,625,349 | 62.67 | 23,472,338 | 0.11 | 575.71 |
分散型 | Bancor Network | BNT | 76,094,698 | 205.15 | 448,714,969 | 5.90 | 34.79 |
?まとめと考察
今回の結果では、3取引所(FCoin, CoinBene, Bibox)が割安となりました。
FCoinとCoinBeneは取引マイニングをやっているため、取引所の報告ベースの売買高データでは取引所の真の実力が反映されていない可能性があります。それを踏まえてなのか、CoinMarketCapでは出来高の算出方法を報告ベースと調整値ベースに分けて掲載するようになりました。
上記を考慮すると、実質的な割安取引所はBiboxと考えられます。
[the_ad id=”7916″]