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取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年10月版)

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geralt / Pixabay
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当ブログでは、独自の指標に基づき割安な取引所トークンが何かという情報を月次で出しています。

先月の記事「取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年9月版)」から1か月が経ったので、現時点の状況を確認してみます。

取引所トークンについて

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取引所トークンがよくわからない方のために、まずは取引所トークンについてご説明します。

取引所トークンとは、発行元の取引所内のみで使うことができるトークンになります。一般的に、取引所トークンにはそれを保有することによる特典がついています。例えば、以下のような感じです。

  • その取引所における基軸通貨として売買することができる。
    (例:BinanceのBNBの場合、 BTC/BNB, ETH/BNB のような売買が可能)
  • 取引所トークンを使って売買すると、手数料の割引を受けられる。
  • 取引所トークンの保有者には、取引所の利益の一部が還元される。
  • 取引所トークンの保有者には、取引所に上場する仮想通貨の投票権が与えられる。
  • 取引所トークンの保有者には、何らかのトークンがタダでプレゼントされる(エアドロップ)。

必ずしも、すべての取引所トークンがこれに当てはまるとは限りません。

また、最近は頻繁に売買する人(=流動性を供給してくれる人)に対して取引所トークンで積極的な還元を行う取引所が現れています。取引マイニングと呼ばれています。

なぜ取引所トークンに注目をするのか?

なぜ取引所トークンに注目をするのか?それは、取引所トークンがICOにおいて最も投資パフォーマンスが良い分野であることに他ならないからです。

まずは、以下のツイートをご覧ください。このツイートは、TwitterのICO関連のインフルエンサーでもあるRYU氏(@Ryugunsun)が、ICOレポートのROIについてツイートしたものになります。

2018年前半では「取引所&ウォレット」のROIがずば抜けており、900%のパフォーマンスになっています。100入れると900のリターンを得るということを意味するので、いかに取引所分野の投資パフォーマンスが良いかがお分かりいただけるかと思います。

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取引所トークンの割安・割高判定の指針

このコーナーでは「取引所の売買高が大きいと、1トークンあたりの価値が高い」という考えのもと、割安・割高を判定します。

割安・割高判定の考え方

取引所の場合は、大変判りやすい指標があります。それが取引所の売買高になります。

ここでは「多くの人が積極的に売買する取引所は売買高が高いので、その取引所トークンの価値が高い」という前提に立ち、取引所トークンを割安・割高を測ってみました。

取引所トークンは、取引所ごとに発行数が異なるため、1トークンあたりの売買高を「取引所トークンの価値」と定義しました。

つまりは、「取引所トークンの価値」=「取引所の売買高(24hあたり)」÷「取引所トークンの発行数」になります。

さらに、取引所トークンの価値と現在の価格がどれだけ開きがあるかを「倍率」で表しました。

「倍率」=「トークン価格」÷「取引所トークンの価値」になります。倍率が小さければ小さいほど、取引所の価値が取引所の実力に見合っておらず、その取引所トークンは割安と判断します。

データの取得先と利用する情報

すべて条件を同じにするため、売買高のデータはCoinMarketCapに公開されている情報のみを利用します。取得時期は2018年10月08日になります。

CoinMarketCapには、取引所から売買高の情報が通知されており、それが売買高のランキング形式となって公開されています。

しかしながら、取引所から報告される売買高の生の情報は疑わしい部分が多く、CoinMarketCapでは補正をかけて条件を同じにした形で調整済みの売買高(Adjusted Volume)売買ランキングが公開されるようになりました。

情報の公平性を確保するために調整済みの売買高に基づいて割安・割高判断を行います。

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取引所トークンの割安・割高判定結果

比較対象の取引所

比較対象の取引所は、すべて調整済みの売買高のデータを取得できるところになります。10月よりCoinsuperとCryptalDashを加えました。

中央集権取引所:

  • CoineBene (CONI)
  • OKEx (OKB)
  • Binance (BNB)
  • Huobi (HT)
  • Bit-Z (BZ)
  • Liquid (QASH)
  • BiBox (BIX)
  • KuCoin (KCS)
  • COSS (COSS)
  • Coinsuper (CEN)
  • CryptalDash (CRD)

分散型取引所:

  • CryptoBridge (BCO)
  • Switcheo Network (SWTH)
  • Kyber Network (KNC)
  • Bancor Network (BNT)

比較結果

中央集権型取引所:

取引所名 シンボル 発行数 トークン価格(円) 24時間の売買高(円) 1トークンあたりの価値(円) 倍率
CoinBene CONI 1,000,000,000 2.81 2,561,533,237 2.56 1.10
OKEx OKB 1,000,000,000 166.75 54,684,905,013 54.68 3.05
Binance BNB 192,443,301 1,199.08 102,546,278,674 532.86 2.25
Huobi HT 500,000,000 205.44 50,956,163,764 101.91 2.02
Bit-Z BZ 1,200,000,000 12.43 20,838,402,243 17.37 0.72
Liquid QASH 1,000,000,000 25.35 453,407,816 0.45 55.91
Bibox BIX 267,941,449 46.74 29,766,489,346 111.09 0.42
KuCoin KCS 180,730,576 130.79 3,235,842,809 17.90 7.30
COSS COSS 200,000,000 7.37 57,539,415 0.29 25.62
Coinsuper CEN 1,000,000,000 3.04 7,624,682,324 7.62 0.40
CryptalDash CRD 1,000,000,000 1.19 163,468,833 0.16 7.28

分散型取引所:

取引所名 シンボル 発行数 トークン価格(円) 24時間の売買高(円) 1トークンあたりの価値(円) 倍率
Bancor Network BNT 78,440,306 169.30 180,197,227 2.30 73.70
Waves Platform WAVES 100,000,000 241.40 172,416,503 1.72 140.01
Switcheo Network SWTH 1,000,000,000 0.90 7,458,127 0.01 120.67
Kyber Network KNC 215,625,349 47.19 17,677,340 0.08 575.62
CryptoBridge BCO 27,000,000 187.81 205,611,030 7.62 24.6

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まとめと考察

中央集権取引所

今回は、Bit-Z, Bibox, Coinsuperが割安判定となり、Liquidが割高判定となりました。

特に割安なのがCoinsuperでした。最近のCoinsuperはイケイケで、CoinMarketCapの取引所ランキングで常に上位にいますが、ツイッターで話題にしている人は少ない状況です。

筆者の感覚だと、大手取引所でここまで注目されていないのはちょっと不自然で、チャートが底値が固まったような価格推移に見えるため、直近で大きく動いてもおかしくないのではと推測しています。

分散型取引所

前回最も割安判定となったCryptoBridgeですが、前回から上昇幅が+77%と、比較対象の中では最も大きい伸びを記録しました。

CryptoBridgeは、今回比較した分散型取引所の中では一番売買高が多く、調査をすると毎回順位を上げてきています。

売買高の割にまだトークン価格が安いため、今後も伸びる可能性が大きいと予想されます。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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