ユーティリティトークンがICOをする場合、トークンはプラットフォームにおいてお金そのものの役割をします。
そのため、私はユーティリティトークンのICOの情報を見る場合に、プロジェクトの内容がある程度良さそうであれば、トークンエコノミーの設計を重視してみます。
今まで100本程ホワイトペーパーを読んできて、どのようなポイントで良し悪しを判断しているかご紹介します。
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トークンエコノミーが成立し得るか
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まずは、そもそもトークンエコノミーが成立し得るかを確認します。
「それが成立する前提があるからICOしてるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は成立しないのがあります。
あまり名指しするのは良くないと思いつつも、実例が分かりやすいので書いてしまうと、SPINDLEが良い例になります。
SPINDLEの場合は、ZETAプラットフォーム上で紹介されている投資プロジェクトに対し、SPDトークンを投資し、リターンをSPDで得ることができる仕組みになります。
実はこれ、成立するように見えて成立が困難な仕組みです。
世の中の投資商品は仮想通貨であるとは限らないので、運用側はSPDを何かしらの形態に替える必要があります。
現状だと、「SPD」→「BTC/ETH」→「法定通貨」という両替え手順を踏む必要が出てきます。もし、仮想通貨だけで運用ができる世の中が来たとしても、「SPD」→「BTC/ETH」のような両替えは必要になることでしょう。
ここで考えたいのが為替リスクになります。「SPD」→「BTC/ETH」の間でも為替が発生し、「BTC/ETH」→「法定通貨」の間でも為替が発生します。しかもたちが悪いことに、これらは仮想通貨なので、数十パーセントの値動きを平気でやるようなものになります。
仮に投資プロジェクトが成功したとして、数十パーセントの利益を上げたとしても、仮想通貨の為替変動でその利益を吹き飛ばす可能性があります。
投資プロジェクト側がこのような利益が確保しにくいプラットフォームを積極的に使うというのは現実的に考えづらいところがあります。
そのようなことから、SPINDLEはトークンエコノミーがそもそも成立しにくいということがいえます。
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流通量が多いかどうか
これは以前も取り上げたものに近い内容になります。関連記事は「ICO後に価格が上がるユーティリティトークンのジャンルを公式から導き出す」をご覧ください。
私の知り合いの米国の仮想通貨ファンドの人は、1000件のICOを見て最終的に投資をしたのは3件でした。それくらいシビアな目線を持っています。
そんな彼は「○○はヨーロッパでNo.1のコインだ!」と話していました。私は「他の仮想通貨と比べた場合の○○の優位性は?」と聞いた時に彼は「Volume(出来高)」とだけシンプルに回答していました。
実は、この回答は本質を突いた内容です。通貨の価値とは、どれだけ流通して使われるかだからです。
さらに厳密的に書くと、トークンを完全には手放さずに保有し、高額決済をバンバンやるプラットフォームのトークン価格は上がりやすいです。分かりやすいのが取引所トークンになります。
逆に、投げ銭のようなプラットフォームは低額決済が多いため、トークン価格は上がりにくいと想定することができます。
このように「トークンエコノミーが成立し得るか」「流通量が多いかどうか」という点に注目すると、今後トークン価格がプラスに作用するか、マイナスに作用するかがなんとなくイメージできるようになります。
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