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取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年11月版)

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geralt / Pixabay
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当ブログでは、独自の指標に基づき割安な取引所トークンが何かという考察記事を月次で出しています。

先月の記事「取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年10月版)」から1か月が経ったので、現時点の状況を確認してみます。

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取引所トークンについて

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取引所トークンがよくわからない方のために、まずは取引所トークンについてご説明します。

取引所トークンとは、発行元の取引所内のみで使うことができるトークンになります。一般的に、取引所トークンにはそれを保有することによる特典がついています。例えば、以下のような感じです。

  • その取引所における基軸通貨として売買することができる。
    (例:BinanceのBNBの場合、 BTC/BNB, ETH/BNB のような売買が可能)
  • 取引所トークンを使って売買すると、手数料の割引を受けられる。
  • 取引所トークンの保有者には、取引所の利益の一部が還元される。
  • 取引所トークンの保有者には、取引所に上場する仮想通貨の投票権が与えられる。
  • 取引所トークンの保有者には、何らかのトークンがタダでプレゼントされる(エアドロップ)。

必ずしも、すべての取引所トークンがこれに全んぶ当てはまるとは限りません。

また、頻繁に売買する人(=流動性を供給してくれる人)に対して取引所トークンを配布し積極的な還元を行う取引所が現れています。このような仕組みは取引マイニングと呼ばれています。

なぜ取引所トークンに注目をするのか?

なぜ取引所トークンに注目をするのか?それは、取引所トークンがICOにおいて最も投資パフォーマンスが良い分野であることに他ならないからです。

まずは、以下のツイートをご覧ください。このツイートは、TwitterのICO関連のインフルエンサーでもあるRYU氏(@Ryugunsun)が、ICOレポートのROIについてツイートしたものになります。

2018年前半では「取引所&ウォレット」のROIがずば抜けており、900%のパフォーマンスになっています。100入れると900のリターンを得るということを意味するので、いかに取引所分野の投資パフォーマンスが良いかがお分かりいただけるかと思います。

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取引所トークンの割安・割高判定の指針

この記事では「取引所の売買高が大きいと、1トークンあたりの価値が高い」という考えのもと、割安・割高を判定します。

割安・割高判定の考え方

取引所の場合は、大変判りやすい指標があります。それが取引所の売買高になります。

ここでは「多くの人が積極的に売買する取引所は売買高が高いので、その取引所トークンの価値が高い」という前提に立ち、取引所トークンを割安・割高を測ってみました。

取引所トークンは、取引所ごとに発行数が異なるため、1トークンあたりの売買高を「取引所トークンの価値」と定義しました。

つまりは、「取引所トークンの価値」=「取引所の売買高(24hあたり)」÷「取引所トークンの発行数」になります。

さらに、取引所トークンの価値と現在の価格がどれだけ開きがあるかを「倍率」で表しました。

「倍率」=「トークン価格」÷「取引所トークンの価値」になります。倍率が小さければ小さいほど、取引所の価値が取引所の実力に見合っておらず、その取引所トークンは割安と判断します。

ちなみに、中央集権型取引所の場合は、倍率は0.5-10倍程度に収まることが今までの調査で判っています。

データの取得先と利用する情報

条件を公平にするため、売買高のデータはCoinMarketCapに公開されている情報のみを利用します。データ取得時期は2018年11月09日になります。

CoinMarketCapには、取引所から売買高の情報が通知されており、それが売買高のランキング形式となって公開されています。

しかしながら、取引所から報告される売買高の生の情報は疑わしい部分が多く、CoinMarketCapでは補正をかけて条件を同じにした調整済みの売買高(Adjusted Volume)売買ランキングが公開されるようになりました。

情報の公平性を確保するために、この記事では調整済みの売買高に基づいて割安・割高判断を行います。

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取引所トークンの割安・割高判定結果

比較対象の取引所

比較対象の取引所は、すべて調整済みの売買高のデータを取得できるところになります。11月よりDigiFinexを加えました。

また、COSSの売買高があまりに小さいため、今回から除外しました。

中央集権取引所:

  • CoineBene (CONI)
  • OKEx (OKB)
  • Binance (BNB)
  • Huobi (HT)
  • Bit-Z (BZ)
  • Liquid (QASH)
  • BiBox (BIX)
  • KuCoin (KCS)
  • Coinsuper (CEN)
  • CryptalDash (CRD)
  • DigiFinex (DFT)

分散型取引所:

  • CryptoBridge (BCO)
  • Switcheo Network (SWTH)
  • Kyber Network (KNC)
  • Bancor Network (BNT)

比較結果

中央集権型取引所:

取引所名 シンボル 発行数 トークン価格(円) 24時間の売買高(円) 1トークンあたりの価値(円) 倍率
CoinBene CONI 1,000,000,000 3.18 35,317,241,522 35.32 0.09
OKEx OKB 1,000,000,000 138.19 84,030,787,039 84.03 1.64
Binance BNB 190,799,315 1,106.2 92,214,825,645 483.31 2.29
Huobi HT 500,000,000 180.12 62,356,876,387 124.71 1.44
Bit-Z BZ 1,200,000,000 11.97 12,743,261,563 10.62 1.13
Liquid QASH 1,000,000,000 24.12 1,228,458,294 1.23 19.63
Bibox BIX 265,986,997 39.78 32,728,647,101 123.05 0.32
KuCoin KCS 180,138,154 125.59 2,490,242,380 13.82 9.08
Coinsuper CEN 972,268,589 1.98 7,059,424,156 7.26 0.27
CryptalDash CRD 1,000,000,000 0.89 380,415,694 0.38 2.34
DigiFinex DFT 2,100,000,000 18.09 54,009,358,677 25.72 0.70

分散型取引所:

取引所名 シンボル 発行数 トークン価格(円) 24時間の売買高(円) 1トークンあたりの価値(円) 倍率
Bancor Network BNT 78,233,950 156.49 217,495,588 2.78 56.29
Waves Platform WAVES 100,000,000 208.48 184,521,760 1.85 112.98
Switcheo Network SWTH 1,000,000,000 1.03 11,617,718 0.01 88.66
Kyber Network KNC 215,625,349 46.37 41,453,300 0.19 241.20
CryptoBridge BCO 27,000,000 154.36 96,029,816 3.56 43.40

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まとめと考察

中央集権取引所

今回は、CoinBene, Coinsuper, Biboxが割安判定となり、Liquidが割高判定となりました。

特に、CoinBeneは直近売買高が急激に上昇している割には、CONIトークンの価格は低迷したままなので、かなり割安で放置されています。

分散型取引所

今回の調査した分散型取引所は、CryptoBridgeを除いて売買高が上昇しました。

その分、割高感は若干解消されています。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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