2019年8月23日に、スタンダードキャピタル株式会社主催の「ブロックチェーンとSTOについて -ブロックチェーンの基礎からその技術を使ったSTまで-」が開催されました。
スタンダードキャピタル株式会社は、日本国内のSTO分野では最も進んだ取り組みをしている企業の1つです。
イベントページ: ブロックチェーンとSTOについて -ブロックチェーンの基礎からその技術を使ったSTまで-
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ブロックチェーンとSTOについて イベントレポート
スタンダードキャピタル社の取り組み
スタンダードキャピタルは、日本国内においてセキュリティトークンの規格策定を行っています。
なぜ基準を作る必要があるのか?ビットコインなどの既存のブロックチェーンは国や企業の管理がない一方、セキュリティトークンは株式や不動産を担保にし、KYCやFATFの問題に対処してマネーロンダリングを防止する管理体制が求められるからです。
現在スタンダードキャピタルでは、日本のためのセキュリティトークンの規格「JP規格」を作成しています。その中には「J-FTA」と「JP20」があります。
J-FTAは不動産にフォーカスした規格で、不動産に関する法律に準拠して開発を行っています。収益分配の権利の分割や小口化などをブロックチェーンを通して行い、2次流通市場を活発化させ、より多くの不動産投資の機会を提供することを目的としています。既に府中の駅前施設で、ブロックチェーンを使った権利の分散小口化のテストを実施しています。
また、JP20はセキュリティトークン化した株式トレードをメインとした規格で、既にAWS上で1万TPSのパフォーマンスが確認できています。
これらの規格の開発については、ブロックチェーンの中に承認作業をすべて法律に準拠させたものにする必要があるといいます。そのため、複数の法律がまたがり、要件定義が複雑になるという苦労があるそうです。
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ブロックチェーンとSTOについて
ブロックチェーンは、複数のシステムで取引履歴を分散管理する技術です。複数のノードを使いデータを管理することで、従来のサーバで起こり得るサーバ紛失時のデータ紛失リスクや改ざんリスクを抑えることができます。
特にパブリックブロックチェーンは、第三者機関が存在せず、誰でもそこに参加し承認作業ができます。みんなでデータの共有や管理を行い、取引履歴の閲覧は誰からも閲覧することができるため、お金との親和性が高いのが特徴です。
セキュリティトークンは、証券の管理をブロックチェーンで行うものになり、セキュリティトークンの発行はSTO(Security Token Offering)と呼ばれます。誰でも暗号資産を発行できるICO(Initial Coin Offering)は、資金用途が不明確で詐欺が多発しましたが、STOでは規制に基づいて責任の所在が明確に決まっています。
以下が、STOとICOの違いになります。この違いは、つきつめるとコンソーシアムチェーンとパブリックチェーンの違いだといいます。
セキュリティトークンのメリットは、管理の面が大幅に改ざんされる点です。
例えば、米国のDole社のような事例を防ぐことができます。上場前の株式は、その管理を自分たちでする必要がありますが、Dole社では実際に発行していた株式数と、上場後の株式数に大きな乖離があり大問題になった過去があります。セキュリティトークンにより所有者の権利を厳密に管理できると、このような問題は起こらなくなります。
また、24時間365日の取引も実現することができます。しかし、24時間取引ができるのは、取引が閑散になる時間帯に相場操縦が行われる可能性があるため、必ずしも良いとは限りません。
セキュリティトークンのプレイヤーは多く、画像は米国の例になります。これほどまでに参入社が多いのは、市場規模が大きいことによります。現在のセキュリティトークンの市場規模は84兆円あるといわれており、各社がシェアを獲得しようとしのぎを削っています。