中央集権型取引所の勢力図がほぼ固まりつつある中で、ほぼすべての取引所が差別化に苦戦しています。そのような中で、KuCoinはこの界隈としては老舗としての信用力を武器にし、最近攻勢をかけている取引所の1つです。
KuCoinの概要
KuCoinは、取引ランキングで世界トップ5に入るグローバル暗号資産取引所です。この界隈としては老舗にあたり、2014年に設立されました。ユーザー数は2,000万人、取引ペア数は1,365と、暗号資産取引所業界では指折りの規模になります。提供しているサービス面では、特に現物取引に力を入れている他、信用取引や先物取引、ボット取引や利回り商品など、多岐にわたります。
ユーザー規模やサービスの多さもさることながら、KuCoinでは人々には見えづらい点の強化も行っています。KuCoinは「人々のための取引所」を謳っており、プロジェクトやユーザーといったステークホルダーが安心して使える状況を構築しています。2020年9月、KuCoinは当時のレートで300億円程度の資産の流出事故を起こしました。そこで、セキュリティ事故の影響を受けた個人やプロジェクトを包括的に保護し、サポートをするセーフガードプログラムを開始しました。最終的に、KuCoinはプログラムに従い保険金ファンドを使って全額を補償しました。また、KuCoinはユーザーからのネガティブなフィードバックの取り入れにも積極的で、他の取引所ではあまり見られない内部告発用窓口やバグバウンティを設け、企業としてのコンプライアンス重視の姿勢を打ち出しています。
また、2022年9月29日に開催されたAMAにて、KuCoinの担当者は「”今のところ”は日本市場に進出する予定はない」と回答しています。
KuCoinを使うメリット
KuCoinでは、ユーザーの目に見えやすいサービスの充実に加え、見えづらい部分のメリットが多数あります。
いち早く話題のアルトコインにアクセスできる
KuCoinでは、取引所の方針としてアルトコインの上場に力を入れています。取引できるアルトコインの種類が多いのはもちろんのこと、特に最近はユーザーベースが多い話題のアルトコインを、他の取引所より早く上場させる傾向にあります。また、KuCoinはTier1の取引所になるため、上場審査が他より厳しめになっています。
そのため、KuCoinではまともなプロジェクトのアルトコインにいち早くアクセスできます。
プライバシーを重視したいユーザーのニーズに対応
昨今、犯罪やマネーロンダリング対策のために本人確認プロセス(KYC)はもはや当たり前のものになっています。一方で、KYCでは身分証のコピーを提出することから、万が一個人情報が流出した場合に様々な被害を被る場合があります。とりわけ、暗号資産のサービスでは、お金が直に絡む分、悪質な詐欺に発展する傾向にあります。
そこで、KuCoinでは本人確認プロセス(KYC)を導入しつつも、KYCを任意に設定しています。KYCを行わない場合の出金制限は1日あたり1BTCとなっており、多くのユーザーにとっては十分な額に設定されています。既に多くのTier1取引所がKYCを必須にしているため、KuCoinを使うことでTier1取引所を利用したい、かつプライバシーを重視したいユーザーのニーズを満たすことができます。
下降相場でも初心者ユーザーが利益を上げやすいサービスを提供
KuCoinでは、他の取引所と同様にレンディングやステーキングなど、初心者でも受動的な収入を得ることができるサービスが多数用意されています。これらの多くはステーブルコイン以外の暗号資産建てになるため、下降相場では利回りの増加が価格の下落に追いつかず、トータルではマイナスに陥ってしまいがちです。
そこで、KuCoinでは初心者でも下降相場で利益を上げやすい受動的な収入を得ることができるサービスとして、無期限先物やリバランスのグリッド取引ボットを用意しています。グリッド取引は、いまや多くの大手取引所が採用しているものの、多くが現物のみであり、ショートが使える無期限先物やリバランスに対応している取引所はあまり多くありません。そのため、KuCoinを使うことで下降相場でも比較的利益を上げやすくなります。
高めのIEOのパフォーマンス
KuCoinでは、IEOプラットフォームの「Spotlight」を提供しています。KuCoinでは高めのIEOパフォーマンスが出ており、相場が低迷している2022年に実施されたIEOは以下の通りになります。トークンリリース時のロック解除比率はプロジェクトごとに異なるものの、トークン価格は概ね原資回収をしやすい値で推移しています。
プロジェクト名 | セール日 (2022年) |
販売価格 | 上場初日の終値 | 倍率 |
---|---|---|---|---|
Mechaverse (MC) | 09/07 | 0.1 USD | 0.5474 USDT | 5.47倍 |
Fracton Protocol (FT) | 08/11 | 0.2 USD | 1.3301 USDT | 6.65倍 |
Pikaster (MLS) | 05/23 | 0.12 USD | 0.9571 USDT | 7.97倍 |
Aurigami (PLY) | 05/05 | 0.005 USD | 0.1510 USDT | 30.20倍 |
Melos Studio (MELOS) | 03/17 | 0.05 USD | 0.27751 USDT | 5.55倍 |
Gari Network (GARI) | 01/18 | 0.2 USD | 0.5856 USDT | 2.92倍 |
ClearDAO (CLH) | 01/07 | 0.01 USD | 0.4897 USDT | 48.97倍 |
Spotlightに参加するには、KYCを完了する必要がある他、申込み期間中においてKuCoinの独自トークンを毎日平均100 KCS以上保有している必要があります。最終的に、$KCSの保有量に比例して、IEOのトークンが配布されるようになっています。詳しい参加方法は「Spotlightを始めるには?」から確認することができます。
資産をロックするだけでトークンをもらえるイベントがある
KuCoinには、資産を一定期間ロックするとプロジェクトのトークンを獲得することができる「BurnDrop」が用意されています。BurnDropでは、$USDTや$ETH、$KCSを一定期間ロックすることで、ロックした量に応じて対象プロジェクトのトークンをもらうことができます。ロック期間が経過すると、ロックした資産が戻ってきます。
取引所の手数料収入の配当を受けられる
KuCoinでは「KCSボーナス」と呼ばれる、取引所の手数料収入の50%を取引所トークン($KCS)の保有者同士で分配するサービスを設けています。
ユーザーは6KCS以上を保有するだけでKCSボーナスの対象になり、毎日$KCSで支払われます。想定APRは年により変動し、3から30%となります。KCSボーナスの詳しくは「KCSボーナスプラン」の記事より確認することができます。
KCSトークン
KuCoinでは、取引所トークンとして$KCSを発行しています。
KCSトークンのユーティリティ
$KCSは、KuCoin取引所のユーティリティとして使える他、独自チェーンである「KuCoin Community Chain (KCC)」のユーティリティも担っています。
KuCoin取引所のユーティリティ:
- 取引手数料の20%割引
- 保有枚数に準じた取引手数料の割引や出金枠の増額
- IEO(Spotlight)やBurnDropのトークン配布枠の獲得権利
- KCSボーナスによる手数料収入の分配
KuCoin Community Chain (KCC)のユーティリティ:
- KCCのガス代支払い
- KCCのノードへのステーキング(年利4.89-4.99%)
- KCCのガバナンス(GoDAO)
KCSのバーン
$KCSの総供給量は2億に設定されており、1億KCSとなるまで月単位で市場から買い戻されてバーンされるようになっています。買い戻しには、取引所の純利益の10%があてられます。2022年9月現在、総供給量は145,224,482 KCS、循環供給は97,724,482 KCSになっています。バーン状況の詳細は、KCSのページより確認することができます。
KuCoinの登録方法
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