筆者は最近になって初めてICO(Initial Coin Offering)に参加してみましたが、そのICO案件は、トークンの受け取りにEthereumウォレットを使うものでした。
実際にICOを経験してみて、これは知らないとメチャクチャ悲惨な目に遭うと感じたことがあるので、これからICOに参加する方に向けて注意点を書きたいと思います。
なお、本文ではトークンと書いたらICOにより得られる仮想通貨という意味合いになりますのでご注意ください。
なぜICOの多くがEthereumウォレットを使うのか
Ethereumと書くと、一般的には仮想通貨のETHやETCが想像されがちですが、正確には分散型アプリケーションやスマート・コントラクトを構築するためのプラットフォームのことを指します。そのプラットフォームの基軸通貨がETHやETCということになります。
ICOにおいて、トークンを発行する側は仮想通貨で資金調達をし、プロジェクトを進めていきます。プロジェクトに資金を投じた見返りに、トークンが発行されます。
現実問題として、トークンを発行するプラットフォームを新規に開発するのは非常に効率が悪いため、Ethereumのプラットフォームを利用し、ERC20トークンを発行するという形態を採ります。ERC20トークンは、Ethereumウォレットのアドレスに送金してもらいます。
上記の形態を採ることで、ICO参加者はICOに参加するたびに新たなウォレットを用意しなくて済むようになります。1つのウォレットで、既存のETHやERC20トークンを一括で保管することができるのです。
筆者が参加したICOは複数ありますが、その多くがEthereumウォレットでERC20トークンを受け取るものでした。
[the_ad id=”7916″]
EthereumウォレットのすべてがERC20に対応しているわけではない
それでは、ICOに参加するにはEthereumウォレットを持てば良いかというと、話はそこまで単純ではありません。
世に存在するEthereumウォレットは、ERC20トークンへの受け取りに対応しているものとは限らないからです。
たちが悪いことに、使い勝手の良いEthereumウォレットに限ってERC20に対応していません。以下は、ERC20に対応していない代表的なウォレットになります。
- 取引所のEthereumウォレット(bitFleyer, coincheck, Zaifなど)
- BlockChain Wallet
基本的に、取引所のEthereumウォレットやクラウドタイプのウォレットは対応していないと考えてOKです。この原則を忘れてしまうと、送金したけれどもERC20トークンをもらえずに終わってしまうという悲惨な事態が待ち受けています。
送金する仮想通貨がETHに限定される場合、ERC20に非対応なEtheriumウォレットからの送金がNG
先ほどは、ERC20トークンを受け取る場合の話でした。今度は送金の場合の話になります。
ICOへの支払いがETHのみである場合、送金に利用するウォレットもERC20に対応している必要があるかもしれません。
Etheriumプラットフォームを採用しているICOでは、送金先にコントラクトアドレスを用意しているものがあります。Iコントラクトアドレスでは「ここにETHが入金されると、入金してきたアドレスに額に応じたERC20トークンを送りますよ」という処理を行います。
そのような理由により、ICOの送金はERC20に対応しているEthereumウォレットから行う必要があるのです。
[the_ad id=”7916″]
ICOに必要なEthereumウォレットと送金方法の条件
前置きが長くなってしまいましたが、ICOに必要なEthereumウォレットに関するまとめです。
- 受取:ICOで発行されるトークンの受け取りには、ERC20に対応したEthereumウォレットが必要になる。
- 送金:ETHで支払いを行うICOでは、ERC20に対応したEtheriumウォレットから送金する必要がある。
ICOに使うETHは、多くの場合取引所で調達するため、送金フローは以下のようになります。
- 取引所でETHを調達する。
- 取引所で調達したETHをERC20に対応したEthereumウォレットに送金する。
- ERC20に対応したEthereumウォレットからICOのアドレスにETHを送金する。
ERC20に対応しているEtheriumウォレット
前書きが長くなってしまいましたが、ICOに参加するためにはERC20に対応しているEthereumウォレットを持つことが欠かせません。
筆者が最近参加したICOでは、以下のEthereumウォレットが推奨されていました。
- ソフトウェアウォレット:MyEtherWallet
- ソフトウェアウォレット:MetaMask
- ハードウェアウォレット:Ledger
- ハードウェアウォレット:TREZOR
ソフトウェアウォレットを利用する場合、ウォレットの秘密鍵はPC上で管理する必要があります。PCのクラッシュで失うリスク、ハッキングにより盗み出されるリスクがあります。
筆者はきちんと秘密鍵を管理できる自信がなかったので、ハードウェアウォレットのLegder Nano Sを購入しました。