仮想通貨の取引所には「中央集権取引所」「分散型取引所」と、2種類の取引所があります。分散型取引所はDecenterized Exchange、略してDEXになります。文中では原則DEXと表記しています。
最近はDEXの数も増えており、かつICOして時間が経っていないトークンが安値で手に入ることがあります。一方、わかりづらい部分も多く、現時点ではあまり積極的に使われていない現状もあります。
とはいえ、DEXを使えるとマイナーな草コインを青田買いすることもできるため、使うことができるに越したことはありません。
この記事では、DEXがどのようなものかを解説します。
中央集権取引所と分散型取引所(DEX)の違い
DEXを理解するには、中央集権取引所と分散型取引所(DEX)の違いを理解するのが一番手っ取り早いことでしょう。
中央集権取引所の特徴
中央集権取引所は、中央に管理者がいる取引所になります。一般的に取引所と言われるものの多くは、中央集権取引所になります。
[the_ad id=”7860″]中央集権取引所では、広告を打っていて知名度がある為、多くの利用者が登録しており売買が頻繁に行われています。そのため、流動性が高く、欲しい仮想通貨を欲しい価格で買う、売りたい仮想通貨を売りたい価格で売るということが容易に可能です。
また、きちんとした管理者となる業者がサービスを行っている為、日本円などの法定通貨を軸にした売買が可能となります。また、仮想通貨の所有権の移転をブロックチェーン上に出さなくても行うことができるため、処理が高速で、手数料は分散型取引所より安い傾向にあります。
中央集権取引所における一番の欠点がセキュリティになります。中央集権取引所では、利用者のウォレットは取引所上に存在しています。つまり、ウォレットの秘密鍵を取引所がまとめて管理していることになります。ウォレットをオープンして出金ができるようにするためには、秘密鍵が必要になります。そのため、万が一中央部がハッキングされ、秘密鍵が流出すると自分の口座から勝手に仮想通貨が流出する自体が発生します。コインチェックのNEM流出事件はこれに該当します。
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分散型取引所(DEX)の特徴
分散型取引所(DEX)は、中央の管理者が居なくても仮想通貨の売買ができる取引所のことです。取引所のノード(コンピューター)はインターネット上に分散しています。利用者がDEXを利用する際、取引時に自身のウォレットをセットすることにより、ウォレットの中身から直接取引を行うことになります。
DEXの一番のメリットは、ウォレットの秘密鍵を取引所で保有していない点にあります。それにより、取引所がハッキングされたとしても利用者のウォレットの秘密鍵が漏洩しないため、取引所の利用者がまとめて仮想通貨を失う事態を回避することができます。しかしながら、Webのインターフェイスを介して取引をするため、Webが改ざんされた場合に何らかの被害が出る可能性はあります。DEXだからと言って、100%ハッキング耐性があるわけではない点にはご注意ください。
また、マイナーな仮想通貨が幅広く上場されている傾向があるため、中央集権取引所に上場される前に草コインを漁っておくという戦略を取ることができます。
デメリットは、中央集権取引所と比べると売買が頻繁ではないため、流動性が乏しく、希望価格で売買できないことが頻繁に発生します。また、中央の管理者がいないため、日本円などの法定通貨を取り扱うことができず、最終的に日本円にしたい場合は結局は中央集権取引所を使わざるを得なくなってしまいます。
また、仮想通貨の所有権の移転をブロックチェーン上で行う必要があるため、ブロックチェーンに所有権を記録するためにトランザクションフィーのコストが発生します。そのため、中央集権取引所と比べると手数料が割高になり、決済速度が遅くなってしまいます。
この他、中央の管理者がいないが故に、DEXのアカウントを忘れると二度とリカバリできない危険性があります。
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中央集権取引所・分散型取引所(DEX)の比較表
文章だとぱっと見判らないため、今までの内容を比較表に起こしました。
中央集権取引所 | 分散型取引所 | |
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一番の特徴 | 利用者ウォレットの秘密鍵を一括管理 | 利用者ウォレットの秘密鍵を利用者自身で管理 |
メリット |
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デメリット |
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ご覧の通り、中央集権取引所と分散型取引所(DEX)のメリットデメリットは裏表の関係にあります。どちらかを使うのではなく、両方を補完関係として使うことによって取引の幅を増やすことができます。