約一ヶ月前に「取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年5月版)」で、割安な取引所トークンはOKB(OKEx)、HT(Huobi)、BNB(Binance)であることがわかりました。
あれから1か月、今の取引所トークンの状況を確認してみましょう。
取引所トークンについて
[the_ad id=”7860″]取引所トークンがよくわからない方のために念のために説明しておくと、取引所トークンとは取引所内のみで使うことができるトークンで、取引所トークンを保有することで特典が受けられます。
- その取引所において基軸通貨として売買することができる。
(例:BinanceのBNBの場合、 BTC/BNB, ETH/BNB のような売買が可能) - 取引所トークンを使って売買すると、取引所の手数料の割引を受けられる。
- 取引所トークンの保有者には、取引所の利益の一部が還元される。
- 取引所トークンの保有者は、取引所に上場する仮想通貨の投票権が与えられる。
必ずしも、すべての取引所がこれに当てはまるとは限りません。
また、最近は取引所トークンを持っていると、何らかのトークンをエアドロップで貰えるというところまで登場しました。取引所トークンを通じたサービス合戦が活発になってきています。
取引所トークンの割安・割高判定
取引所トークンの割安・割高判定については、先月と全く同じ指標を使います。
ざっくりと書いてしまうと「取引所の売買高が大きいと、1トークンあたりの価値が高い」という考えのもと、割安・割高を判定します。
割安・割高判定の考え方
取引所の場合、大変わかりやすい指標があります。それが取引所の売買高になります。
ここでは「多くの人が積極的に売買する取引所は売買高が高く、その取引所トークンの価値が高い」という考えのもと、取引所トークンを割安・割高を測ってみました。
取引所トークンは、取引所ごとに発行数が異なるため、1トークンあたりの売買高を「取引所トークンの価値」と定義しました。
「取引所トークンの価値」=「取引所の売買高(24hあたり)」÷「取引所トークンの発行数」になります。
さらに、取引所トークンの価値と現在の価格がどれだけ開きがあるかを「倍率」で表しました。
「倍率」=「トークン価格」÷「取引所トークンの価値」になります。倍率が小さければ小さいほど、取引所の価値が取引所の実力に見合っておらず、その取引所トークンは割安と判断します。
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割安・割高判定の一覧
取引所トークンの割安・割高の判定には2018年6月7日時点のデータを用いました。
取引所の売買高及び、取引所トークンの発行数はCoinMarketCapから取得し、円換算で記載しています。
前述の考え方のもと、割安・割高判定をした結果が以下の通りになります。
種別 | 取引所名 | トークン | 発行数 | トークン 価格(円) |
24時間の 売買高(円) |
1トークン あたりの価値(円) |
倍率 |
中央集権型 | OKEx | OKB | 1,000,000,000 | 524.22 | 167,963,362,800 | 167.96 | 3.12 |
中央集権型 | Binance | BNB | 194,972,068 | 1,845.86 | 173,531,080,258 | 890.03 | 2.07 |
中央集権型 | Huobi | HT | 500,000,000 | 601.42 | 120,973,955,366 | 241.95 | 2.49 |
中央集権型 | QUOINEX | QASH | 1,000,000,000 | 55.86 | 6,347,476,877 | 6.35 | 8.80 |
中央集権型 | Bibox | BIX | 269,944,749 | 145.71 | 26,253,056,350 | 97.25 | 1.50 |
中央集権型 | KuCoin | KCS | 180,730,576 | 344.96 | 3,628,347,083 | 20.08 | 17.18 |
中央集権型 | CoinEx | CET | 10,000,000,000 | 1.10 | 275,601,363 | 0.03 | 39.91 |
中央集権型 | COSS | COSS | 200,000,000 | 21.50 | 181,565,329 | 0.91 | 23.68 |
分散型 | CryptoBridge | BCO | 27,000,000 | 213.29 | 106,041,292 | 3.93 | 54.31 |
分散型 | Waves Platform | WAVES | 100,000,000 | 484.26 | 948,302,454 | 9.48 | 51.07 |
分散型 | Switcheo Network | SWTH | 1,000,000,000 | 3.78 | 138,570,014 | 0.14 | 27.28 |
分散型 | Kyber Network | KNC | 215,625,349 | 159.76 | 21,465,607 | 0.10 | 1604.81 |
分散型 | Bancor Network | BNT | 76,137,679 | 462.99 | 393,700,582 | 5.17 | 89.54 |
分散型取引所が高い傾向は、前回と引き続き変わらずでした。
まとめと考察
今回の結果では、割安な順でBibox, Binance, Huobi, OKEx となりました。
前回で割安判定となったOKExとHuobiは、私がTwitterを見ている範囲では明らかに注目度が上がっていました。その取引所のトークンについてのツイートを多く目にするようになったからです。
注目されてきた分だけ割高になったと予想されます。
また、Huobiでは自身が発行したインデックストークンHB10にHuobiトークン(HT)が組み入れられているため、トークンの価値が従来より上がったと考えられます。
最後の考察は、株式におけるインデックスファンドの考えがベースになっています。
株式では銘柄がインデックスに組み入れられると、インデックスファンドの発行元がインデックスファンドを買う為に銘柄を買い付けます。その結果、価格が上昇します。
HTでも同じことが起きているのではないかとの想定になります。
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