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【インタビュー】第3弾:QURAS Shigeki Kakutani氏 ーQURASを作るに至った経緯とは(1/4部)

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Shigeki Kakutani一般の人々から見ると、仮想通貨とは怪しいものであり、ブロックチェーンに関するプロジェクトのICOにお金を投じるのは単なる投機行為と見られがちです。しかし、その背景には人々が挑戦するドラマが秘められています。

インタビューの第3弾では、QURAS(キュラス)プロジェクトのプロジェクトリーダーを務めるShigeki Kakutani氏にお話しを伺いました。

このインタビューは私自身がQURASメンバーになる前に行ったものになります。インタビューは長時間にわたり行われ、全部で4部構成になります。第1部では、Kakutani氏が独自チェーンを作るに至った自身の強烈な体験をご紹介します。

それでは、インタビュー模様をご覧ください。

QURAS Kakutani氏インタビュー 第1部

Kakutani氏がブロックチェーンに関わったきっかけ

Kakutaniさんがブロックチェーンマニアであることをひしひしと感じるのですが、自己紹介も兼ねてブロックチェーンに関わったきっかけを教えてください。

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僕はリップルから入ったんですよ。最初はリップルのサイトってすげーかっこよくて、これすげー、すぐ送金できるじゃんと思ったんです。

だけど、色々コードを調べていくうちにあれーと思い始めて、そのあとリップルから180度方向転換してビットコインに行っちゃったんです。ビットコインすげーと思って!

これまた一気に転換しましたね。

リップルとビットコインは本当に対極的なんですけれども、やっぱりリップルの場合はサーバにプロトコルが入っている状況なので、例えばコインチェックのサーバにコインチェックコインが入っているイメージですね。そこをハックしたら盗めちゃうわけじゃないですか。

それは自分のウォレット以外も含めてということですか?

リップルの場合はGatehubになったので、Gatehubとプロトコルサーバをうまく連動してコインの送受信をやっているはずなんですね。

それと分散型のサーバプロトコルなんで、ゲートウェイみたいな自社サーバを立ち上げて分散型サーバシステムとして実際できてたんですけれども、でもこのサーバを狙ったらハッキングできるんです。

仕組み上そうできるんですね。

そうですね。例えばビットコインの場合はマイニングノードになっているので、ハッキング自体がすごく難しい。

僕はProof of Workって字ずらだけ読んでいたらすごいと思ったんですけどれども、ただマイナーなコインをProof of Workでやるのは非常にリスキーだなと思っています。

今はそれが露呈していますね。

はい、だから何か新しいプロジェクトを立ち上げる時にProof of Workということを聞いた瞬間ハッキングのリスクをどうするのとは感じます。

常々プロジェクトを立ち上げる時に、プロトコルを選択する時にそういうのをすべて考えないとダメだと思いますね。

なるほど。

今回はProof of Importanceを選択しているので、結局Proof of Work, Proof of Stake, Proof of Importanceすべて基本はビットコインプロトコルをベースに開発されているので。今のチームの強みはいろんなプロトコルを研究していますね。

マスターオブビットコインというビットコインのプロトコルをすべて網羅した本があるんです。ウチのチームでユエンという人がいるんですけれども、彼はもともと僕の日本語と中国語の勉強仲間だったんです。僕がブロックチェーンと言い始めてから勝手に自分で勉強し始めて、こんな本が買ったといってマスターオブビットコインの本を読み始めて一人で全部読んでるんですよ!

んで、勝手にウォレット作ってるんですよ!「シゲキ、俺に投資してくれ」というから、iOSのウォレット作るのにMac必要だったので「Macだけ買ってあげるよ」と言って買ってあげました(笑)

それが投資だったんですね(笑)

勝手に作り始めたんですよ。すげーこいつと思って!

それで、今のチームに引き入れたんですけれども、本当に彼は新しいことを吸収していって、彼は日本語と英語と中国語なんですけれども、日本に来たことがないのに日本語ペラペラなんです(笑)

すごいですね、普通は滞在経験がないとペラペラならないのに。

だから本当に彼は開発能力、全部調べて吸収する力がすごいですね。彼はすごいです。

すごいですね。膨大すぎるデータがあふれる世界ですからね。

はい、だから彼はイーサリアムのコードをすべて解析しているので、スマートコントラクトの問題点とか。だからイーサリアムのどういうところに問題があって、ただスマートコントラクト入れられれば良いわけではないんですよ。トークンの送金手数料だったり、コントラクトが長くなったら手数料高くなったり。

だからイーサリアムのネットワークって信頼性があるのは良いことがあるんですけど、こういうことにお金がかかるんだというのが、実際にスマートコントラクトをやっていて感じる問題点ですね。そういうところは改善をしています。

だいぶ脱線してしまったしまいましたけれども、話を戻しまして・・・Kakutaniさん自身はリップルのコードから入ったわけですよね。

そうですね。だってサイトがめっちゃかっこいいんですよ!普通は騙されますよね(笑)

騙されるというと変ですけれども、ビットコインよりすごいと思っちゃうじゃないですか。UIもすごいかっこいいし。

確かにリップルは、好きじゃないですけれども値段が上がったのはすごいと思うし、マーケティング力はすごいですね。

確かに上手いですよね。

ただ、実際の中身はどうなのとは思いますね。よくあんな危ないものを売っているなと思うんです。XRP盗まれましたからね。

それは取引所に入れてない状態で起きたのですか?

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Gatehubにおいてたやつが盗まれたんですよ。金額は○○くらいです。(※普通の人ならびっくりする額です。)

えー!?それはすごいですね!

そういう経験があるので、やっぱり保管リスクはありますね。逆に取引所がXRPを扱いはじめたら、それは取引所の責任になるじゃないですか、やってられないと思います。

コインチェックなんかはXRPを扱っていますが、コインチェックはXRPがハックされたとしてもリップルが何か対処できるようにしてなければダメですね。

それはプロトコル上の観点といううことなんですよね?

そうですね。

私はコールドウォレットに入れていれば安全と短絡的に思っていたのですが・・・・

今はコールドウォレットは確かにできたのか・・・。アクティベートされてなければいいんですよね。アクティベートするということはネットワークに接続されるということなので。

最悪アドレスとシークレットキーさえわかればどうとでもできちゃうんですよね。Gatehubに入るIDとパスワードは、普通の取引所のものと同じような感じですね。それとは別にアドレスとキーがあって、キーが盗まれたらおしまい。

Gatehubって脆弱なんですね。

これはGatehubというよりリップル自体の問題ですね。

この内容載せたらリップラーの反発を受けそうですね。私はそれくらいの方が記事としてはエッジがきくのでいいですけれども(笑)

私もXEMを盗まれたことがあるので、盗まれた通貨を悪く思うようになってしまうのは人間心理上しょうがないと思います。ましてや、Kakutaniさんはコードまで見てプロトコルベースで判断していますからね。

XEMはいくら盗まれたんですか?

当時の評価額にして100万円相当でした。Kakutaniさん程じゃないにしろ、私にとっては大金でしたね。

そうだったんですか。それは大変でしたね。

僕もハッキングされましたし、周りもされましたし、取引所に預けていてそこが補てんしてくれるのであればいいですけどね。

やっぱり、そういうのがあってリップルプロトコルやステラもそうですけれども、プロトコルをサーバに置くのは怖いなと思います。

改めてみると、○○(盗まれた額)はすごいですよね。先日も韓国のBithumbが30億円やられてましたし。

皮肉なことに、個人が仮想通貨で儲けるのは仮想通貨を買うことではなく、取引所をハッキングするということになっていますね。

まったくですよね(笑)これから分散型の取引所だったり、取引所を守ることは絶対に必要になりますね。

おそらくコインチェックが儲かっているからと思って取引所やりたいという人が増えていますけれども、うかつに手を出す分野じゃないですよ。

ICOもうかつにやるものじゃないですよ。やっぱり、マーケットメイク、価格を作るのってすごい考えないといけないし、既存の競争相手がいるのでそこを調べないといけないし、どうやって独自性を出していくのか・・・・

調べるのってめちゃくちゃ時間かかるじゃないですか。似てるようなやつってあるはずなんで。

取引所をとってみても、コインマーケットキャップにある取引所だけでも200以上ありますしね。そうじゃない取引所だと・・・

1万以上あるんじゃないですか!?出てないやつまで入れると。

そこまで行くと流動性がばらけすぎて逆にダメじゃないと思うんですよね。

まぁ、でもコインの数もどんどん増えていますしね。

だけど、取引所のチームと話してるんですが、やはり管理がすごい大変みたいなんですね。イーサリアムやイーサリアムクラシックが微妙に違ったりとか、管理の難しさを聞いていますね。

だから、技術があっても対応できる人を用意しておかないと結構大変だなと思います。取引所の大変さってのは聞いていて感じますね。

盗まれた時のインパクトもでかいですしね。

ですね。でかいですね。

取引所のホワイトペーパーを見る限り、みんなうちは大丈夫という書かれ方をしていますね。世界最高のセキュリティとか謳っていますけれど、私は元SEなので分かるのですが完璧なセキュリティなんてないですから。盗まれる盗まれないって最終的には運だと感じるんですよね。

ビットフライヤーだって完璧なセキュリティを謳っていますが、「絶対かよー!?」と思いますね。

分散型取引所もどれも使いにくいし、悩ましいですよね。使いやすくてハッキングされないってないですね。

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多国籍でプロジェクトを行う利点とは

QURASのチームは多国籍なのが印象的ですね。

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メンバーの国に関しては、韓国、インド、バングラディシュ、中国、ドイツですね。みんな中国もやっぱりブロックチェーンについてマニアですし、バングラディシュもそうですね。インドチームはマーケティング系の事をやっています。外国のYouTuberたちを集めた宣伝をこれからやっていきます。

日本のICOは日本だけ宣伝するので、結局買いを入れるのは外国の力を得ないと難しいと思っています。

今のチームの強みはめっちゃ仲がいいところですね。僕がチーム作りに気を付けているのは、人に対して付いてくるのではなくて、何をするのかをすごく追及しています。

例えば人に付いてくるケースは、僕だから付いてくるていうのは、うまく行かなかったら僕のせいにされるんです。僕が辞めたらそのプロジェクト終わりじゃないですか。

そうなりますね。

そうじゃないと思っていて、やることに対してみんなが共感して面白いから一緒に作ろうという感じにしないとダメだと思っています。

なるほど。

ここまで何をするかとか哲学とか大事にしているのは、ジャック・マーの本を読んでいて、やっぱり無理やり人を付いてこさせるのではなくて、本当に何のために仕事をしているのかをとことん追求しなければならないと思っています。ジャック・マーの場合は人の商売をより良くするためだと書いていて、それを形にしていっているだけじゃなないですか。

そうなんですね。

何かプロジェクトをやるときは、投資家から金を集めやすいからという考え方じゃマーケティングよりになってしまって、もちろんその目線も大事なのですが。究極に言えば、何のためのプロジェクトなのかというところをもっと追求しないといけない。

今多国籍チームでできているという背景は、何をするかというところを追求した結果なんですね。

やっぱり詰めていく中でみんなのモチベーションがめっちゃ高まってきたんですよ。

最初は手探り状態、設計に一年以上かけてるので。方向性を決めるときにその技術が実際に可能なのかという検証なのかとか、調べたりする時間がめっちゃかかったので、後は方向性を決めればすごい楽ですね。だけど、方向性を決めることがすごい大事だと思っていて・・・

方向性が形になって、取引所の上場が決まって、あとはいろんなロナウジーニョ(※サッカーコインのことです)の話とか来るようになってから、みんなのモチベーションがすごい高くなってきて、それが正しいですね。

多国籍によるメリットや苦労ごとというのはあるのでしょうか?

苦労ごとはまったくないですね。自分は日本人だけで仕事するよりも外国人と仕事したほうが楽なので・・・

それはどうしてですか?

外国人との方がイノベーションとのアイデアがガンガン生まれやすいです。

何なんでしょうね、日本と外国の差というのは。

うーん、やっぱり今のメンバーなんですけれども、既存のプロジェクトをすごい調べるんですよ。そこと何の違いがあるのかを明確にして、僕らの独自は何なのかなのと。みんなマニアなので(笑)

ホントにマニアなあつまりなんですね!

あとやっぱり、外国語のことを情報を含めてガンガン吸収できる土壌じゃないと。ブロックチェーンって日本発ではないじゃないですか。英語ベースで情報入ってくるので。

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他のプロジェクトに関する印象

Kakutaniさんは、何をするかということについてとことん追求している印象があります。他のプロジェクトはどう見えているんですか?

僕の感覚で日本のプロジェクトをみると、なんでそんなことをやったりしているんだろうと思うところはありますね。

どこかとは言いませんけど、あれだけマーケティング力あるのであれば、設計とかに1年以上かけてちゃんとしたものをやったほうがいいと思うんですよ。

とりあえず、日本の場合はマーケターが力強すぎると思います。マーケターがお金集められるから、こんなのつくってとかやってとか。それで突貫工事で終わらせているプロジェクトが多すぎますね。

確かにいわゆるインフルエンサーを使っているプロジェクトほど、中身がぱっとしない印象があります。

もったいないですよね。

比較的うまく行っていてカルダノくらいかなという感覚がありますね。

そうですね。みんなマーケティング力があるので、もったいないなと。やっぱり石ころを売っていたら意味がないので、モノを良くしないと。

次回予告

次回は、なぜKakutani氏が分散型にこだわるのか、そしてQURASではどのようなことをするのかをお伝えします。

第2部:分散型へのこだわりとQURASがすること(2/4部)

QURASに関する情報

公式情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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