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【インタビュー】第3弾:QURAS Shigeki Kakutani氏 ー分散型へのこだわりとQURASがすること(2/4部)

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一般の人々から見ると、仮想通貨とは怪しいものであり、ブロックチェーンに関するプロジェクトのICOにお金を投じるのは単なる投機行為と見られがちです。しかし、その背景には人々が挑戦するドラマが秘められています。

インタビューの第3弾では、QURAS(キュラス)プロジェクトのプロジェクトリーダーを務めるShigeki Kakutani氏にお話しを伺いました。

このインタビューは私自身がQURASメンバーになる前に行ったものになります。インタビューは長時間にわたり行われ、全部で4部構成になります。第2部では、角谷氏の分散型へのこだわりと、QURASで何を実現していくかについてご紹介します。

第1部がまだの方は、先に「第3弾:QURAS Shigeki Kakutani氏 ーQURASを作るに至った経緯とは(1/4部)」をご覧ください。

QURAS Kakutani氏インタビュー 第2部

分散型へのこだわり

角谷さんには分散型への強いこだわりがありますね。

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中央型の問題って2つあると思うんです。

もちろん運営者が中央型になっているケース。ビットコインキャッシュだってある意味中央型ですよね。宣伝広告部隊としてロジャー・バーという人がいて、人がそれについていっているというのはある意味中央型なんですよ。

リップルの場合は会社という中央型がいるだけではなく、中身が中央型になっているのでそれが怖いんです。

確か承認するノードが決まっているんでしたよね。Proof of Consensusでしたっけ。

そうですね。承認する時にウォレットの承認というのががあるんですけれども、それをXRPを払ってベリファイすればユーザが承認されるんですよね。リップルを悪く言う必要はないんですけどね(笑)

分散型の大事さというのは感じますね。僕が何かビジネススタートする時に、昔の社長って強い人がいてその人が無理やり引き連れて「いけ!」という感じですけれども、それが通用しない時代になってきていると思っています。

今はいかに周りの人達をうまくやる気にさせる。やる気にさせるには仕事の内容が面白くなければついてこないし、報酬もあるんでしょうけれども、トップダウンでやるのは通用しなくなっているように感じます。

今はSNSとか個人の時代になってきたので、昔より個人が力を持つ時代ですね。昔は新聞だけじゃないですか、情報発信媒体って。今はSNSですね。

よく若者がすぐに仕事を辞めるとか言われますが、これだけ情報があれば他に良い条件があればそちらに行きますよね。

すぐわかりますよね。ネットですぐに調べられますし。変な話、採用担当者とすぐにつながれるじゃないですか。

すぐに辞める人の方が時代的に適用できているのかもしれませんね。

すぐに辞めるのがダメだとは思っていませんし、企業が人を縛れなくなってきていると思うんですよ。

それは感じますね。

抑止力というか、それが難しくなってきてるんでしょうね。そうなってくると、なんでその会社にいるのというのが凄く大事になってきますね。

私は前職にいるときには最終的にそこを見出せなかったです。

純粋に僕らがやっているのはそれが面白いということだけなんです。面白くてたまらないから・・・

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QURASのプロジェクトの内容

QURASのホワイトペーパーを見ると、内容がかなり壮大で難しいと感じています。プラットフォーム系なので難しくて当然ではあるのでしょうけれども、読者に対してできるだけライトに解説をお願いできますか?

そもそも論ですが、僕はいろんな仮想通貨を見ていて、プロジェクトを作る時にどうやって値段が上がるのかなとか、そういうのを見てきました。これは周りのICOの人に言っているんですが、ICOはお金を集めるのが目的じゃダメなんですよと言ってるんですよ。

お金集めは必要になってくるんでしょうけれども、その後はどうするかのと何度も口酸っぱく言っています。

上場ゴールじゃないぞと!?

上場したら値段上がっていくと思われているようですが、違いますよと。

みんなICOは上場したら儲かると思って出すじゃないですか。情報の非対称性、ICO運営者と投資家の間に差があって、投資家は何も調べないのに買ったら上がるだろうと思っているようですね。まず1点、そこはICOの問題点だと思っています。

ただし、そういう時には上場後のどういうプランでずっとプロジェクトを続けていくのか、特に事業系のトークンをやる場合は運営母体が技術で勝負し続けるものはいいのですが、どうしても人の力が必要になってくると、そのプロジェクトをずっとやり続ける自信あるんですか?集まったお金が無くなったらどうするの?そのプロジェクト死ぬの?そうじゃないと思ってるんです。

そのプロジェクトを永続させていくものじゃないとダメだと思っています。やっぱりその辺をしっかり見て、5年や10年取り組んで行かなければいけないと思っています。

なるほど。

なので、QURASはそういう目線で設計していいます。ICOって、ローンチは非常に簡単ですけれども、簡単なものほどすぐにポシャりやすいので、しっかり研究して既存のプロジェクトを調べて、既存のプロジェクトには何を足りないのかよく調べてから上場させなければいけないと思っています。

あとはトレンドもあるでしょうし、匿名分野というのは研究を重ねてきましたけれども、ブロックチェーンが抱える課題というのはオープンすぎるので、匿名のことを調べて行ったらヘルスケアとかいろんなところに応用できるなと可能性を感じています。プラスアルファ匿名のファンは非常に多いので、それもやっぱり強みですね。

プロジェクトを立ち上げる時にコミュニティをすごく大事にしようと思っているので、どことは言いませんけれどもユーザが情報発信できないTelegramグループとか、悪いこと書いたら消されるところとか、どこかとは言わないですが○○です。「○○の取引量少ないですね」とTelegramに書いたら消されるんですよ(笑)でも、それって違うと思うんですよね。

QURAS自体は全体的に見るとそもそも何をするためのものですか?

全体的に見ると、スマートコントラクトとかでDAppsを運営できます。

例えば、Facebookのデータはすべてサーバ上に保管されていますが、これからはそうじゃなくてデータでさえ個人で所有すべき時代かなと思っています。どこかのサーバじゃなくて。

どこかのサーバに置くと、そこが倒産したら終わりじゃないですか。自分のことは自分で守る時代だと思っています。それは自分のデータとかもそうです。その代わり保管手数料はブロックチェーンに払うようにします。

そもそもを言ったら、自分のプライバシーを守れるものにしたいなと思っています。

もともとはヘルスケア系のバイタルデータのセキュアな保管を調べていく中で匿名から入っていったのですが、ただバイタルデータに限らないと思うんですよね。色々な個人情報がある。それをDAppsで扱えるようにします。

例えば、歩いた距離のデータもある意味バイタルデータですよね。そのデータを自分で管理処理して、そのデータを欲しい、そのデータをベースに広告配信したい人に対しては、自分のデータを売ればいいのかなと思っています。

なるほど。自分で所有していて、第三者が勝手にとれないデータをきちんと販売するってことですね。

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そうですね。そうすればいいと思っています。ただそれはバイタルデータに限らず色んなデータがあるので、それをセキュアな形で保管して、その際に匿名性は絶対必要になります。

その代わり、匿名のことを考えて行ったら送金のことだったり色んなことが思いつきました。用途が非常に広いなと思っています。

究極言えば、個人をエンパワーにするためのブロックチェーンかなと思っています。

ブロックチェーンはオープンだから良いという話もありますけれども、私はオープンすぎて嫌だと思います。

選択できたらいいじゃないですか。オープンにしたいときとしたくないが時あるじゃないですか。

ありますね。

そうあるべきだと思っています。今のビットコインってみんなに公開しなければいけない。

なんで選択できないのって。情報によってオープンにしたかったり、したくなかったりするものがあるはずなので。

個人をエンパワーするというのがQURASのベースにある考え方なんですね。

そうですね。それこそ時代の流れだと思っています。個人の時代なので、個人を守らなければいけないと思っています。

私は、何でQURASのターゲットにIoTが入っているんだろう?と思ったのですが、IoTは個人が使うものであるからなんですね。

IoTは人が関わるものでもあるし、これからIoTに入ってくる情報ってプライバシーが本当に大事だと思っているので。

スマートスピーカーなんかは、ましてやそうですよね。

そうですね。IoTを調べていると個人情報の大切さというのはすごい出てきますね。

スマートスピーカーだけ見てても、起動していないように見えても裏でオンになって情報収集しているんじゃないかと思ってしまいます。

そうなんです。IoTは非常に奥深くて、うちのエンジニアも壮大だと言っています(笑)

うーん、壮大ですよね(笑)

その分みんなのモチベーションは高いですね。

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QURASの設計期間の長さについて

QURASはチェーンの設計に1年かかったとのことですが、最近登場した独自チェーンと比べても長い印象があります。そこまで慎重に設計した理由とは何でしょうか?

QURASでカバーする範囲が広いというのもありますし、アルゴリズムの選択もそうです。色んなアルゴリズムを研究しているので、僕らがやろうとしていることがこのプロトコルでリスクがないのかというのはすごい検証しましたね。

ぱっと見て調べていて良さそうなプロトコルがあるんですが、調べてみてこういうリスクがあるんだというのが出てきたりするんですよね。良いんだけれども現実問題難しいというのがあります。

例えば、イーサリアムのエンジンはあれだけのマイニングネットワーク作るのは僕らだけなら無理だと思うんです。あれは彼らだから出来だと思うんです。時代も3-4年前なので、まだマイナーが今ほど数が少なかったと思うんですよ。

マイナーが分散化してなかったからできたってことですよね。

そうですね。いまProof of Workをやると怖いなと思います。

少し前にProof of Workのチェーンを攻撃できるコスト一覧が公開されていたんですが、マイナーなコインですと1時間7ドルのコストで攻撃できるみたいですね。

マジすか!?

51cryptoっていうサイトです。※その場で一緒にそのサイトを見ました。

これはすごいな・・・

さすがにビットコインやイーサリアムは攻撃コストが高いので割に合わないというのがパッと見でわかるんですけれども、これ以上マイナーを分散させると危ないという感じはありますよね。1ドルのコインもありますしね。これを見るとProof of Workは限界なのかなと感じますね。

これは怖いですね。

話は戻って、検証期間がすごいかかったということですね。

そうですね。そもそもスマートコントラクトに匿名実装できるのというのもですね。

あとは、イーサリアムのスマートコントラクトの検証もしていて、彼らの問題点というのを見つけ出して、それを改善していくというのもあります。

ちなみに、匿名のスマートコントラクトというのはQURASが世界初というのは貫いている形になるのでしょうか?

どうなんですかね、他も出てくるとは思いますが、まだ出てきてないですね。

Shieldがそれらしいという意見がありますが。

あれスマートコントラクト入るのって思ったんですが、どうなんでしょうか?

コード見たんですか?

ホワイトペーパーを見る限りですけれども。

でも、匿名のスマートコントラクトだけで僕は勝てるとは思っていないです。あらゆる努力を開発ベースでやっていくべきかなと思っています。

あとはリング署名といってMoneroに使われている匿名技術があるんですけれども、それも採用していきます。とにかく一番プライバシーが高いプラットフォームにしたいなと思っています。

次回予告

次回は、QURASのスマホアプリではどのようなことができるのか、そしてQURASでは先駆者と比べてどのような点が優れているのかをお伝えします。

第3部: スマホアプリで仮想通貨を広げる(3/4部)

QURASに関する情報

公式情報

当ブログによる情報

英語が苦手な方は、当サイトの記事をご覧ください。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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