当ブログでは、独自の指標に基づき割安な取引所トークンが何かという情報を月次で出しています。
先月の記事「取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年8月版)」から1か月が経ったので、現時点の状況を確認してみます。
取引所トークンについて
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取引所トークンがよくわからない方のために、まずは取引所トークンについてご説明します。
取引所トークンとは、発行元の取引所内のみで使うことができるトークンになります。一般的に、取引所トークンにはそれを保有することによる特典がついています。例えば、以下のような感じです。
- その取引所における基軸通貨として売買することができる。
(例:BinanceのBNBの場合、 BTC/BNB, ETH/BNB のような売買が可能) - 取引所トークンを使って売買すると、手数料の割引を受けられる。
- 取引所トークンの保有者には、取引所の利益の一部が還元される。
- 取引所トークンの保有者には、取引所に上場する仮想通貨の投票権が与えられる。
- 取引所トークンの保有者には、何らかのトークンがタダでプレゼントされる(エアドロップ)。
必ずしも、すべての取引所トークンがこれに当てはまるとは限りません。
また、最近は頻繁に売買する人(=流動性を供給してくれる人)に対して取引所トークンで積極的な還元を行う取引所が現れています。取引マイニングと呼ばれています。
なぜ取引所トークンに注目をするのか?
なぜ取引所トークンに注目をするのか?それは、取引所トークンがICOにおいて最も投資パフォーマンスが良い分野であることに他ならないからです。
まずは、以下のツイートをご覧ください。このツイートは、TwitterのICO関連のインフルエンサーでもあるRYU氏(@Ryugunsun)が、ICOレポートのROIについてツイートしたものになります。
2018年前半では「取引所&ウォレット」のROIがずば抜けており、900%のパフォーマンスになっています。100入れると900のリターンを得るということを意味するので、いかに取引所分野の投資パフォーマンスが良いかがお分かりいただけるかと思います。
17 平均ROIを見ると、その「exchanges & wallets」カテゴリーがずば抜けていますね 笑 これはいつまでも続かないと思います。が、どのカテゴリーのROIが良いかは要注目です。ただ、全部のプロジェクトが将来的には残らないので、上がったら売って次に行くのが得策と思っています。 pic.twitter.com/QADiBYsHcB
? ??? [?????? ????s???] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
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取引所トークンの割安・割高判定の指針
このコーナーでは「取引所の売買高が大きいと、1トークンあたりの価値が高い」という考えのもと、割安・割高を判定します。
割安・割高判定の考え方
取引所の場合は、大変判りやすい指標があります。それが取引所の売買高になります。
ここでは「多くの人が積極的に売買する取引所は売買高が高いので、その取引所トークンの価値が高い」という前提に立ち、取引所トークンを割安・割高を測ってみました。
取引所トークンは、取引所ごとに発行数が異なるため、1トークンあたりの売買高を「取引所トークンの価値」と定義しました。
つまりは、「取引所トークンの価値」=「取引所の売買高(24hあたり)」÷「取引所トークンの発行数」になります。
さらに、取引所トークンの価値と現在の価格がどれだけ開きがあるかを「倍率」で表しました。
「倍率」=「トークン価格」÷「取引所トークンの価値」になります。倍率が小さければ小さいほど、取引所の価値が取引所の実力に見合っておらず、その取引所トークンは割安と判断します。
データの取得先と利用する情報
すべて条件を同じにするため、売買高のデータはCoinMarketCapに公開されている情報のみを利用します。取得時期は2018年09月12日になります。
CoinMarketCapには、取引所から売買高の情報が通知されており、それが売買高のランキング形式となって公開されています。
しかしながら、取引所から報告される売買高の生の情報は疑わしい部分が多く、CoinMarketCapでは補正をかけて条件を同じにした形で調整済みの売買高(Adjusted Volume)売買ランキングが公開されるようになりました。
今回からは、情報の公平性を確保するために調整済みの売買高に基づいて割安・割高判断を行います。
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取引所トークンの割安・割高判定結果
比較対象の取引所
前回から比較対象が変更になっています。調整済み売買高のデータ取得ができるもののみを対象としました。
中央集権取引所:
- CoineBene (CONI)
- OKEx (OKB)
- Binance (BNB)
- Huobi (HT)
- Bit-Z (BZ)
- Liquid (QASH) ※QUOINEXからリブランド
- BiBox (BIX)
- KuCoin (KCS)
- COSS (COSS)
分散型取引所:
- CryptoBridge (BCO)
- Switcheo Network (SWTH)
- Kyber Network (KNC)
- Bancor Network (BNT)
なお、前回対象に入れていた次の中央集権型取引所は除外しました。
- Fcoin:FTを売買できる場がFOneに移行したため、データが取得できなくなった。
- CoinEx:調整済み売買高のデータ取得できなくなった。
比較結果
中央集権型取引所:
取引所名 | シンボル | 発行数 | トークン価格(円) | 24時間の売買高(円) | 1トークンあたりの価値(円) | 倍率 |
CoinBene | CONI | 1,000,000,000 | 2.12 | 4,029,719,508 | 4.03 | 0.53 |
OKEx | OKB | 1,000,000,000 | 132.28 | 85,244,885,454 | 85.24 | 1.55 |
Binance | BNB | 192,443,301 | 1016.35 | 102,403,980,408 | 532.13 | 1.91 |
Huobi | HT | 500,000,000 | 171.22 | 65,277,226,501 | 130.55 | 1.31 |
Bit-Z | BZ | 1,200,000,000 | 11.25 | 20,881,512,172 | 17.40 | 0.65 |
Liquid | QASH | 1,000,000,000 | 22.51 | 994,919,953 | 0.99 | 22.62 |
Bibox | BIX | 267,941,449 | 44.84 | 20,263,632,436 | 75.63 | 0.59 |
KuCoin | KCS | 180,730,576 | 112.03 | 1,798,485,087 | 9.95 | 1.00 |
COSS | COSS | 200,000,000 | 6.07 | 42,975,719 | 0.21 | 28.25 |
分散型取引所:
取引所名 | シンボル | 発行数 | トークン価格(円) | 24時間の売買高(円) | 1トークンあたりの価値(円) | 倍率 |
Bancor Network | BNT | 78,287,453 | 124.85 | 239,801,095 | 3.06 | 40.76 |
Waves Platform | WAVES | 100,000,000 | 232.00 | 41,737,466 | 0.42 | 555.86 |
Switcheo Network | SWTH | 1,000,000,000 | 0.69 | 9,559,709 | 0.01 | 72.27 |
Kyber Network | KNC | 215,625,349 | 36.58 | 29,839,276 | 0.14 | 264.34 |
CryptoBridge | BCO | 27,000,000 | 108.64 | 186,563,359 | 6.91 | 15.72 |
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まとめと考察
中央集権取引所
割高感が出ているのはLiquidでした。QUOINEXの取引プラットフォーム統合に伴うリブランディングにより、期待でQASHが過剰に買われたものと推測されます。ちなみに、前回の倍率は0.73でした。
逆に、割安感が出ているのはCoinBene、Bit-Z、Biboxという中堅どころになります。相場低下のせいなのか、大手取引所の堅いところに資金が流れていったのではと推測されます。
分散型取引所
全体的に倍率が上昇しました。これは、売買高が下落傾向なのに、トークン価格が下がっていないということを意味します。
中央集権取引所と比べると、分散型取引所の場合は投資家がトークンを手放さずに保有している傾向があるのではないかと推測されます。
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