仮想通貨の時価総額ランキングでは常にトップ10入りしているCardanoがローンチしてから1年が経ちました。
2018年9月30日に東京の新宿で行われた1周年記念ミートアップイベントに参加してきたので、その模様をレポートします。
EMURGO CEO 児玉氏のプレゼンテーション
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最初に登場したのは、EMURGO CEOの児玉健氏になります。
児玉氏は登場人物が多いCardanoにおいてEMURGOの立ち位置と、Cardanoについて紹介しました。
Cardano の運営団体は3つに分かれています。Cardano財団とEMURGO、そしてInput Output(以下、IOHKと表記)になります。
児玉氏が率いるEMURGOはCardano のブロックチェーンを活用し、商業化を行うことでエコシステムの拡大を目指す団体になります。
そして、ここからCardanoのブロックチェーンの概要説明になります。
Cardanoは第3世代のブロックチェーンにあたります。Cardanoでは第1-2世代のブロックチェーンの問題の解決を目指しています。
Cardanoで解決する主な問題は3つ、拡張性、相互運用性、持続可能性になります。
第1-2世代のブロックチェーンは拡張が難しく、しばしば議論の的になっています。
相互運用性では、ブロックチェーン間のコミュニケーションをできるようにし、運用しやすいブロックチェーンを実現します。
最後の持続可能性は、分散型コミュニティならではの問題です。持続発展をするためにはガバナンスが構築されている必要があり、Cardanoはこの点も解決します。
そしてCardanoの大きな特徴が、ピアレビューを採用した開発プロセスになります。ピアレビューとは、組織がソフトウェア開発の品質保証を行う際のプロセスになります。
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Cardanoでは、大学と学術的な検証をして論文作成を行い、それを学会で発表、その後コード作成という手順を踏んでいます。学会は、ブロックチェーン学会の最高峰であるIACR(the International Association for Cryptologic Research)になります。一見すると、相当面倒なことをしているようにも見えます。
なぜこのような手順を踏むのかというと、Cardanoはインフラであり、プロコルレベルの開発が行われています。そのインフラがしっかりしていないと、その上で動くアプリケーション(DApps)は機能しません。そのため、Cardanoはそこまで慎重な手順を踏んで開発を行っているのです。
このように、Cardanoではアカデミックな研究を重ね、その優位性を世界から認められています。
EMURGOでは、現在グローバル拠点を7か国に設けています。児玉氏は、これからさらにCardanoエコシステムを構築していくことに自信を見せていました。
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Metaps Plus CEO キム氏のプレゼンテーション
児玉氏に続いて、Metaps Plus CEOのキム・スンヨン氏がプレゼンテーションしました。キム氏は、イニシャルをとってSYと呼ばれているそうです。
最初に、キム氏はなぜCardanoを提携先に選んだのか語りました。その理由とは、Cardanoが最もビジネス展開の準備が整っているからだったそうです。
Metaps Plusでは、現在ADAコインの現実社会への応用に取り組んでいます。その1つとして、CRYPTO CARDを紹介しました。
このカードはまず韓国でローンチします。実店舗の決済ができ、韓国の3万店舗で使えるようになります。利用者のKYCを行い、取引所のAPI連携をすることによってこの仕組みを実現します。
続いて紹介されたのがモバイルアプリ連携になります。
アプリから商品を購入したり、アプリからカフェや空港店舗の決済、ギフト券の購入ができるようになります。
Suicaのように、ADAが使えるようになる未来がすぐそこまで来ています。
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Input Output CEO チャールズ氏のプレゼンテーション
児玉氏に続き、IOHK CEOのチャールズ・ホスキンソン氏がプレゼンテーションしました。チャールズ氏は特に資料を使わずに、独特の語り口調でその想いを語りました。
チャールズ氏は、まずはCardanoのコミュニティについて言及しました。現在のADAの上場は20社にのぼり、ソーシャルコミュニティは当初の数千から数十万に増えたことを強調、関係者の協力のおかげでここまで会社規模を大きくできたことに感謝の言葉を述べました。
チャールズ氏は現在のCardanoの進捗を語りました。
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Cardanoはまもなくバージョン1.4になりますが、Haskell(ハスケル)の他にScala(スカラ)のコードベースができています。Scalaのテストネットは、スマートコントラクトが稼働する状態になっています。
また、テストネットは1番目のテストネットであるKEVM(ケービーエム)と2番目のIELE(イエラ)が稼働し、20人のスタッフが関わっています。
さらには、フランスチームと合流し、Infinito Walletやブラウザ拡張もできました。
チャールズ氏らがやろうとしようとしているのは研究課題の解決ではなく、Cardanoがどうやって人に役に立つかということです。
その話で出てきた例が、南アフリカの住宅の話です。所有者が政府に報告せずに住宅の売買を行う為、本来の所有者が分からなくなっているそうです。Cardanoブロックチェーンで所有権の管理を行い、このような問題を解決できるのではないかとしています。
同様に、アパート建設現場でも職歴不明な人達が集まってきて、本当にその人達がアパートを作ることができるのかという問題があります。きちんとブロックチェーンで職歴を管理できることで、これらの問題も解決できるのではと考えているそうです。
これらの問題は別に開発途上国に限った話ではなく、先進国にも十分にあり得る話です。
現在の世界は変化を求めており、いら立ちを抱えた人たちは分断されていますが。チャールズ氏らの実現するツールによって変化をもたらすことができるとしています。チャールズ氏らがやるのは、それらのツールを彼らに使わせることではなく、そのツールを使って変化をもたらせることを世界に示すことです。
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チャールズ氏は、これから1年がさらにエキサイティングになると語りました。さらにC++、Java、JavaScript、もしかしたらPythonの開発者をCardanoの世界に招きいれることができるのではないかと語ります。これにより、様々な開発者のアイデアをCardanoに取り込めるようになります。
新たに進化したCardanoでは、政府の規制に沿い、消費者保護ができるICOをしてトークンが発行できるようになります。
2019年からはEMURGOと協力して、さらにツールの仕組みを整えていきます。そして、Cardanoはより分散化された運用になります。
チャールズ氏は特に楽しみにしていることとしてコミュニティの動きだと話していました。
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EMURGO CTO ニコラス氏のプレゼンテーション
チャールズ氏のプレゼンテーションが終わり、再びEMURGOの人たちのプレゼンテーションが続きます。
続いては、EMURGOのCTOのニコラス・アルケロス氏がYOROIウォレットについて紹介しました。
YOROIウォレットは「簡単」「速い」「安全」を重視したウォレットで、Google Chromeの拡張機能になります。このプレゼンテーションから24時間以内にリリースされます。
ブロックチェーンをダウンロード、同期する必要がなく、最短1分で送金を実行できます。対応言語は、日本語、英語、中国語、韓国語になります。
YOROIウォレットは、IOHKのRustライブラリを使って作られています。
もちろんセキュリティに配慮しており、Kudelski Security社によるセキュリティ監査を受け、アライドテストという第三者によるテストを受けています。
ウォレットの管理のサーバは用意されず、利用者のPCで管理することになります。つまり、秘密鍵を管理する安全性は利用者に委ねられます。
また、YOROIウォレットはMetaMaskと同様にハードウェアウォレットに対応しています。まずは、Ledger WalletとTREZORに対応します。
もちろん、PC環境だけでなくiOSやAndroidのウォレットアプリもリリースされます。YOROIウォレットは、他のウォレットと比べて常に最新のCardanoのバージョンに対応させていきます。
そして、これからリリースされるクレジットカードがYOROIウォレットと連携できるようになる予定です。
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EMURGO Director 村崎氏のプレゼンテーション
ウォレットに続いて、EMURGO Director 村崎氏によりEMURGOインドネシアの取り組みが紹介されました。
まずはインドネシアの現状が紹介されました。
インドネシアはクレジットカードや銀行が普及しておらず、現金に依存している国です。さらに、島が多いので物流に中間業者が多く入り、搾取されるという問題ががあります。例えば、コンクリートが最終的には5倍のか確認になってしまいます。
そのようなインドネシアですが、ユニコーンスタートアップが多く、これからどんどん市場が拡大していくとしています。
そのような中で、EMURGOインドネシアでは、ブロックチェーンの教育や法人向けブロックチェーンソリューションのビジネスにフォーカスしていきます。
インドネシアは、仮想通貨をまだ正式な決済手段として認めていませんが、規制は緩和傾向になっており、ブロックチェーンプロジェクトが増えています。
代表的なプロジェクトが、HARA Tokenです。これは農業エコシステムのプロジェクトで、農業で得られたデータを使いたい企業に売却できる仕組みになります。
また、企業プログラムも行っており、その一例としてコーヒーのトレーサビリティをブロックチェーンで証明するプロジェクトを紹介していました。
最後に、村崎氏はローカルな問題は基本的に現地で解決すべきだという考えを述べつつも、インドネシアの企業かに火をつけてCardanoブロックチェーンでインドネシアの問題を解決していきたいとして締めくくりました。
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EMURGO HK 林氏のプレゼンテーション
EMURGO HKのプレゼンテーションでは、アレックス・林氏がプレゼンテーションしました。
まず林氏は、なぜ香港に拠点を立ち上げたかを語りました。香港ではブロックチェーン企業が多く、政府の規制もしっかりしているからというのがその理由だそうです。
EMURGO HKでは、Cardanoコミュニティに貢献するプロジェクトを選抜し、ローリスクでプロジェクトが成功できるように支援を行います。取引所を開設してプロジェクト成功のための環境を整えたり、ハッカソンを企画したりします。
香港ではアクセラレータと呼ばれる、起業家を支援するプログラムを実施しています。今はメインネットがローンチしていないため、アクセラレータの一期生は紹介できませんが、楽しみにしてほしいと語りました。
EMURGO CIO マンミート氏のプレゼンテーション
EMURGO CIOのマンミート・シン氏がEMURGOの投資戦略について語りました。
マンミート氏は投資ポートフォリオを担当しており、金融のバックアラウンドを持ちます。
現在のブロックチェーン市場は250億ドル程度で、数兆ドルの金融市場と比べるとあまりにも小さいと指摘。業界を整備してエコシステムを拡大していくことが必要としています。
EMURGOのフォーカスはまずはADAの普及であるものの、値上がりを狙うファンドというよりも、ブロックチェーン業界全体に貢献していくプロジェクトを選別する取り組みをしています。最終的には選別するプロジェクトを企業に育てていきます。
マンミート氏は現在はアフリカに注目しているそうです。
また、これからセキュリティトークン(証券の役割をするトークン)が増えていくことがビジネスチャンスと考えており、この時代に備えたバンキングやインフラが整備されるとしています。
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EMURGO Director 吉田氏のプレゼンテーション
EMURGOの吉田洋介氏より、EMURGOのICOコンサルティングとシステム開発の取り組みが紹介されました。
吉田氏はICOは今後伸びていくとし、ICOコンサルティングとしてビジネス、マーケティング、技術サポートを行っています。
現在は、複数の有力企業のICOコンサルティングを担当しており、3つの事例が紹介されました。
EMURGOにコンサルティングを依頼する一番のメリットとして、Cardano本家からバックアップを受けられることをあげています。独立系のICOコンサルティング会社と比べるとこの点は大きな強みだと強調していました。
吉田氏は、2019年からCardanoのプラットフォームでICOができるようになるため、楽しみにしていてくださいと語りました。
続いて紹介されるシステム開発事業では、お客様のニーズに合わせた開発を行っています。
例にあげた仮想通貨モバイルウォレットでは、プッシュ通知機能や仮想通貨ATMマップ、プレミアムニュースを閲覧できる機能を搭載していることを紹介しました。
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EMURGO Technical Manager セバスチャン氏のプレゼンテーション
最後は、テクニカルマネージャーのセバスチャン・ギレモット氏のプレゼンテーションでした。
セバスチャン氏は、とにかくアプリが大事と強調しました。なぜならば、開発者がいなければプラットフォームが優れていても競争に勝てないからです。
特にCardanoは技術的に複雑であるため、プラットフォームを開発者が簡単に理解できるようにする必要があります。
そのために大切なのが開発者の支援です。EMURGOではこれをアカデミー事業に位置付けています。
EMURGOのアカデミー事業は、Cardanoのエコシステムを発展させるために、開発するためのツールを作り、それを学びやすくし、Cardanoを使っている開発者のサポートを行います。
現在は大学と連携してアカデミーのための教育コンテンツを作っています。来年を楽しみにしてくださいと話し、プレゼンテーションを締めくくりました。
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その他会場の風景
会場にはミートアップ開始の20分前から既に長蛇の列ができていました。
受付は約8人体制で捌いていました。列の長さの割にはストレスを感じることなく入場することができました。
ほぼ満席となった会場では、チャールズ氏のビデオが繰り返し流れていました。会場には、Cardanoやチャールズ氏のファンの他、ブロックチェーン関係のメディアやファンドの人が参加していました。
北は北海道から、南は九州、そしてマレーシアから来ていた人がいました。
さらに良い情報をキャッチするために
当ブログでは、情報発信用にLINE@を用意しております。
グレーなネタや、ICOのプライベートセールの購入枠を含めた情報など、とにかくブログで公表できない情報をご紹介します。
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