当ブログでは、独自の指標に基づき割安な取引所トークンが何かという考察記事を月次で出しています。
先月の記事「取引所の売買状況から見る、割安な取引所トークンとは? (2018年10月版)」から1か月が経ったので、現時点の状況を確認してみます。
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取引所トークンについて
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取引所トークンがよくわからない方のために、まずは取引所トークンについてご説明します。
取引所トークンとは、発行元の取引所内のみで使うことができるトークンになります。一般的に、取引所トークンにはそれを保有することによる特典がついています。例えば、以下のような感じです。
- その取引所における基軸通貨として売買することができる。
(例:BinanceのBNBの場合、 BTC/BNB, ETH/BNB のような売買が可能) - 取引所トークンを使って売買すると、手数料の割引を受けられる。
- 取引所トークンの保有者には、取引所の利益の一部が還元される。
- 取引所トークンの保有者には、取引所に上場する仮想通貨の投票権が与えられる。
- 取引所トークンの保有者には、何らかのトークンがタダでプレゼントされる(エアドロップ)。
必ずしも、すべての取引所トークンがこれに全んぶ当てはまるとは限りません。
また、頻繁に売買する人(=流動性を供給してくれる人)に対して取引所トークンを配布し積極的な還元を行う取引所が現れています。このような仕組みは取引マイニングと呼ばれています。
なぜ取引所トークンに注目をするのか?
なぜ取引所トークンに注目をするのか?それは、取引所トークンがICOにおいて最も投資パフォーマンスが良い分野であることに他ならないからです。
まずは、以下のツイートをご覧ください。このツイートは、TwitterのICO関連のインフルエンサーでもあるRYU氏(@Ryugunsun)が、ICOレポートのROIについてツイートしたものになります。
2018年前半では「取引所&ウォレット」のROIがずば抜けており、900%のパフォーマンスになっています。100入れると900のリターンを得るということを意味するので、いかに取引所分野の投資パフォーマンスが良いかがお分かりいただけるかと思います。
17 平均ROIを見ると、その「exchanges & wallets」カテゴリーがずば抜けていますね 笑 これはいつまでも続かないと思います。が、どのカテゴリーのROIが良いかは要注目です。ただ、全部のプロジェクトが将来的には残らないので、上がったら売って次に行くのが得策と思っています。 pic.twitter.com/QADiBYsHcB
? ??? [?????? ????s???] (@Ryugunsun) 2018年8月8日
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取引所トークンの割安・割高判定の指針
この記事では「取引所の売買高が大きいと、1トークンあたりの価値が高い」という考えのもと、割安・割高を判定します。
割安・割高判定の考え方
取引所の場合は、大変判りやすい指標があります。それが取引所の売買高になります。
ここでは「多くの人が積極的に売買する取引所は売買高が高いので、その取引所トークンの価値が高い」という前提に立ち、取引所トークンを割安・割高を測ってみました。
取引所トークンは、取引所ごとに発行数が異なるため、1トークンあたりの売買高を「取引所トークンの価値」と定義しました。
つまりは、「取引所トークンの価値」=「取引所の売買高(24hあたり)」÷「取引所トークンの発行数」になります。
さらに、取引所トークンの価値と現在の価格がどれだけ開きがあるかを「倍率」で表しました。
「倍率」=「トークン価格」÷「取引所トークンの価値」になります。倍率が小さければ小さいほど、取引所の価値が取引所の実力に見合っておらず、その取引所トークンは割安と判断します。
ちなみに、中央集権型取引所の場合は、倍率は0.5-10倍程度に収まることが今までの調査で判っています。
データの取得先と利用する情報
条件を公平にするため、売買高のデータはCoinMarketCapに公開されている情報のみを利用します。データ取得時期は2018年11月09日になります。
CoinMarketCapには、取引所から売買高の情報が通知されており、それが売買高のランキング形式となって公開されています。
しかしながら、取引所から報告される売買高の生の情報は疑わしい部分が多く、CoinMarketCapでは補正をかけて条件を同じにした調整済みの売買高(Adjusted Volume)売買ランキングが公開されるようになりました。
情報の公平性を確保するために、この記事では調整済みの売買高に基づいて割安・割高判断を行います。
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取引所トークンの割安・割高判定結果
比較対象の取引所
比較対象の取引所は、すべて調整済みの売買高のデータを取得できるところになります。11月よりDigiFinexを加えました。
また、COSSの売買高があまりに小さいため、今回から除外しました。
中央集権取引所:
- CoineBene (CONI)
- OKEx (OKB)
- Binance (BNB)
- Huobi (HT)
- Bit-Z (BZ)
- Liquid (QASH)
- BiBox (BIX)
- KuCoin (KCS)
- Coinsuper (CEN)
- CryptalDash (CRD)
- DigiFinex (DFT)
分散型取引所:
- CryptoBridge (BCO)
- Switcheo Network (SWTH)
- Kyber Network (KNC)
- Bancor Network (BNT)
比較結果
中央集権型取引所:
取引所名 | シンボル | 発行数 | トークン価格(円) | 24時間の売買高(円) | 1トークンあたりの価値(円) | 倍率 |
CoinBene | CONI | 1,000,000,000 | 3.18 | 35,317,241,522 | 35.32 | 0.09 |
OKEx | OKB | 1,000,000,000 | 138.19 | 84,030,787,039 | 84.03 | 1.64 |
Binance | BNB | 190,799,315 | 1,106.2 | 92,214,825,645 | 483.31 | 2.29 |
Huobi | HT | 500,000,000 | 180.12 | 62,356,876,387 | 124.71 | 1.44 |
Bit-Z | BZ | 1,200,000,000 | 11.97 | 12,743,261,563 | 10.62 | 1.13 |
Liquid | QASH | 1,000,000,000 | 24.12 | 1,228,458,294 | 1.23 | 19.63 |
Bibox | BIX | 265,986,997 | 39.78 | 32,728,647,101 | 123.05 | 0.32 |
KuCoin | KCS | 180,138,154 | 125.59 | 2,490,242,380 | 13.82 | 9.08 |
Coinsuper | CEN | 972,268,589 | 1.98 | 7,059,424,156 | 7.26 | 0.27 |
CryptalDash | CRD | 1,000,000,000 | 0.89 | 380,415,694 | 0.38 | 2.34 |
DigiFinex | DFT | 2,100,000,000 | 18.09 | 54,009,358,677 | 25.72 | 0.70 |
分散型取引所:
取引所名 | シンボル | 発行数 | トークン価格(円) | 24時間の売買高(円) | 1トークンあたりの価値(円) | 倍率 |
Bancor Network | BNT | 78,233,950 | 156.49 | 217,495,588 | 2.78 | 56.29 |
Waves Platform | WAVES | 100,000,000 | 208.48 | 184,521,760 | 1.85 | 112.98 |
Switcheo Network | SWTH | 1,000,000,000 | 1.03 | 11,617,718 | 0.01 | 88.66 |
Kyber Network | KNC | 215,625,349 | 46.37 | 41,453,300 | 0.19 | 241.20 |
CryptoBridge | BCO | 27,000,000 | 154.36 | 96,029,816 | 3.56 | 43.40 |
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まとめと考察
中央集権取引所
今回は、CoinBene, Coinsuper, Biboxが割安判定となり、Liquidが割高判定となりました。
特に、CoinBeneは直近売買高が急激に上昇している割には、CONIトークンの価格は低迷したままなので、かなり割安で放置されています。
分散型取引所
今回の調査した分散型取引所は、CryptoBridgeを除いて売買高が上昇しました。
その分、割高感は若干解消されています。
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