コラム

FCoinJPの現状と今後の課題

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2018年10月30日に、FCoinのフランチャイズのFCoinJPが誕生しました。誕生してからちょうど1か月たったわけですが、色々と課題が見える結果となりました。

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FCoinJPとは

FCoinJPは、FCoinの日本向けプラットフォームです。厳密にはFCoinのフランチャイズとして活動している取引所になります。

FCoinJPでは取引マイニングという仕組みを導入しています。取引マイニングは取引を行っている人、つまり市場に流動性を供給してくれる人にインセンティブを与えるという仕組みで、インセンティブとしてFJトークンが付与されます。

保有しているFJトークンをロックアップしている数量に応じて、取引所利益の80%が仮想通貨(BTCやUSDTなど)で毎日還元されます。

FCoinJPの現状(2018年10月30日-11月31日)

まずはFoinJPの現状を見てみましょう。以下は、主な公式発表を時系列にまとめたものです。

ご覧のように、FCoinJPは体制が固まる前にフライングでサービスをリリースした感は否めません。悪く言えば定まっていない、よく言えばサービスを柔軟に運用しているといった形でしょうか。

また、上記は公式発表のみを時系列にまとめたものになりますが、公式ページにない情報としてFCoinJPのCEOが途中で交代になっています。

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FJトークンの現状

FCoinJPでは、取引マイニングによりFJトークンを入手することができます。FJトークンをロックアップすると、取引所利益の80%がFJトークン保有者に按分する形で配当されます。

FJトークンの価値は、FCoinJPの価値といっても過言ではありません。取引所の出来高は大きければ大きい程よく、出来高が大きいと売買がしやすくなり利用者のメリットが大きくなります。そして、出来高が大きければFJの配当が多くなり、FJの価値が上がるからです。

それでは、FJの価格を見てみましょう。

FJ/USDT 日足チャート 2018年12月01日時点

FJ/USDT 日足チャート 2018年12月01日時点

ご覧のように、一方的な下降トレンドでよい状態ではありません。

実際にTelegramのFCoinJP公認コミュニティでは価格に関する悲観的な意見が目立っています。

筆者が考えるFCoinJPの状況

悪いところ

日本市場向けを謳うのに仮想通貨交換業を取得していない

FCoinJPでは”JP”と名がつく通り、ホワイトペーパーでも日本市場向けの取引所であることを謳っています。

日本の国内外の取引所かは関係なく、日本の居住者向けに仮想通貨取引所の営業をする場合は仮想通貨交換業の取得が必要になります。FCoinJPの場合は、仮想通貨交換業を取得していないため、日本人向けを謳っているのは法律面ではアウトになります。

そのため、FCoinJP自身は日本のプロジェクトをIEOさせる方針をとっているものの、日本のプロジェクトからみると、法律面を守っていないという点は不安材料の1つになるかもしれません。

ちなみに、日本人が自分の意思で勝手に海外取引所に登録するのは法律上問題ありません。

FJトークンの仕組みに無理がある

FJトークンは、自分が取引することでもらうことができるトークンです(取引マイニング)。FJトークンを入手してロックアップすると、取引所利益の80%が保有者に還元されます。

この仕組みは大変魅力的に見えるようで、仕組みゆえにそのトークン価値を維持するのが難しい構造になっています。

FJトークンとは、言い換えると配当をもらえる権利になります。人々が取引マイニングをすると流通するFJトークンが日々増えていくため、一人あたりの権利はどんどん希薄化していきます。つまり、一人あたりが貰える配当額が減っていくということです。当然、配当額が減っていくとFJトークンの価値は低くなるため、理屈上はその価格は下がっていきます。

FJトークンの価格が上がるためには、権利が希薄化していくスピード以上に取引所の利益が増えていく必要があります。しかし、取引所の利益が増えていくのは容易ではありません。

逆に、取引所の利益が今までと同じか下回っていれば、FJトークンの価格は下がっていきます。

このように、FJトークンはその仕組みからトークン価格が下がりやすいようになっています。取引所を魅力的に見せるはずの取引マイニングが、かえって取引所の足を引っ張ってしまっているという現実があります。

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良いところ

システムが非常に安定している

FCoinJPの素晴らしい点として、取引所の安定度があげられます。

トップページに1秒当たり200万件のトランザクションを処理することができると謳っている通り、ここ最近で稼働している取引所としては間違いなくトップクラスの処理能力を誇ります。

実際に、100億円以上BTC/USDTの取引があった日でさえ、全くダウンすることなくシステムが稼働していました。

日本の取引所の多くは、システムトラブルやメンテナンスが頻発し、酷い時にはそれが大きな損失につながります。取引所の安定度というのは非常に重要です。

運営コミュニティがしっかりしている

FCoinJPの最も特筆すべきところは、運営コミュニティの質の高さです。

FCoinJPはコミュニティベースのガバナンスを売りにしているだけあり、運営はコミュニティの決定に従います。

コミュニティにおける主な討論内容はTelegramの「FCoinJPコミュニティ株主公開討論会場」に公開されており、討論を行うコミュニティ株主は大口のFJ保有者から選出されます。

その討論内容は、まさに取引所経営に関するものです。参加者は取引所の利用者なのにです。

「FJトークンの価格が下がっているが今すぐにはバーンすべきではない」や「取引所を継続させるために取引手数料は有料にすべき」など、長期的にみて取引所の価値をどう上げていくかの真剣な議論が取り交わされています。

まとめ

FCoinJPは、大きな問題を抱えているものの、運営コミュニティの質が高く、ガバナンスは特筆すべきものがあります。

ユーザメリットが少ない現状ではあるものの、コミュニティの力で盛り返していく可能性が十分にあります。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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