2019年6月4日に、パブリックブロックチェーンのプロジェクトTriasが日本法人設立を記念してミートアップを行いました。その模様をお伝えします。
イベントページ:次世代ブロックチェーン「Trias」が日本進出!法人設立記念のイベントを6月に開催
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Trias ミートアップ イベントレポート
Trias Japan代表 挨拶
Trias Japan代表の舘岡邦雄氏は、挨拶でTriasプロジェクトについて簡単に紹介しました。
Triasは、オックスフォード、北京大学出身者で構成されています。中国国内の公共インフラ分野で実用化が進んでいるブロックチェーンプロジェクトです。
舘岡氏は、これから日本国内の企業に向けてブロックチェーンプロダクトを提案し、ブロックチェーンの社会実装を担っていくと語りました。
衆議院議員 海江田氏 祝辞
衆議院議員の海江田万里氏は、自分の名前の万里は、万里の長城の万里と同じだと冗談を交えながら祝辞をはじめました。
海江田氏は、日本と中国がお互いにWin-Winの関係で成長できるようになることの重要性を強調しました。その中で、現状の米中の貿易戦争に言及し、一番困るのは日本を含むASEAN諸国だとしました。
そのような中で、日本が中国の企業と一緒に仕事をするのに躊躇するのは過剰ではないかとし、事実を客観的にみてお互いにどのような関わり方ができるか考えるべきではないかと、自身の意見を述べました。
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NodeTokyo Founder 大日方氏 ーブロックチェーンの現在と今後について
スピーカーの大日方祐介氏は、直近でサッカー元日本代表の本田圭佑氏とブロックチェーンファンドを設立しました。大日方氏は、以前関わっていたベンチャーキャピタルでOmiseやbitFlyerの投資家として参加した経験や、技術寄りのカンファレンス「Node Tokyo」を主催した過去を紹介ました。
大日方氏は、日本国内のブロックチェーン状況について述べました。
まずは企業の状況です。
現状は、日本の代表的なテクノロジー企業の約20社程度がブロックチェーンに取組み、実証実験をしているところが増えつつあります。PoCの代表的なものは、MUFGのステーブルコインがあげられます。
また、リクルートのようにトークンに投資するコーポレートベンチャーキャピタルが現れはじめています。この他、開発者コミュニティやコンサルティング、メディアが充実してきたことも紹介されました。
国の動向については、法律や枠組みが今年から来年にかけて固まっていき、政府もキャッシュレス活用のために暗号資産(仮想通貨)の活用を模索をしているようだと述べました。
最後のアカデミックについては、日本の若い世代がブロックチェーン技術に興味を持って取り組んでいることを紹介しました。その背景として、平成世代は社会の大きい波を経験しておらず、初めて自分たちが主役になれるブロックチェーンという波がきていて、パッションを持って取り組んでいる人が多いといいます。
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Trias CEO:RUAN Anbang氏 ーTriasのビジョンとこれまでの実績について
今回のイベントが行われた日は、国際こどもの日になります。CEOのRUAN氏は、新しく生まれたTriasを大切に育てていきたいとし、Triasの紹介をはじめました。
RUAN氏は、まずTriasを語る上で一番の問題を定義しました。その問題は信用問題です。私たちのスマートフォンやパソコンから日々発生している情報がどこに保管されていて、それが何に使われるかを把握する必要があるといいます。
Triasの場合、それらの情報をTriasブロックチェーンで扱うことにより解決していきます。Triasは、すべてのプラットフォームアプリケーションと互換性があり、新世代のスマートコントラクトのオペレーションプラットフォームとして、私たちの生活を豊かにしていくコンピューティングシステムを提供していきます。
そのようなTriasのチームは70人で構成されており、日本チームも拡大させています。
Triasが扱う信頼問題は、それをフルスタック(=全部入り)のブロックチェーンで解決します。具体的には、TEEという技術を用います。TEEを使うことにより、ネットワーク上の正直者を認識できるようになります。
一般的に信頼問題を解決できる方法は2つあります。
1つ目が、完全に信頼できる監査役が、プールにいるコンピュータの中身を監査することです。しかし、これには監査役をどのように信頼できるのかという問題がつきまといます。
2つ目が、すべてを分散型で解決する方法です。それぞれが隣人の動きをチェックし、チェックOKだった人が、さらに隣人をチェックするという方法を採ります。Triasではこちらを採用し、90%アタックがあったとしても、どれが悪いかを判断することができます。
Triasでは、TEEを用いることにより、最下層のレイヤーに信頼できるコンピューターを集め、上位のレイヤーにアプリケーションを集めることにより、スマートコントラクトで非常に複雑なサービスを構築することができるようになります。Triasでは、このようなサービスを単なるDApps(分散型アプリケーション)ではなく、DSaaS(分散型SaaS)と呼んでいます。
一般的に、SaaSは1つ1つが複雑に絡み合って単一のサービスを提供しています。Triasではこのようなサービスが作成可能になるということです。RUAN氏らが本当にやりたいのは、複雑なサービスをブロックチェーン上で実現し、不正もブロックチェーン上ですぐに検知できることだといいます。
Triasのビジョンは、たった数行のスマートコントラクトを書くだけで、FacebookやCRMのようなSaaSを作れる未来です。スマートコントラクトやSaaSを作るためのコンポーネントは、すべてTriasトークン(シンボル:TRY)で購入することができます。
Triasが実現する未来により、エンドユーザーがサービスを提供する人たちを闇雲に信頼する必要から解放されます。また、システムをハッキングして不正が行われた場合でも、ハッカーがどこをいじればよいのかわからないくらいに分散性が確保できるようになります。
続いて紹介されたのが、Triasの実装例です。現在Triasでは20ほどのユースケースがあり、その中の成功例が紹介されました。
成功例として紹介されたのが、中国の地域政府と電力会社が連携したサプライチェーンのシステムになります。これは、地域一体型のERP(企業資源計画システム)兼MES(製造実行システム)になります。このシステムに流れるデータはすべてブロックチェーンに刻まれます。
これにより、データの信頼性があがり、企業間の取引における信頼を向上させることができます。また、銀行も企業のクレジットの確認が容易になるため、リスク低減につながるといいます。この他にも、数例が簡単に紹介されていきました。
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Trias CTO:WEI Ming氏 ーTRIASテクニカルイントロダクション
TriasのCTO WEI Ming氏は、コア技術の3点について例えを交えながら紹介しました。
1つ目が、TEEです。Triasでは、DDoS攻撃から守るためにTEEというシステムを導入しました。TEEでは、どのコンピューターが異常かを判断できるシステムが組み込まれています。
これを企業に例えると、社員の入退館システムになります。多くの人が出入りする大企業では、部外者の入館はできなくする必要があります。そのために、社員をホワイトリストに登録して入退館できるようにし、社員以外は入退館できないようにします。Triasでも、同様にホワイトリストに載ったノードのみをネットワークに参加できるようにします。
2つ目が、積極的に防御をするシステムです。普通のシステムでは管理者がすべてのコントロール権限を持っていますが、Triasではそのようなことはできません。
これを別の例に例えると、罠を仕掛けることをします。いざハッカーが侵入したとしても、システムが分散されているためにどこに目的の宝物があるかはわかりません。しかし、Triasではハッカーが発見しやすいような宝物の罠を作り、そこにハッカーが引っかかるようにします。このような仕組みにより、直近で韓国や日本のハッカーを捕まえたといいます。
最後は、プライバシー技術です。Triasブロックチェーンでは、取引がブロックチェーンに刻まれるため、本当のアドレスを教えたくない場合があります。そのときに使われるのが、ワンタイムの送信元、受取先アドレスです。Triasでは、取引の機密性を確保したい場合に、このワンタイムの2つのアドレスを利用することで、そのニーズに応えることができます。
Triasに関する情報
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