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ブロックチェーン・ナイト#005:ブロックチェーン社会実装事例紹介とその課題 イベントレポート(後編)

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2019年6月6日に、EverSystem主催、IOST共催のブロックチェーンイベント「ブロックチェーン・ナイト#005:ブロックチェーン社会実装事例紹介とその課題」が開催されました。

イベントページ:ブロックチェーン・ナイト#005: ブロックチェーン社会実装事例紹介とその課題

今回はブロックチェーンの社会実装がテーマです。各社がブロックチェーン利用を模索する中、どのような内容が取り上げられているか取材してきました。

イベント内容が盛りだくさんだったので、今回は後半部をお伝えします。前編がまだな方はこちらをご覧ください。

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IOST マスアダプション×セキュリティ

IOST マスアダプション×セキュリティのテーマでは、日置玲於奈氏(Twitter:極度妄想(しなさい)@leo_hio)より、技術的な観点を中心に述べていきました。日置氏は、ブロックチェーンはまだ内輪で盛り上がっているだけで、社会では盛り上がっていないといいます。

日置氏はブロックチェーンにより、個人が金融機能を持つ時代になったのではないかといいます。各Webサイトが資金調達などの金融機能を持つなどがそれにあたります。

個人の金融機能で一番わかりやすいのがICOによる資金調達です。しかし、イーサリアムはチェーンの処理が遅く、手数料が高騰する現象が起きました。ブロックチェーンの金融機能が広まっていった場合、現状のイーサリアムの性能はついていけないといいます。ちなみに、ブロックチェーンの金融機能は、分散型金融DeFiと呼ばれています。

ブロックチェーンは金融の民主化をもたらす

ブロックチェーンは金融の民主化をもたらす

今回日置氏がテーマとしているIOSTは、DeFiに耐えるといいます。全世界における決済は、現状100万TPSになります。そのうち、VISAが1-2万TPSという値になります。IOSTであれば、TPSの観点でみると対応できます。

また、現状のイーサリアムのスマートコントラクトは開発者の負担が高いという問題点があります。イーサリアムの場合は、新しい技術と新しい言語のSolidityを学ぶ必要があります。そして、イーサリアムのスマートコントラクトは一度作ってしまうと修正ができないため、事前にすべてのバグを見通してデプロイする作業が必要になります。これが開発者にとっては非常に大きな負担となります。

一方、IOSTではJavaScriptというよく知られた言語を開発に使えるため、開発者に優しいといいます。

そして、ブロックチェーンを使うことによる重要な点が、金融的なアダプションだといいます。

ブロックチェーンネットワークにおいて、どこがコストを負担するのかというテーマがあります。本来は、ユーザーと開発者・事業者、マイナーはコストを押し付け合う関係にあります。しかし、ステーキングの設計をやることで全員がWinの関係になれるのではないかと日置氏は語ります。

IOSTの場合、ユーザーはトークンを保持することで、IOSTで使われる仮想マシンのリソース(iGAS, iRAM)の利用権が付与されます。事業者は、それをあまり心配する必要がなく、IOSTのエコシステムを使ってマネタイズする方法を考えれば良くなります。最後に、マイナーはIOSTのブロック生成の報酬で大きな利益を得られるようになります。互いの負担が少ない形で、ネットワークを維持できるのがIOSTになります。

IOSTの金融的アダプション

IOSTの金融的アダプション

比較対象として、EOSの場合、ユーザーは手数料が無料であるために負担がなくなる一方、開発者・事業者はトークンを買ってステークする必要があります(プロジェクトを閉じる場合に売却できる)。そして、マイナーはブロック生成の報酬を得ることができます。

EOSの場合は、開発者・事業者の負担が一番大きく、トークンを購入後に使えなくなる時間的負担がコストになります。また、トランザクションが大量発生すると開発者・事業者はさらにトークンを購入する必要があり、これが追加のコストとなります。

EOSと比べると、IOSTの場合はコストやリスクなどの負担ををユーザーやバリデーター(マイナー)に分散させることができます。ステーキングの時間的な価値を使うという点が、IOSTは金融的であると、日置氏は述べました。

EOSの欠点

EOSの欠点

しかし、IOSTも完璧であるというわけではなく、ユーザーへの負担が依然として残っています。それがアカウント作成になります。

この課題に対しては、暗号をもっとうまく利用することにより、ブロックチェーン利用を促進できるようになるのではと考えられています。例えば、OASISやOnBlockと呼ばれるプロジェクトは、電話番号でチェーンが利用できる仕組みを提供しています。

日置氏によるユーザーへの負担軽減のための提案は、分散型カストディのになります。これは、ウォレットなし、アカウントなしでチェーンを利用できるというものになります。

日置氏からの提案

日置氏からの提案

その試みとして、EOSを利用したスカウティングICOを行った例が紹介されました。ICOという名前がつくものの、目標資金調達額はゼロで、参加者がICOに参加するための問題を解くことにより、頭の良い人材を集めることができたといいます。

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IOST プラットフォームの紹介

Terry Wang氏

Terry Wang氏

今回のイベントでは、IOSTのCTO、Terry Wang氏が急遽来日し、IOSTを簡単に紹介する時間が作られました。

IOSTは、スケーラブルなブロックチェーンで真の分散されたプロトコルになります。ビットコインやイーサリアムのような分散を保ちつつも、スケーラビリティを拡張することができます。

IOSTのチームは、既に3年間IOSTについて取り組んでおり、3ヶ月前にメインネットに移行しました。現在は300のノードがブロック生成に参加し、プラットフォームを活用したDAppsが次々と誕生しています。

現在のIOSTでは、事業者や開発者を積極的に受け入れている状態で、Terry氏は新たな開発者たちを歓迎しますと述べました。IOSTは参入障壁が低いため、今ブロックチェーンに参加したい人たちにとってては良い選択肢になるといいます。

IOSTの本質的ミッションは、日常生活にブロックチェーンが使われることであり、データやプライバシーがブロックチェーンで扱われ保護されることだとしています。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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