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Alchemy ミートアップ イベントレポート

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2019年11月21日に、暗号通貨決済のプラットフォームを開発するAlchemyが東京大学でミートアップを開催しました。取材にいってきたので、どのようなプロジェクトなのかご紹介します。

イベントページ:Alchemyプロジェクト -ブロックチェーン技術による決済の現状と将来?チェーン技術による決済の現状と将来-

Alchemy GLobal Payment Co-Founder – Shwn Shi氏

Shwn Shi氏まず、Alchemy GLobal PaymentのCo-FounderのShwn Shi氏が、自社のサービスについて紹介しました。

Alchemy GLobal Paymentでは、技術とその応用を両立させ、グローバルで未来型の支払い技術を確立させていきます。すでに2万人のサポーターが存在しています。Alchemyは、様々なメディアに取り上げられており、今年注目のプロジェクトであるといいます。技術ベースのプロジェクトにもかかわらず、Alchemyは多くのインフルエンサーが宣伝しています。さらに、GUSDやHT、BNBなどのトークン発行者とパートナーシップを提携しています。

Alchemyのサービスは大きく3つに構成されています。それがオフラインのPOS、既存の支払いサービスのゲートウェイ、アプリ内決済です。

Alchemyのサービス

Alchemyのサービス

オフラインのPOSは、すでにシンガポールや香港のショッピングモールに導入されています。ユーザーは、好きな暗号通貨で支払うことができ、店舗側は法定通貨で支払いを受け取ることができます。また、既存の支払いサービスのゲートウェイを提供することで、様々な決済ネットワークでAlchemyのサービスが利用できるようになります。

POS端末

POS端末

そのようなAlchemyのサービスは、6つの技術優位性を持ちます。プレゼンテーションでは、特に良い点が紹介されました。

Alchemyの技術の優位性

Alchemyの技術の優位性

まずはすべてのパブリックブロックチェーンに対応可能な点です。これにより、クロスチェーンを使わなくても、チェーンをまたいだ決済を行うことができます。また、スマート為替により、リアルタイムで世界一良いレートを採用できるようになるため、ユーザーの為替リスクを最小限に抑えることができます。さらに、ゼロブロック検証技術により、遅いとされているブロックチェーンの暗号通貨でも即時決済を行うことができます。その他、様々な決済の仕方を設定することができます。

Alchemyのサービスは、セカンドレイヤーのサービスを統合しており、ライトニングネットワークのようなすべてのセカンドレイヤーのサービスに繋げることができます。Alchemy自体がオープンであるため、開発者はAlchemyのエコシステムを使い、決済環境を簡単に作ることができます。

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COINOTAKU伊藤氏のスピーチ

伊藤健次氏

コインオタクの伊藤氏は、デジタル通貨と最近のニュースについて解説しました。

まずはデジタル通貨の解説から。現状のデジタル通貨は3種類になります。それが中央銀行が発行するデジタル通貨、ステーブルコイン、暗号資産です。それぞれのデジタル通貨の目的は異なっています。

中央銀行が発行するデジタル通貨は、当然儲けるためではなく、流動性の向上や追跡性の向上があります。また、ステーブルコインは価格変動リスクを回避して利便性を向上させます。そして、暗号資産は独自経済を創造するためになります。暗号資産の発行体は、決済まで浸透させるまでは、なかなか難しいとされています。

デジタル通貨の種類

また最近になり、世界最大の暗号資産取引所のBinanceが、180カ国の法定通貨をサポートすることを発表しました。この流れは確実に他の取引所に来る流れで、それは決済のためだといいます。

最後に、伊藤氏は疑問提起をしました。デジタル通貨の決済が広がると最終的にはサービスレベルはおなじになる、そうなるとどこが生き残るのだろうか?と語り、話を締めくくりました。

指針氏のスピーチ

仮想通貨で勝つすごい指針 【袋とじ】著者の保有銘柄と投資割合を大公開!投資家の指針氏は、XRPを中心に投資して資産1000倍を達成しました。その後、2018年にCoinPartyという情報サイトを立ち上げた経緯があります。指針氏は、投資家という視点からキャッシュレスについて語りました。

指針氏が暗号通貨に投資したきっかけは、フィンテックが世の中を変えていくと思った点になります。特に、ブロックチェーンの価値の保存と決済という点は、世の中を変えていくと感じたといいます。指針氏が投資したXRPは、ファンダメンタルズをみてBTCよりは信頼できる投資に値するものであるとの判断に基づいたものになります。

2017年の暗号通貨は投機的な動きでしたが、最近は生活にBTCやBCHが使えるようになりました。指針氏は、6月に「炭火焼肉たむら」にADA決済が導入された事例からも、暗号通貨が決済の市場において存在感が増している証拠だといいます。

しかし、実際はPayPayのようなものに対抗するには難しく、暗号通貨は使い勝手についての問題が多くあります。指針氏は、暗号通貨は個人レベルの店舗導入は進むものの、大型店舗は難しいだろうと考えています。

指針氏が、Alchemyについて面白そうだと思った点は、大型店舗は現実的に個別の暗号通貨の導入をすることはまずないため、プラットフォームという形でデジタル通貨から暗号通貨を横並びに使えるところだといいます。暗号通貨に関する法整備が進んだら、Alchemyのようなプラットフォームを通して大型店舗への導入が促され、暗号通貨がかなり身近なものになっていくのではないかとみています。

また、決済プラットフォームの市場競争を見ていくと、すでにQRコード決済は統合が起きてどこが勝つのか見えてきた状態になっており、暗号通貨に関しても同じ道をたどって行くのではないかと、指針氏は予想しています。Alchemyはすでに受け入れ店舗を抱えており、すでに顧客を抱えているため、統合を繰り返していく上で店舗や顧客が引き継がれていくため、有利な立場にあるといいます。

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Alchemy GLobal Payment CEO – Patrick Ngan氏

Patrick Ngan氏最後は、AlchemyのCEO Patrick Ngan氏が「ブロックチェーン技術による未来の決済を構築する」というテーマで話しました。

Alchemyは、初めて法定通貨と暗号通貨を混合した支払いシステムをレストランや企業に提供しており、「暗号通貨を世界のグローバル通貨にする」をビジョンに活動しています。そのために、暗号通貨の利用シーンを増やしていくことをミッションにしています。

デジタル決済は、スマートフォンの普及によって増えているのは疑いの余地がないことでしょう。人々は朝起きると最初に見るのはスマートフォンの画面であるように、スマートフォンは生活に欠かせないものになっています。日本ではまだデジタル決済の普及が始まったばかりですが、シンガポールや香港ではQRコードの支払いが普及しています。Alchemyががやっていることは、QRコードをスキャンするだけで暗号通貨の支払いをすることができ、しかもそれが簡単安全で、安くできることです。

ここでNgan氏は、とあるカフェの写真を出しました(写真左)。コーヒーをひとつ買うだめだけに、これだけの決済端末が並んでいます。Alchemyでは、写真の中央のように店舗は1つの端末を使うだけで済みます。それぞれの会社がそれぞれの開発をしているものを、Alchemyでは1つにまとめます。

とあるカフェとAlchemyの端末

とあるカフェとAlchemyの端末

つまり、Alchemyが提供しているものは、色々な支払手段を1つにまとめるということです。Alchemyは、法定通貨と暗号通貨のハイブリッドシステムを提供し、店舗のリスクを排除し、法定通貨で売上を得ることができるようにします。しかも、店舗側はPOSデバイスを導入する必要はなく、スマートフォンにアプリケーションを入れるだけです。ユーザーできる暗号通貨として、様々なコインやトークンをサポートします。

Alchemyのソリューション

Alchemyのソリューション

Alchemyでは、これらを増やすためにいくつかのマーケット戦略を持っています。様々な決済ネットワークにAlchemyのシステムをつなげていき、店舗側のリスクをゼロに、そしてマーケットで人気の暗号通貨を支払いに使えるようにします。既に30種類の暗号通貨は支払いに対応しています。また、ブロックチェーンエコシステム、トークン発行者やブロックチェーン企業を技術面でサポートしていきます。

Alchemyのマーケット戦略

Alchemyのマーケット戦略

ここで、ビッグニュースとして、ANAとパートナーシップを組むことが発表されました。ANAの傘下には、ブロックチェーン企業のACDがあります。ACDとの提携により、香港やシンガポールに飛行機で行けるようになることが見込まれています。

決済ネットワークとの提携

決済ネットワークとの提携

また、楽天キャピタルやHISが投資をしているQFPayと提携します。この他、取引所のHuobiやBinanceと提携し、今後は日本の取引所との提携を予定しています。複数の取引所と提携するのは、店舗や顧客にとって有利なレートで取引をしてもらうためだといいます。さらに、暗号通貨のACDやXRPに対応させていき、Libraにも対応を予定しています。

最後に、成功事例として、マリーナベイサンズのレストランのCE LA VI(セラヴィ)や、香港の家具チェーン、シンガポールのタクシーの導入事例が紹介されました。

CE LA VIの導入例

CE LA VIの導入例

パネルディスカッション

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションでは、これまでの登壇者と、TEAMZのEric氏が加わり、デジタル決済について各々の考えを述べていきました。

1.なぜデジタル決済をしなければいけないのか?現状だと、日本だと現金で不便を感じていない人が多い。

エリック:いろいろな国が色々な問題を抱えている。その解決策としてデジタル通貨の需要が出ているところもある。決済のデジタル化は、そのようなものの1つといえるだろう。

指針:ビットコインと国がやろうとしていることは完全に反対。ビットコインは今の貨幣経済に限界を感じてる考えが根底にあり、今の貨幣に頼らないことが求められている。各国が自国のデジタル通貨を導入しようとしているが、透明化できるので管理しやすくなると考えている。どちらのものが必要とされているかは、実際に見てみなければわからないだろう。

Patrik:日本以外のマーケットの事例を話すと、東南アジアの国は自分たちのデジタル通貨を作っている。このような国の人たちはデジタル通貨の決済が日常になるだろう。そういう人たちが日本にくると、現金文化には慣れないし、逆に現金に慣れた日本人が東南アジアに行くと困ることになるだろう。しかし、この流れは徐々にデジタル通貨の流れにまとまっていくだろう。

2.日本でデジタル決済を広めるためには何が足りないのか?

指針:電子決済自体の普及は進んでいくと思う。しかし、現状の暗号通貨決済は、正直使い物にならない。そのために、ビットコインのデビットカードみたいなのがあるが、認知がされていないため、普及が進んでいない。

3,デジタル決済が普及していない国でデジタル決済の浸透をさせるためには?

Patrik:日本はユニークで、現金が普及している。そのため、日本でデジタル通貨を浸透させるためには、税金を減らすなどの優遇策があるだろう。香港では、すでにカード決済が普及しているため、デジタル決済の普及は困難だ。東南アジアはQRコード決済が普及している。何が言いたいかというと、カルチャーを尊重することが大事で、今までと同じ決済方法に絡めることで普及していくと思う。

エリック:ユーザーは問題が解決されればよいだけなので、その国へのローカライズが必要になる。また、政府がデジタル決済にコミットすることも大事だろう。

4.暗号通貨はブロックチェーン技術であるが、今のブロックチェーン技術をどう評価しているのか?

指針:ブロックチェーン技術自体は革新的で、これからもっと普及していくと思うが、決済シーンにおいて実用性が乏しい。まだトランザクションが脆弱で、Suicaレベルの決済には対応できない。まだまだ発展する余地がある。

エリック:ブロックチェーンの透明性は重要だと思う。安全の問題があるが、それは取引所のセキュリティの問題であり、ブロックチェーンそのもののセキュリティの問題ではない。私は技術者ではないが、ブロックチェーンの進化は面白い。それぞれの国や地域で国の方針が違うので、国のブロックチェーンへの政策によって技術の成熟度合いが変わってくるだろう。

Parik:実際にマイルやポイントを使うと、それを別の店舗で使うのは難しい。それをトークン化できて、他の店舗で使えるようにできれば、みんなの生活が便利になるだろう。ブロックチェーンであればそれができる。すべてがトークン化されて、価値を持つようになると、全員が仮想通貨を持つことになる。私たちはそのような世界観を作りたい。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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