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Digital Asset Conference: State of DeFi イベントレポート

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Zebra GlobalとBithumb Globalは、2019年11月20日にDeFi(分散型金融)をテーマにしたDigital Asset Conferenceを開催しました。当日の模様をお伝えします。

イベントページ:Digital Asset Conference: State of DeFi

Zebra Global

Zebra Global - Amber Chook氏

主催のZebra GlobalはブロックチェーンのPRコンサルティング企業です。シマウマの縦しまのように立ち上がるという意味を込めて、社名にZebraという単語が入っています。東京都内の他、香港、北京、上海、ソウル、ホーチミンにチームを持ちます。

Zebra Globalでは、クライアントに対し、国に応じたプラットフォームやSNS運用を行い、Digital Asset Conferenceを通じてオフラインでも大規模にコミュニティへアプローチをします。また、パートナーシップ構築を行い、クライアントのビジネス拡大を支援していきます。

Zebra Globalはブロックチェーン業界としては珍しく、メンバーの多くが女性で構成されています。しかも、各国の有名企業出身の精鋭たちになります。

Bithumb Global

Bithumb Global

前回のDigital Asset Conferenceに引き続き、Bithumb GlobalはBithumbファミリーとそのエコシステムについて紹介しました。

Bithumbファミリーは、グローバル金融のエコシステムです。既存の取引所Bithumbは、BithumbファミリーにおいてBithumb Koreaの位置づけになっています。Bithumb Koreaは、登録済みユーザーが800万、デイリーユーザーが32万、日々の取引高が9,600億ウォンとなっており、韓国の暗号通貨の取引高の60%を占めています。

一方でBithumb Globalは、Bithumbファミリーのグローバルブランドの位置づけで、オープンでフレンドリーなデジタルアセットプラットフォームを構築します。立ち上げからわずか1年にもかかわらず、登録済みユーザーが100万、デイリーユーザーが15万、日々の取引高が3億8,100万ドルに達しています。また、3つの独自サービスを提供しています。ユーザ間の暗号通貨取引が可能なC2C、新しい資金調達のBG Staging、ステーキングサービスのBG Stakingになります。

Bithumbファミリーの一覧

Bithumbファミリーの一覧

今回は、直近でプレスリリースされたBithumb Chainが紹介されました。Bithumb ChainはBithumbファミリーのパブリックブロックチェーンで、価値のネットワークを構築し、情報フローを効率化、ビジネスとの統合を実現します。Bithumb Chainにより、Bithumbに関わるプロジェクトは、Bithumbファミリーの価値に横断的にアクセスできるようになります。

Bithumb Chainの上位レイヤーには、DeFi(分散型金融)やゲーム、取引所やDApps、ウォレットが構築されます。開発者は、ブロックチェーンを利用するアプリケーションを開発する場合に、Bithumb Chainの価値のネットワークに対してスムーズにアクセスすることができるようになります。

Bithumb ChainはBithumbファミリーの価値にアクセスできる

Bithumb ChainはBithumbファミリーの価値にアクセスできる

また、BithumbファミリーではEaaS(Exchange as a Service)やPSP Protocolを開発しました。一般的に、取引所を自分たちで作る場合、開発には150万ドルの費用と1年の歳月がかかり、ランニングコストは毎月25万ドルもがかかります。Bithumbファミリーの製品を使うことにより、これらのコストを抑えることができ、わずか0.03%の手数料を払うだけで残りを自分たちの利益にすることができます。

最後に、ニュースとしてBithumbとBithumbe Globalがシングルサインオンできることが発表されました。

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ZILLA

Zilla - Lilith Li氏

ZILLAは、ブロックチェーン領域において、人や企業のマッチング、ビジネスの活性化を行うためのプラットフォームの開発と運営を行っています。

管理画面から簡単にスタイルの良いイベントサイトを構築することができ、メディア連携、ウォレット、マーケットプレイスなどの機能が搭載され、多言語に対応しています。

ZILLAでは2種類のトークンを発行しています。ZILLAトークン(ZLA)では、保有することでエアドロップの権利を得ることができます。また、サブトークン(GD)を使うことで、イベントチケットを実質割引で購入することができます。これらのトークンは、それぞれHuobi GlobalBiKiに上場しています。

ZILLAが提供するイベントプラットフォームは、主催者に無料提供され、ユーザーはスマートフォンアプリのZILLA(iOSAndroid)やWebページからイベント情報を確認することができます。主催者は、専用の管理画面でイベントページを作成することができ、ZILLAのSNS広告アカウントに掲載され宣伝されます。

イベントの主催者にとってのZILLAを使うメリット

イベントの主催者にとってのZILLAを使うメリット

また、モバイルアプリには分散型ウォレット機能が内蔵されており、イベント参加で暗号通貨支払いができるほか、暗号通貨のマーケットプレイスを利用できるようになります。さらに、専門知識がなくてもトークンを発行したり、暗号通貨がもらえるフォーセット機能が搭載されています。

パネルディスカッション

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションでは、Norbert Gehrke氏が司会のもと、ブロックチェーンプラットフォームに関わる登壇者がDeFiに(分散型金融)ついて議論しました。

<登壇者>

  • 山田宗俊 氏:SBI R3 Japan ビジネス開発部長
  • John Wang 氏:NEO Eco Fund Director
  • 吉田洋介 氏:EMURGO Japan 代表取締役社長
  • 角谷茂樹氏:QURAS Founder&CEO

この記事では、特に印象があったものを紹介します。

お気に入りのDeFiは?

Wang 氏:NEOだとシンガポールの分散型取引所Switcheoが気に入っている。NEOのデジタルアセットのほか、他のブロックチェーンのアセットをアドミックスワップを使い取引ができるものになる。またEthereumでは、あえて選ぶとしたらHydroが提供しているDDEXになる。DEXとしては初めてレンディングに対応した点が面白い。あらゆるトークンにとって大事なのは流動性なので、そのためにはレンディングが必要だからだ。

自社のプラットフォームのDeFiに対する優位性は?

吉田 氏:DeFiにとって重要なのがセキュリティだ。つまりスマートコントラクトの脆弱性がないことが求められる。Cardanoでは、Haskellという言語を使っているが、Haskellは形式的検証ができる。これは実装したものが実装した通りに動くかを数学的に検証するというものになる。

角谷 氏:QURASはゼロ知識証明とリング署名のプライバシー技術を使ったブロックチェーンだ。匿名性を維持したままスマートコントラクトを扱えるので、自分がどれだけのデジタルアセットを持っているのかというのを第三者から見られないようにすることができる。

DeFiでは、オラクルがちゃんとしているかという問題があるが、NEOはどう取り組んでいるのか?

Wang 氏:オラクルのソリューションを提供しているプロジェクトのChainLinkと提携している。実世界のデータをブロックチェーンに持っていくことは難しくないが、ひとつのプロトコルで作られたオラクルを別のプロトコルに統合するのは難しい。NEO3では、オラクルのソリューションを実装するので、NEO上でオラクルを扱うことができるようになる。

Cordaの面白いユースケースは?

山田 氏:DeFiの課題はパブリックブロックチェーンの課題と同じだと思う。パブリックチェーンのアイデンティティの匿名性が高いという点は、企業のユースケースに適合しないが、プライベートチェーンだと参加者が実名になるので、企業が使うことができる。プライベートチェーンの良さを活かしつつ、DeFiのようなことをやっているプロジェクトがある。具体的には、インドからドバイに出稼ぎしている人が母国に送金するというもので、銀行が仕組みを提供している。UXとしては、P2Pに見えるが、間に銀行が入るのでKYC問題はクリアされる。完全な分散ではないが、送金手数料などのコスト削減が目的であれば、分散型でなくても実現できる。

DeFiが浸透していくためには?

角谷 氏:ユーザビリティと規制の観点から話をする必要があると思う。今はEtheruemを使うとMetamaskが必要になる。これは使いにくい。規制については、政府の規制が重要になる。どこがDeFiにしていくかがポイントになるだろう。保険はヘルスケアと金融のコンビネーションになるので、これから分散型保険ができていくのではないだろうか。

日本におけるブロックチェーンの規制は、将来どうなっていくのか?

山田 氏:我々は規制当局にとってメリットがある仕組みを作っていく必要があると思っている。例えば、金融機関同士の取引に透明性をもたらす、もっというと、銀行間取引がリアルタイムに共有される仕組みだ。そのような仕組みがつくれると、当局はメリットを感じてブロックチェーンが普及していくのではないだろうか。

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QURAS

QURAS

QURASは、ブロックチェーンのプライバシーを保護するためのプロジェクトです。

QURASの大きな特長は2つあります。それがプライバシー保護とトークン発行者へのトランザクション手数料の還元です。

プライバシー保護において、従来では匿名技術が適用できなかったスマートコントラクトやトークンのトランザクションにも、プライバシー技術を適用可能になります。比較表のように、主要なプライバシー保護が可能なブロックチェーンの中でも、スマートコントラクトが使えるのはQURASだけになります。特に、QURASはzk-SNARKsとリング署名の2つを利用している特徴があります。zk-SNARKsは高い匿名性を確保することができ、リング署名はグループ内における追跡性を備えた匿名性を確保することができます。QURASでは、ユースケースに応じた技術の使い分けができるようになっています。

他のブロックチェーンとの比較

他のブロックチェーンとの比較

トークン発行者へのトランザクション手数料の還元では、TSdBFT(Transaction Sharing dBFT)のアルゴリズムを用い、トークンの発行元にトランザクション手数料の2-4割を還元する仕組みを提供します。Ethereumであれば、マイナーにすべて持っていかれてしまっていたトークンのトランザクション手数料を、QURASではトークン発行元に還元することにより、プロジェクトの継続性を向上させることが見込まれています。

このような技術適用のユースケースとして、選挙が紹介されました。日本では投票の秘密が守られますが、投票の秘密が侵害されるような外国では、QURASの技術により投票の秘密を実現することができます。

現状のQURASでは、ユニークな活動としてQURASコインを決済できる店舗の開拓を行っています。直近で、100件+決済予定店舗を獲得したリリースを出しており、メインネット開始から決済を開始できるようにします。その他、QURASのユースケースの拡大として、QURAS採用プロジェクトとして、MUANRonaldinho SOCCER COINが紹介されました。

なお、QURASコインはBithumb GlobalBiKiに上場しています。

QURASコイン決済予定店舗の例

QURASコイン決済予定店舗の例

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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