インタビュー

Aave マーケットコンサルタント Lilith Li氏 ? 世界トップのDeFiレンディングの取り組みを訊く(第3部)

インタビュー

DeFiのレンディングプロトコルであるAaveは、今やスマートコントラクト上にロックされた資産の総額は世界トップ3に入ります。今回は、Aaveのメンバーでアジア地域を担当するLilith Li氏に、Aaveの概要やv2になって便利になったことを中心に伺いました。

本記事は、全部で3部構成になっています。第3部では、2020年12月にリリースされたAave v2の特徴について伺っていきます。第2部がまだの方は、先に以下の記事をご覧ください。

Aave マーケットコンサルタント Lilith Li氏 - 世界トップのDeFiレンディングの取り組みを訊く(第2部)
DeFiのレンディングプロトコルであるAaveは、今やスマートコントラクト上にロックされた資産の総額は世界トップ3に入ります。今回は、Aaveのメンバーでアジア地域を担当するLilith Li氏に、Aaveの概要やv2になって便利になったこ...

Aave マーケットコンサルタント Lilith Li氏 インタビュー 第3部

Aave v2になって追加された内容

加藤:Aaveは、2020年12月にAave v2をリリースしました。v2では、これまでのAaveと比べて何が変わったのでしょうか?

Lilith:v2は、コミュニティから大きく期待されていました。

Aave v1のときは、フラッシュローンやaTokenという新しい概念を追加しました。これによって、流動性がとても高くなりました。その後は、Admin Keyをコミュニティに引き渡しました。すべての権利をコミュニティに帰属させ、Aavenomicsに基づいてプロトコルが運営されるようになりました。

v2の新しい機能はいくつかあります。まず、v2はイールドと担保が交換できるようになりました。例えば、今までは100 USDTを担保に入れたら、100 USDTを用意して返済しなければいけませんでした。v2.0では、USDT以外の他のトークンで返済できるようになります。返済額は、返済する際の暗号資産の価格に基づきます。

続いて、フラッシュローンが今までより速く実行できるようになりました。さらに、一括フラッシュローン機能が搭載されました。今までは、借り手は1つの暗号資産しか借りることができませんでしたが、v2では複数の資産を使って同時にフラッシュローンを実行することができます。

また、債務をトークン化することができます。債務を表すトークンを借り手が受け取ることにより、信用の委任ができるようになります。信用の委任ができると、借り手は他の人の信用枠を使って暗号資産を借りることができるようになります。ただし、これは個人には向いていません。Open Lawを使って、きちんと貸し借りできる企業同士で使うのが良いと思います。この機能は2021年夏にできるようになる予定です。

まだまだあります!GASが安くなりました。v1と比べて最大50%オフになります。最近は、EthereumのGASが高いので、これはとても需要なアップデートですね。

それと、先程も話しましたが、借り手が変動金利と固定金利を自由に切り替えることができます。

加藤:たくさんありますね。DeFiがそもそも難しいので、これらのアップデート内容を理解するのは結構大変なものですね。

Lilith:ぶっちゃけ、難しいと思います。あと、v2のマーケットができたので、v1やUniswapのマネーマーケットでアービトラージもできるようになりますね。

Aave v2について、詳しくは「Aave Protocol v2」で確認することができます。

Aaveは日本市場をどのように見ているのか?

加藤:Aaveは、Aave v2からWebページに日本語が追加されていますね。また、Lilithさん自身は日本国内にいます。Aaveは、日本市場をどのように見ているのでしょうか?日本に求めているパートナーシップがある場合、どのようなものか教えていただけますか。

Lilith:日本市場には興味があります。日本の暗号資産保有者の数は少ないですが、一人あたりの保有額は世界的に見ても大きいので、Aaveの良いところを日本のマーケットに知ってもらって、少しでも多くのユーザーに使ってもらえると嬉しいものですね。

Aaveを利用すると、良いことがあると思います。例えば、他の暗号資産が欲しくても利確してしまうと税金がかかってしまいます。Aaveのレンディングを利用すると、すでに保有している暗号資産を利確しなくても、借りたお金で他の暗号資産を手に入れることができるようになります。

また、2020年4月からいろいろな活動をしています。Aave Ecosystem Grantsというプログラムがあり、日本でもtechtecに資金提供を行いました。興味がある方は、是非Grantsに申し込んでみてください。

加藤:申請条件はありますか?また、個人も申請できますか?

Lilith:Aaveのエコシステムに貢献できれば、どの会社でもいいです。また、個人でも大丈夫です。例えば、開発者であれば、一緒にAaveと何か開発することができます。たとえ開発ができなくても、ユーザー教育をするのも立派な貢献です!

加藤:日本で求めているパートナーシップにはどのようなのがありますか?

Lilith:まずウォレット会社があります。私たちは、ウォレットにAaveを統合するのをお手伝いすることができます。また、教育できる人やメディア、イベント、Aaveの宣伝ができるところもパートナーシップの対象です。一緒にAaveのエコシステムを広げられるところであれば歓迎します。

DeFiの市場展望

加藤:2020年の前半はDeFiブームであったと言われています。一部の人は、DeFiブームを過去のものとして扱いますが、これについてどう思いますか?また、これからDeFiはどのようになっていくと思いますか?

Lilith:2020年は、単純にDeFiが世界的に有名になってユーザーがすごく増えた年だったと思います。トークン保有者にとっては良い投資になったのではないでしょうか。

DeFiの発展は、ユーザーやプロジェクト全員がWin-Winになれると思っています。

2021年は、単にDeFiではなく「DeFi+何か」になると思っています。中国市場だと、”なんとかスワップ”がたくさん増えて、流動性が増えないままその多くが死んでいきました。しっかりしているプロジェクトには、ビジョンがあります。「DeFi+何か」ということです。

例えば、AaveはAavegotchiに投資しています。これはNFTのゲーム会社です。Aaveは、ゲームを通じて、新しいaTokenの使い方を模索しています。Aavegotchiは、ゲームでaTokenが使えるようになりますし、aTokenのステーキングもできます。

これは私個人の意見ですが、2021年は不動産分野でDeFiが使われると思っています。不動産は価格が高い上に、国境があります。みんなで所有権を小口化して、DeFiでお金を借りてローンを組んで買うということが起きていくことでしょう。実際に、それに取り組んでいるLabs Groupというプロジェクトがあります。

また、2021年は伝統的な金融会社とDeFiとの連携が増えていくのではないかと思います。2020年はDeFiプロジェクトが乱立していましたが、色々なアイデアが出てきた時期だったと思います。なので、2021年はそれらが洗練されていくと思います。

私は、DeFiに対しては基本的にポジティブでしかないです。これからは、伝統的な金融企業と提携していきたいですね。

DeFiの普及に必要なこと

加藤:DeFiは、金融の長い歴史から見るとまだ始まったばかりです。DeFiが普及するためには、何が必要だと思いますか?

Lilith:これは、間違いなく教育ですね。Aaveだと、ガバナンスのフォーラムの中にLearning Centerがあります。その中でDeFiを勉強したい人やDeFiを使いたい人は勉強することができます。

あとは、中国語になりますが、みんなが分かりやすい説明ビデオを作る予定です。学んで実際に利用して、良いところがあったらみんながフォローしてくれると思っています。

今後の意気込み

加藤:最後に、記事を読んでいる人に対して伝えたいことがあったらよろしくお願いします。

Lilith:DeFiが発展したら、新しい領域のサービスが生まれると思います。私は、DeFiは根本的なサービスになっているのが良いと考えています。ですので、これからどんどん定着していくと思います。

AaveのTVLが世界上位に位置していることからも、プロジェクトについては自信があります。今は良い循環が生まれていると思っています。ですので、これからのAaveに是非とも期待してください。

私は、もっと日本の皆さんにもAaveについて知っていただきたいと思っているので、一緒にAaveに関わりたい、興味があるという方からのご連絡をお待ちしております。

Lilith氏のTwitter:@LilithLiJapan(英語、日本語、中国語可)

Aaveに関する情報

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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