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マルチチェーンDEXアグリゲーター Rango Exchange の解説

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Rango Exchangeの概要

Rango Exchangeは、マルチチェーン対応の分散型DEXアグリゲーターです。Rango Exchangeにより、ユーザーはマルチチェーン間の経路を一切気にすることなしに、あらゆる資産交換を実現することができるようになります。

これまでのDEXは、基本的に同一チェーンにおける資産のみを交換するようになっていました。チェーンをまたぐ交換を行うためにはブリッジを併用する必要があり、そのたびに利用するDEXやブリッジを切り替えたりと、仮想通貨を扱う上級者ですら非常に煩雑な手順を踏まなければいけませんでした。

Rango Exchangeは、この煩雑な状況を解決するためのDEXアグリデーターを提供します。ユーザーが気にするのは、交換元と交換先の資産をサポートするウォレットとGASだけです。Rango Exchangeは、既に27チェーン以上の資産が扱えるようになっており、チェーンをまたいだ資産交換が各チェーンのDEXアグリゲーターやブリッジを組み合わせることによって実現されます。また、交換のためのルートは自動的に決まるようになっています。

Rango Exchangeの動作例

例えば、Binance Smart Chan上にBNBを持っていて、OsmosisチェーンのAKHを購入したい場合、Rango Exchangeでは以下の動きをします。

  1. 1inchを使ってBNBをUSTに交換する。
  2. Terra Bridgeを使って、USTをTerraにブリッジする。
  3. Osmosisを使って、USTをOsmosisチェーンへIBCで転送する。
  4. Osmosisを使って、USTをAKTに交換する。
  5. Osmosisを使って、AKTをAkashチェーンへIBCで転送する。

整理すると、以下のようなルートになります。

 

BNBからAKTへの交換例

実際に交換するには、予め途中経路に対応したウォレットとすべて接続しておきます。各チェーンの交換フェーズになると、Rango Exchangeでウォレットの接続先チェーンを切り替える指示が表示されます。そして、指示に応じてトランザクションを承認していきます。また、途中経路のチェーンのGASをすべて確保しておく必要があります。

Rango Exchangeの特徴

チェーンを気にせず交換経路が自動決定される

Rango Exchangeは、2つの異なるブロックチェーン間での資産の交換に対応しています。例えば、今までであれば難しかった、以下のような交換が可能になります。

  • mTSLA (on Terra) <-> ONE (on Harmony)
  • CAKE (on BSC) <-> MATIC (on Polygon)
  • JPYC (on Polygon) <-> BTC (Native)

例は、JPYC(on Polygon)をネイティブBTCに交換する場合の画面です。実際に交換で使われるルートが、チェーンごとに表示され、それぞれの交換で要するGASと概算時間が表示されるようになっています。また、例ではGASが高額なEthereumのルートを挟むため、表示で本当に実行してよいか念押しで確認するようになっています。

JPYCからBTCへの交換例

上記はほんの一例になりますが、交換したい資産の組み合わせにより、必ずしも交換ルートが存在するわけではありません。また、途中経路で流動性が不足している場合は、警告が表示されるようになります。

対応チェーン・ウォレットが多い

Rango Exchangeは、複数のブロックチェーン及びそのウォレットやDEX、ブリッジに対応しています。対応状況は随時公開しており、詳細は「Change Logs」から確認することができるようになっています。

2022年2月20日現在、Rango Exchangeは以下に対応しています。これらで扱われる資産に関しては、チェーンを関係なしに交換を行うことができるようになっています。

チェーン:

Rangoが対応するチェーン

上記に加え、Arbitrum, Fantom, Sifchain, Avalanche, Crypto.org, Persistence, Sentinel, Iris, Regenに対応しています。

ウォレット:

Rangoが対応するウォレット

DEXとブリッジ:

Rangoが対応するDEXとブリッジ

Binance Bridgeは、中央集権的なルートであるため、Rango Exchange v0.95で廃止されました。また、この他に、Multichain(旧AnySwap)やSushiswap, Paraswapなどに対応しています。

また、今後さらに多くのチェーンに対応しています。ロードマップによると、以下の対応が予定されています。2022年Q4以降は、その時のトレンドのプロトコルやウォレットをサポートする予定になっています。

2021年Q4 2022年Q1 2022年Q2 2022年Q3
統合 ・Pangolin&Trader Joe (AVAX)
・SushiSwap
・Gravity DEX
・Sifchain
・Fantom
・Wormhole&その他ブリッジ
・Solana DEX (Raydium, Saber等)
・Arbitrum
・ZkRollups
・Optimism
・xDai
・Hop Protocol
・Polkadot
・Kusama
・Near
・Tron
・Doge
・Connext
・Synapse
・Celer Network
・Composable (Mosaic)
・Cardano
・Occam
・Sundae Swap
・Moonbeam
・Juno
ウォレット ・WalletConnect ・Phantom
・Sollet
・Polkadot{.js}
・Near
・Ledger&その他HWウォレット
・Daedalus
・Yoroi

RANGOトークン

RANGOトークンは、Rango Exchangeにおけるプラットフォームトークンで、Terra上で発行されます。2022年2月15日時点、RANGOは発行されておらず、2022年Q1にIDOが予定されています。

RANGOトークンの用途

ホワイトペーパーでは、RANGOはプロトコルのガバナンスだけではなく、利用推進のためのインセンティブにも利用されます。2022年2月15日時点、Rango Exchangeは、過去にトレードキャンペーンを実施し、またアフィリエイトキャンペーンを実施しています。キャンペーンの入賞者にRANGOがエアドロップされる予定です。

また、RANGOを取引手数料として利用することで、GASを購入することができる予定です。例えば、BSCを経由してTerraでネイティブのBitcoinをUSTに交換したい場合、それぞれのチェーンのGASとしてBNBやLUNAが必要になります。RANGOを使うことで、少量のBNBやLUNAを取得することができるようになります。

RANGOトークンの配布

RANGOトークンは、100,000,000 RANGOが発行され、以下のように配布されます。

  • 20%:チーム(1年にわたり分割配布)
  • 15%:プライベートセール投資家(1年にわたり分割配布)
  • 10%:IDO(ロックはIDOプラットフォーム次第)
  • 1%(最大):アドバイザー
  • 5%:初年度のエアドロップ
  • 5%:流動性プロバイダー(TerraswapまたはAstroport)
  • 44%:コミュニティファンド、成長インセンティブ

Rango Exchangeに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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