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Shade Protocol(SHADE)の解説

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Shade Protocol(SHADE)の概要

Shade Protocolは、Secret Network上に構築されたDeFiプロダクト群です。匿名ステーブルコイン「Silk(SILK)」、分散型資産管理DAO「Synthesis」、合成資産プロトコル「Shade Synthetics」で構成されています。

Shade Protocolを知る前に、その土台となるLayer1ブロックチェーンであるSecret Networkについて知っておく必要があります。Secret Networkは、Cosmos SDKをべースに作られ、IBC(Cosmos Inter-Blockchain Communication)を利用することにより、IBCに接続するブロックチェーンとスムーズにやり取りを行うことができます。そして、最も重要なのがSecret Networkがプライバシー保護をすることができるブロックチェーン、いわゆる匿名ブロックチェーンであるということです。Secret Networkにおける計算は、ノードのCPU上にあるTEE(Trusted Execution Environment)と呼ばれる領域で実行されます。これにより、外部から計算結果が参照不可になり、プライバシーが守られます。

Shade Protocolは、プライバシーを守るということができるというSecret Networkの特性を利用して、今まで不可能だったDeFi上のプライバシーを実現します。例えば、匿名ステーブルコインのSILKを利用することにより、取引に使ったアドレスや取引数量を秘密にしておくことができます。

Shade Protocolのプロダクト群

匿名ステーブルコイン「Silk(SILK)」

Silk

Silk(シンボル: SILK)は、Secret Network上で実行することにより、取引のプライバシーを保護することができる匿名ステーブルコインです。アルゴリズムにより 1 SILK = 1 USD(厳密には、USDT)の価値を保ちます。SILKの取引内容は、通常であれば第三者が見ることができませんが、アドレス所有者が表示キー(Viewing Key)を使用することにより、その内容を開示することができます。

SILKに発行に関わる仕組みには、4つのオプションがあります。

  1. 1 USD分のsSCRTをDAOに入金し、1 SILK を発行
  2. 1 USD分のsSCRTをDAOに入金し、1 USD分の SHADE*1 を発行
  3. 1 USD分のSHADEをバーンし、1 SILK を発行
  4. 1 SILKをバーンし、1 USD分の SHADE を発行

*1 SHADEとは、Shade Protocolのガバナンストークンです。

これらの4つのオプションを用い、Silkでは1 SILK = 1 USDを維持します。例えば、1 SILK = 1.02 USDになっている場合、上記の3を行うことでSILKの供給量を増やし、1 SILK = 1.00 USDに収束させます。逆に 1 SILK = 0.98 USDになっている場合、上記の4を行うことでSILKの供給量を減らし、1 SILK = 1.00 USDに収束させます。

Shade Protocol: Silkの発行

分散型資産管理DAO「Synthesis」

Synthesisは、Shade Protocol上の分散型資産管理を行うDAOです。前述するSILK発行等の用途に利用します。

Shade Protocol上でバーンされなかった資産は、合成され、Synthesisのバランスシートのシークレットコントラクトに送られます。バランスシートは以下のようになり、これらの資金はShade Protocolのガバナンスによって管理されます。

トークン 数量 価値
sSCRT 2,300,000 $6,900,000
sETH 800 $1,600,000
Shade 150,000 $6,000,000
Silk 4,500,000 $4,500,000
USDT 500,000 $500,000
合計値 N/A ~$55,000,000

ガバナンストークンのSHADEを配当用のコントラクトにステーキングすることにより、ユーザーはSynthesisのバランスシートや様々な活動(流動性提供、ステーキング、配当の分配)から配当を得ることができます。ステーキングを解除しても、すぐにSHADEが自由に送金できるわけではなく、90日間のアンボンディング期間を経る必要があります。これにより、SHADEトークンの価値が安定することが期待されています。

合成資産プロトコル「Shade Synthetics」

Shade Syntheticsは、Shade Protocolにおける合成資産プロトコルで、UMAMirrorの匿名版に相当します。最大の特徴は、Secret Networkによりプライバシー保護された合成資産を扱うことができる点です。発行される合成資産は、匿名トークンの規格であるSNIP-20が採用され、発行やガバナンス、オラクル、ステークは匿名計算を行うことができるシークレットコントラクトで実行されます。

Shade Syntheticsでは、分散型オラクルのBand Protocolを使用することにより、現実世界の資産にペグした合成資産を、プライバシーを保護したまま発行することができます。現実世界の資産は、S&P500, NASDAQ指数、金、銀、Bitcoin, Ethereum、その他コミュニティが希望したものまでを具体的なターゲットにしています。

合成資産を発行する仕組みは、前述のSilkと似ています。SilkではSILKとSHADEを利用して価格を調整していましたが、Shade Syntheticsでは合成資産とスタビライザートークンを利用して価格を調整します。以下の図は、合成資産S-Teslaとスタビライザートークンs-Teslaを利用した例です。

Shade Protocol: 合成資産の発行(例: S-Tesla))

SHADEトークン

Shade Protocolにおいて、SHADEトークンが発行されます。SHADEは、トレジャリー、ユーティリティー、アービトラージ、ガバナンスとして機能するものになり、本記事作成時点(2021年10月31日)で、詳細は公開されていません。

Shade Protocolに関する情報

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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