インタビュー

DAOLaunch 今山朔郎氏 インタビュー 第1部 – ベンチャーキャピタルの分散化という人類未踏の試みをする背景

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ブロックチェーンプロジェクトによる資金調達方法は、ICOのイノベーションから始まり、IEO, IDOなど様々な方法が試みられています。しかし、いずれの方法も透明性が高いわけではなく、ベンチャーキャピタルと一般投資家の間における不平等が存在しています。

DAOLaunchは、これらの課題にアプローチし、より多くのプロジェクトが分散型の仕組みを使ってクラウドファンディングができるローンチパッドを展開します。今回は、DAOLaunchのCo-Founder & CEOの今山朔郎(Sakuro Imayama)氏に、プロジェクトの立ち上げ経緯や、今後の展開について伺いました。

本インタビューは、全部で4部構成になっています。第1部では「VCの分散化」という人類未踏の試みを行うDAOLaunchの立ち上げ背景を中心に伺っていきます。

第1部 – ベンチャーキャピタルの分散化という人類未踏の試みをする背景

Co-Founder & CEO – 今山朔郎氏の自己紹介

加藤:最初に今山さんについて教えてください。プロフィールを拝見すると、暗号資産との関わりが2015年からと、この業界としては長いようですね。今までどのようなことしてきたのでしょうか?

今山:僕の業界への参入経緯は、インターネットの記事でビットコインのビザンチン将軍問題の記事を読んで、興味を持ったのがきっかけです。以前は日本の会社に務めていましたが、これからビットコインが来るなと思ってすぐに会社を辞めました。それからは、ブロックチェーン業界一本で仕事をしています。

もともと、僕はトレードやチャートを見るのが好きで、当時はトレードシステムを作成したり、取引所間で大きな価格差が生じていたのでアービトラージツールを作成したりしていました。暗号資産は知れば知るほど面白く、どんどんこの世界にのめり込んでいきました。

加藤:スパッと会社をやめて暗号資産の世界にベットしたのですね。何か確信できるものがあったのでしょうか?

今山:僕がただ単純に思い切りが良く、いつもスパッと決めるクセがありました。暗号資産が凄く面白そうだなと思い、実際にやってみたら、お金が稼げたところがやはり大きかったです。

そして、お金だけではなく、知識面もとても魅力的でした。ブロックチェーンは内容や思想が難しいものですが、どんどん勉強していくとわかるようになったり、業界で活躍しているもっと賢い人たちについて知りたいなと思うようになりました。

ブロックチェーンをやっている人たちは、まったく何もないところから世界を変えるという思想でやっていて、実際に変えている人たちがものすごくいます。なにしろ夢があるので、僕自身もそこにフルコミットで頑張っていきたいと思っています。

加藤:確かに夢がある業界だなと、私自身も周りを見ていると感じます。

DAOLaunchの立ち上げ背景

加藤:DAOLaunchの立ち上げ経緯はどのようなものだったのでしょうか?

今山:2020年10月からDeFiやIDOという新しいトレンドが生まれ始め、誰でも自由に、DEXに自身で作成したトークンを上場するトレンドが生まれました。そこで、面白いスタートアップが次々と登場していき、僕はまだ上場していないプロジェクトへのスタートアップ投資を考え始めました。

IDOのローンチパッドのトレンドは、PolkastarterとDuckDAOから始まったものです。これらの基本的なスタイルは、ブロックチェーン業界で有名なベンチャーキャピタル(以下、VCと表記)たちがプライベートセールなどに資本を入れ、ホワイトリストと称して少ない枠を一般投資家が奪い合うというものです。

彼らがうまく行きだしたのは、ROIが良いプロジェクトが出始めたからですが、そこに僕らが投資しようとしても他のVCが既に投資していて、僕らは入れないわけです。なので、純粋に考えて、他のVCと同じくプライベートで資金が流入するタイミングで入れなければ、儲かりにくいですよね。その時点で一般投資家と優位性が違うので。

IDOが広がっている分野のスタートアップとして、自分たちがどうすればよいかと思ったときに、VCの立場にならないと儲からないと思いました。だから、初めは暗号資産VCとして自身をブランディングすることを考えました。

一方で、VCがクローズドで安い単価でトークンを取得して、一般投資家に対して高く売るような手法に対して文句を言っている人がかなり多いと。ここがフェアではないです。

ブロックチェーンというのは金融ビジネスの自由化じゃないですか。でも、そこの部分がまだ分散化していません。そこを分散化して、民主化するための方法には間違いなく需要があるわけです。DAOLaunchは、その部分にアプローチします。この分野は、実際に需要があって、僕ら以外にも色々なアプローチをとっている人たちがいます。

IDOの世界にいくつか方法があるにせよ、いずれも主流はVCがいて、一般投資家に高く売りつけるという構図は変わってないです。基本的に、それらのVCファンドが民主化していないので、民主化して自由競争化できれば、受け入れられるだろうなというのがDAOLaunchの動機の一つです。

そして、アプローチの方法は、世界中のあらゆる投資家が、まるで自身をVCのように投資家として自由にブランディング化でき、有利な投資条件をオンチェーンで交渉できるようなプラットフォームを作ったらバズるのではないかと思います。

フェアローンチやロックロドップなど、より民主的な手法をとっているところがありますが、それらが現実的なのかという話になったときに、それで上手くいっている例というのはまあまあ少ないです。株式で資金を受け取っていて、トークン分だけフェアローンチするとか、どこかに民主化するための壁があります。結局のところ、フェアローンチと言っているのはブロックチェーンの人たちが小さく盛り上がっていて、広がるイメージが湧いてきません。

その間違いない理由として、僕の経験があります。僕がVCの人にアプローチすると、彼らは資本以外に、マーケティングやコネクションなどの、資本以外の要素を提供してくれます。やはり、彼らがいたからこそ、スタートアップが成功できるという要素は大きいです。資本と同じくらい、資本と同じ以上に大切なことです。結局、名前も知らない一般投資家にそれを期待するのは現実的ではないと。だから、資金調達方法が民主化しないということになるわけです。

そのため、今のVCのビジネスモデルを考えなければいけないとなりました。彼らがどのようにしているのかというと、自分たちのポートフォリオがあって「これだけ儲かりました」「こんなネットワークがあります」「自分とつながったらこんなメリットがあります」という形で投資家としてのブランディングをしていきます。そのような実績をもとに資本を入れるのがVCの世界なわけです。実績があるからこそ、有利な条件を交渉することができます。

もし、これらをオンチェーンに落としたら、資金調達の世界が民主化できるのではないかと考えました。この考えが、DAOLaunchの根幹になります。

加藤:VCの立場のようになることを考えていたら、VCを民主化するという答えに行き着いたのはなかなかおもしろいですね。

今山:僕らは、最近IDOを発表したばかりなので「セールのトークンアロケーションをください。色々な人たちが投資に参加できるプラットフォームなのに、どうして自分たちの資金調達はIDOで参加者が限られるのですか?」という人たちがいるのですが、いやいや僕らはフェアローンチと違うんだと!

スタートアップが成功するためには、投資家に貢献や実績ベースで優位な条件を与えていくということをしていくことになります。最も現実的なスタートアップの成功を考えると、能力に応じてアロケーションを与えていくということですね。DAO Launchでは、それをオンチェーンでやります。

DAOLaunchのチームは、開発チームがベトナム、マーケティングチームがイギリス、ドバイ、南アフリカ、そして最近はインドからの採用者がいます。また、VC出身のメンバーが何人かいます。特段ブロックチェーンだからインターナショナルなチームであるべきということを意識しているわけではありませんが、全員が色々な国にいて、それぞれのバックグラウンドが違うことは確実にリスクヘッジになると思います。人間である限り、人それぞれのバイアスが生まれますから。

僕自身、若い時期にバックパッカーとして色々な国で働いていたこともあり、アラスカでタクシー運転手をしていた経験もあります(笑)そういうのが、海外VCなどに英語でビジネスプレゼンをする上で少しは役に立っています。優秀な人であればもちろん国を問わず採用します。そして、一番大事なことはパッションを共有できるかどうかです。

第2部へのつなぎ

第1部では、今山氏の経歴とともに、DAOLaunchを立ち上げるに至った背景を伺いました。

第2部では、プロジェクトの資金調達を民主化するために、DAOLaunchがどのような機能を実装しているかを具体的に注目していきます!

▼第2部はこちら

DAOLaunch 今山朔郎氏 インタビュー 第2部 - DAOLaunchはどのようなプロジェクトか
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DAOLaunchについて

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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