Zama Protocol (ZAMA) とは？ ~次世代の暗号化FHEを利用したWeb3のプライバシープロトコル

Zama Protocolの概要

Zama Protocol（正式名：Confidential Blockchain Protocol、以下Zama）は、既存のブロックチェーン上に高度なプライバシー機能を実装するためのオープンソース・プロトコルです。ブロックチェーンにおけるプライバシー技術としては、ゼロ知識証明（ZK）やマルチパーティ計算（MPC）、信頼実行環境（TEE）などが主流ですが、Zamaはこれらとは異なる「完全準同型暗号（Fully Homomorphic Encryption、FHE）」を採用している点が最大の特徴です。

従来の暗号化方式では、計算やデータ処理を行うために一度暗号を解除（復号化）する必要があり、その処理過程における情報漏洩リスクが課題でした。しかしFHEは「暗号化したまま計算処理を行う」ことができる画期的な技術であり、復号化という脆弱なプロセスを経ることなく、データの機密性を数学的に保証したまま処理を完結させることができます。

このFHEの特性により、Zamaは「過度な透明性」が障壁となっていた領域に対してブロックチェーンのユースケースをもたらします。現実社会の商取引においては「機密性」が前提となるのが一般的ですが、Zamaを利用することで、機密性の高い決済、RWA（現実資産）のトークン化、ブラインドオークション、DID（分散型ID）/VC（検証可能な認証情報）、そしてプライバシーを保ったガバナンスなど、実需に即したユースケースが実現可能になります。

アーキテクチャの観点では、Zama自体はレイヤー1やレイヤー2といったブロックチェーンそのものではなく、Ethereumなどの既存チェーンにプライバシー機能を提供するソリューションとして位置づけられます。具体的には「FHEVM」という環境を提供しており、開発者はSolidityなどのEVMコードをそのまま利用しながら、データを暗号化して処理させることができます。これにより、開発者は既存の知識や資産を活かしたまま、アプリケーションに容易に機密性を付与することが可能です。さらにZamaはEthereumだけでなくSolanaへの拡張も計画しており、将来的にはSVM（Solana Virtual Machine）環境においても同様の機密性確保を目指しています。

Zamaは、2025年12月時点でネイティブトークンの$ZAMAはローンチされておらず、2026年1月のトークンローンチが予定されています。

ZamaのFHE vs その他の仕組み

Zama Protocolでは、FHEの他に、ゼロ知識証明（ZK）やマルチパーティ計算（MPC）を組み合わせることで、これまでの機密性ソリューションにはない優れた特性を発揮します。以下は、その特徴です：

Zama Protocol のトークン $ZAMA

Zama Protocolでは、$ZAMAトークンが発行されます。

$ZAMAの用途：

• プロトコル料金：暗号化された入力の検証、暗号文の復号化、暗号文のブリッジの料金（ドル建てで請求）
• ステーキング報酬：オペレーター（シーケンサー、コプロセッサ、KMSノード）への報酬支払い

2025年12月時点で$ZAMAはローンチされておらず、2026年1月を予定しています。

Zama Protocol に関する情報

• Zama Protocol Webページ
• Zama X
• Zama Telegram
• Zama Discord