暗号資産取引所は、常に新しい取引所が登場し続け、また淘汰も続く非常に競争が激しい分野になっています。
その中でも、香港に拠点を置くAAXは、ここ最近大きく存在感を増しています。今回は、AAXについて、数ある取引所の中で、どのような部分が顧客に支持されているのかを紹介していきます。
AAXの概要
AAXは、Thor Chan氏が率いる2018年に設立された暗号資産取引所です。
クレジットカードによる暗号資産の購入や、現物や無期限先物の取引、OTCといった取引所の基本的な機能が提供される他、日本でもよく知られた主要な暗号資産に対応した貯蓄商品が提供されています。
もともと、AAXは機関投資家の利用を視野に入れており、システムには、ロンドン証券取引所グループの技術企業であるLSEG Technologyが開発したマッチングエンジンが搭載されています。これにより、安定して低遅延なマッチングを行うことができ、機関投資家や高頻度取引を行う個人ユーザーの需要に対応します。
また、取引所の信頼性を築くために、暗号資産に関するセキュリティであるCryptoCurrency Security Standard(CCSS)に準拠し、第三者から見た場合のセキュリティレベルを担保しています。さらに、反社会勢力対策やアンチマネーロンダリング、不正取引などへの対策として、専門の第三者機関をパートナーに加えています。
AAXは、他社の取引所と比べて派手さが抑えられている一方で、信頼できない取引所が未だに数多く存在しているブロックチェーン業界において、信頼性を最重要視する独自の立ち位置を確立しています。
詳細などに関しては、今のAMA動画よりご覧いただけます。
AAXの特徴
ロンドン証券所のマッチングエンジンを採用
AAXは、ロンドン証券取引所グループの技術企業であるLSEG Technologyのマッチングエンジンを使用しています。これは、ロンドン証券取引所でも採用実績がある低遅延のマッチングエンジンになります。
マッチングエンジン自体は、単純に売り手と買い手の注文をマッチングさせるためのソフトウェアですが、その品質は取引おいて極めて重要になります。もし、マッチングエンジン品質が悪いと、注文のマッチングが遅れ、それにより不利な価格で約定することにもつながります。特に高頻度で取引するトレーダーは、この積み重ねが利益の差となって現れることになります。
また、AAXでは機関投資家の利用も前提をしているため、彼らに安定して取引できることを示す必要があります。そのためにも、実績があるマッチングエンジンを採用することを重要視しており、取引所の謳い文句にもLSEG Technologyのマッチングエンジンが登場しています。
セキュリティにおいてCCSSに準拠
多くの取引所が、自社の取引所についてセキュリティが高いと謳います。しかし、明確な基準に基づかずに主張している場合も多く、実際のところは、外部から見て本当にセキュリティが高いのかは判らないものです。
AAXでは、セキュリティの基準として CryptoCurrency Security Standard(CCSS)に準拠しています。CCSSは、取引所を含む暗号資産を利用するすべての情報システムの要件として定義されており、他の情報セキュリティ規格であるISO 27001:2013を補完する規格になっています。暗号資産管理と運用面で合計10の項目があり、レベル3までのランク分けで評価されるようになっています。
また、セキュリティアドバイザーにKroll社を起用しています。Kroll社は、世界順の金融機関やインターネット企業、行政などにサイバーセキュリティのソリューションを提供しています。その中でも、AAXはセキュリティ業界で25年という豊富な経験を有しているPaul Jackson氏が率いるチームによるサポートを受けています。
SLA(サービス品質保証)が厳しい
多くの暗号資産取引所は、メンテナンスでサービスを止めることが少なくなく、最悪の場合メンテナンス時に注文を全てキャンセルされ、メンテナンス中の価格変動で大きな被害を被ることがあります。特に、暗号資産は24時間365日の取引が続いているため、サービスが途切れないことは非常に重要なことです。
AAXでは、SLAとして99.999%の可用性を定めています。これは、1年に約5分の停止を許容する大変厳しい基準になります。これにより、一瞬のシステム停止が致命的な損失につながる大口投資家でも安心して取引ができるようになっています。
上場審査が厳しい
暗号資産取引所は、実際に世界に幾つ存在しているか、もはや誰にもわからない程に多く、CoinMarketCapに掲載されているものだけでも321件にのぼります(2020年9月27日現在)。それだけ多くの取引所があると、詐欺的なプロジェクトを上場させる取引所も少なくなく、それらは最終的に投資家の損という形で跳ね返ってきます。
上場審査面について、AAXは、他の大手取引所よりも遥かに厳しい基準を設けています。プロジェクトの事業計画を見るのはもちろんのこと、トークン流動性があるか、そしてチームのバッググラウドからメンバーの過去など、競合他社以上に厳しく審査を行います。
そのため、AAXにおける取引ペアのラインナップは決して多くないものの、投資家にとってより確実な暗号資産で運用できる場が提供されます。
取引所の信頼性確保のためのパートナーシップを構築
AAXでは前述の他に、以下のパートナーシップを構築しています。
- Refinitiv:登録されたユーザーをグローバルウォッチリストに照らして監査し、市場に悪意のある人物がいないことを確認する。
- Elliptic:ブロックチェーンのフローを解析し、AAXが世界の規制に合わせられるサポートを行う。
- Solidus Labs:AAXにウォッシュトレードや異常な価格変動がないことを保証するために監視する。
- Copper:取引所間トレード機能を備えたカストディを行う。
いずれも取引所の信頼性を確保するものであり、機関投資家に支持されるための体制を整えています。
情報発信が充実している
これは取引のUI/UXと直結するものではありませんが、AAXは取引所自らの情報発信が充実しています。ニュースや市場考察、調査記事などが配信され、個々の記事は内容が多いものになっています。また、AAXに上場されていない、その時に旬な暗号資産に関しても言及されています。
AAXの取引所トークン AAB
AAXでは、取引所トークンとしてAABを発行しています。合計で5億AABが発行され、毎日取引所のデリバティブ収益の100%を使って買い上げられ、バーンされていきます。バーンは、総発行量の50%になるまで継続します。バーン情報は随時公開され、イーサリアムのトランザクションから確認することができます。
AABを保有することによる主なメリットは、以下の通りです。
- 取引手数料としての利用、最大50%割引
- レンディングによる利息の優遇
- 上位機能やツールへのアクセス
- プレミアムカスタマーサービスを受けられる
AABに関するその他の詳細は、AABの解説ページでご覧ください。
AAXの登録方法
AAXは原則、日本語表示にも対応しているため、登録に関しては特に迷うことはないことでしょう。
ここでは、最低限のセキュリティ設定までの手順をご紹介します。画面はPC版になりますが、モバイルでも表示項目は変わりません。
まず登録ページにアクセスします。表示される画面で、メールアドレスとパスワードを入力し、チェック欄にチェックを入れ「今すぐ登録」をクリックします。
入力したメールアドレスに到着している「Verify your email address」というタイトルのメールを開き、「Verify New」をクリックします。
取引所の画面にて、画面右上にあるプロフィール画面へのリンクより、「ユーザー名」→「セキュリティ設定」をクリックします。
安全に関する警告が表示されるので「Google認証システム」をクリックします。
お手持ちのスマートフォンで「Google Authenticator」や「Authy」をダウンロード後、アプリから画面にあるQRコードをスキャンします。QRコードの画像は安全な場所に保管し、キーはメモするようにします。
その後、下の数字の入力欄に、アプリ上に表示される6桁のコードを入力し「提出」をクリックします。
AAXに関する情報
- AAX公式ページ
- AAX Twitter(英語)
- AAX 日本コミュニティ Twitter(日本語)
- AAX Telegram(英語)
- AAX 日本コミュニティ Telegram(日本語)