Layer2・サイドチェーンプロジェクト解説

Yellow (YELLOW) の解説 –マルチチェーン対応の高速決済ネットワーク

Layer2・サイドチェーン
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Yellowとは?

Yellowは、取引所、ブローカー、機関投資家などのプロフェッショナルな利用を想定した、次世代のクロスチェーン決済インフラです。

最大の特徴は、異なるブロックチェーン同士を接続し、チェーンの垣根や通信遅延を一切感じさせない「即時決済」を実現している点です。その処理能力は秒間数十万件(TPS)に達し、2026年2月現在、Ethereumを含む主要な7種類のブロックチェーンに対応しています。

この圧倒的なパフォーマンスを支えているのが「ステートチャネル」という技術です。これはBitcoinのライトニングネットワークで知られる技術を応用したもので、バケツリレーのようにオフチェーンで資産を移動させ、最終的な結果だけをブロックチェーン(レイヤー1やレイヤー2)に書き込む仕組みです。

プロジェクトへの期待値も高く、Ripple創業者のクリス・ラーセン氏をはじめ、Ethereumのインフラ大手ConsenSys、GSR、Cobo、Gate.ioといった業界の重鎮から累計1,000万ドル以上の資金を調達しており、特にRWA(現実資産)分野の投資家から強い支持を集めています。

ステートチャネルの革新

Yellowは、現在主流となっているロールアップなどのレイヤー2(L2)スケーリングソリューションとは全く異なるアプローチ、「ステートチャネル」を採用しています。

マルチチェーン対応の「Nitrolite プロトコル」

Yellowでは、ERC-7824(Chain Agnostic State Channel Protocol)を実装した独自の「Nitroliteプロトコル」を使用しています。 Bitcoinのライトニングネットワークと似た仕組みですが、決定的な違いはマルチチェーン対応であることです。従来のステートチャネルが単一チェーン上の高速化に限られていたのに対し、Yellowは異なるチェーン間での高速通信を可能にしました。

資産のルーティング

ステートチャネルが機能するには流動性が不可欠です。流動性提供者がデポジットした資産は、インターネット通信におけるパケットのように扱われます。資産はチャネルを次々と経由して、最終的な宛先へと瞬時に届けられます。 これらの中間取引はすべてオフチェーンで行われ、最終結果のみがオンチェーンに記録されるため、ユーザーはブロックチェーン特有の承認待ち時間に縛られることなく決済を完了できます。

処理プロセスとシンプルさ

Yellowが高速である理由は、トランザクションの処理フローが極めてシンプルだからです。

  • 一般的なレイヤー2の場合(4ステップ): トランザクション → シーケンサー → ブロック書き込み → レイヤー1への書き込み
  • Yellowの場合(3ステップ): 署名 → 確認 → 完了

このように工程が少ないため、既存のレイヤー2ソリューションと比較しても低遅延・高スループットを実現しています。

チェーンの壁を消滅させる統合残高

マルチチェーン対応のステートチャネルには、ユーザー体験を劇的に向上させるメリットがあります。それは「チェーンごとの資産管理が不要になる」ことです。

例えば、ユーザーがPolygonから50 USDC、Baseから50 USDC をYellowにデポジットしたとします。Yellow上ではこれらはチェーンの区別なく合計100 USDC の統合残高として扱われます。そして、この100 USDC をArbitrumへまとめて出金することも可能です。 これにより、ユーザーは「どのチェーンにいくらあるか」を気にすることなく、資産をシームレスに運用できるようになります。

機関投資家の需要に対応するプライバシー

ステートチャネルは構造上、匿名性が高いという特徴があります。取引の詳細は当事者間が参照可能であり、すべての履歴がパブリックチェーンに晒されるわけではありません。この特性は、取引の手口や資産規模を秘匿したい大口投資家や機関投資家の需要に合致しています。

YELLOWトークン

Yellowでは、ネイティブトークンとして$YELLOWトークンを利用します。詳細は「$YELLOW Token」から確認できます。2026年2月時点で、まだ$YELLOWの取引はできるようになっていません。

$YELLOWのユーティリティは、以下の通りです。

  • 決済・取引手数料
  • アプリケーションがネットワークを利用するためのデポジット
  • Yellowのツールへのアクセス
  • ブローカーやバリデーター、流動性提供者などのインセンティブ
  • ガスレス取引のためのステーキング
  • ステーキング報酬獲得

Yellowに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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