世間によく流通している仮想通貨で、法定通貨とレートが連動するものは米ドルと連動するTether(シンボル:USDT)がよく知られています。
日本円と連動するものでは、現在社会実験中のZenがありますが、Zaifでしか扱われておらず、まだまだ発展途上になります。
そのような中、XJP(シンボル:XJP)という日本円に連動する仮想通貨が登場していたのでご紹介します。
XJP概要
[the_ad id=”7860″]XJPは、レートが日本円と1:1で固定されている仮想通貨になります。原則、1XJP=1円になります。
通常、BTCやETHのような仮想通貨は、円に対して大きく価格変動をしています。そのため、円を扱うことができない海外の取引所では、暴騰時の利益確定手段、暴落時の損切としての退避先がありませんでした。
XJPでは、レートが円と1:1で固定されているため、万が一の時に迅速なデジタル資産の退避先として利用することができます。
どのようにレートが維持されるのか?
現在XJPの発行は、シンガポールにあるAngo社により行われます。Ango社が保有する資本準備金の日本円の評価額に応じてXJPが発行されます。発行量は、日本円評価額:XJP=1:1になります。
取引所においては、当然XJPが売買されるため、大量に売られたり変われたりするとXJPの価格が変動する可能性があります。そのため、Ango社が相対となりXJPの価格が1円になるようにマーケットメイクを行います。
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XJPの使い方
原則、XJPのレートは 1XJP=1円 となるため、他の仮想通貨のようにXJP自体を保有して価格上昇のタイミングを伺うということはできません。
最も使われ得る方法としては、以下の2パターンがあります。
- XJP以外の通貨でポジションを取り、利益確定・ロスカットでXJPに替える。
- 相場のボラティリティが大きい場合に、ポジションを取らずに資産をXJPにして待機させておく。
XJPを売買できる取引所
XJPを売買できる取引所は、2018年3月18日時点でGatecoinのみとなっています。
個人的に気になっていることがあったのでプロジェクトのチームメンバーに問い合わせたところ、現在は試験運用段階であり敢えて規模が小さい取引所のみに上場しているとのことでした。
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不明点が多く使うには課題あり
上記が、お伝えしたXJPに関するほぼすべてのことになります。
ただし、XJPは使うにはまだまだ不明な点が多いというのが、調べていて率直なところでした。
既存の通貨と連動する仮想通貨と同様に、XJPの最も重要なポイントは「果たしてXJPが日本円と連動する価値を持つだけの根拠は何か?」ということに尽きます。
例えば、最も透明性の高いとされるドル連動のTrueUSD(TUSD)では、以下の対策を行い、1 USD=1 ドルの価値を担保しています。
- 顧客が預けたドル資産は、TUSDの信託機関で分別管理され、TUSDの運営側が使用できないようになっている。
- 顧客が預けたドル資産には定期的な監査が入る。
XJPでは上記のような仕組みがなく、また現在はAngo社の資本準備金が開示されていないため、どれだけのXJPが発行されたかがわからない状況になっています。
また、現時点でXJPの発行はAngo社の資本準備金のみがベースとなるため、XJPの経済圏が拡大してXJPを追加発行する場合の考慮がなされていません。XJPの経済圏を拡大していくには、第三者が円をAngo社に預けてXJPを追加発行するための仕組みが必要になります。
そのためには、「預けられた円をAngo社に流用されないようにするための分別管理の仕組み」「預けられた円の残高を証明するための第三者が監査する仕組み」を導入する必要があります。
上記より、XJPは本当に試験運用段階であり、まだまだ利用するには値しません。
XJPに関する情報
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