2018年8月9日にEthereum Japanのミートアップイベントが行われました。
そこで講演したプロジェクトの1つであるMetaXのadChainをご紹介します。
adChainが解決する問題
adChainはこれまでのネット広告の問題点を解決します。
これまでのネット広告の問題点
これまでのネット広告では、広告主が最も不利な立場でした。搾取の対象だからです。
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ネット広告は、CPMベースで支払われることが多くあります。CPMとは、Cost per Milleの略で、広告掲載回数1,000回あたりの表示コストになります。
CPMによる支払いの場合、広告の表示回数が多ければ多いほど広告主に請求される額が大きくなります。
つまり、ボットなどを使い広告表示回数を水増しすることにより、掲載主はより多くの利益を確保することができます。その分、広告主は本来必要ないコストを負担することになります。
広告主にとっては、これは明らかに不利益となります。
ボットは人間のWeb上の挙動を模倣することができるため、広告主側で抜本的な対策はできず、仮にやろうとするとさらに余計なコストがかかるという悪循環に陥ります。
adChainでは、「アドチェーンレジストリ」を用いてこの問題を解決します。
adChainの解決策
アドチェーンレジストリは、Ethereumの特性をうまく利用した解決手段です。
やることはシンプルで、レジストリに登録した掲載主にだけ広告掲載を許可することです。もちろん、レジストリに登録されていない場合は広告掲載ができなくなります。
掲載主の登録可否は、第三者の民主的な投票により決定されます。
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adChainの民主的な投票手段
掲載主が自らのWebページに広告を載せるには、アドチェーンレジストリに自身のWebページのサイトドメインを登録しなければいけません。
それでは掲載主のsite.comがレジストリに登録される例を見ていきましょう。
掲載主がadTokenを支払って、レジストリへの登録申請を出します。
そして、広告主などの別の人物もadTokenをデポジットして、申請者に広告を表示させても良いかを投票します。
投票が終わり、サイトドメインがレジストリに登録されると、掲載主が支払ったadTokenはシステムにより回収され、それが投票の参加者に配分されます。また、投票のためにデポジットしたadTokenが返却されます。
しかし、掲載主は永遠にレジストリに登録されたままになっているわけではありません。時が経ち、掲載主のサイトドメインが他人の手にわたり、質の低いサイトドメインになってしまう可能性があるからです。
そのため、掲載主はレジストリへの登録期間が失効する前に更新申請を出し、再度投票を求める必要があります。
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このようにして、レジストリに登録されている掲載主の質を維持することができるようになります。
ちなみに、レジストリの登録状況は以下のような画面で確認することができます。どのサイトドメインが投票中になっているのか、登録されているのかが一目でわかるようになります。
この画面は誰でも見ることができます。詳しくは、adChain PUBLISHER REGISTRYのページをご覧ください。
前述のように、adChainは民主的な投票により広告掲載を許可する掲載主を決めることができるようになります。掲載主が広告掲載を希望するのであれば、掲載主はレジストリに登録されるように不正がない行動をとることが合理的ともいます。
しかし、上記は理想論になります。
現状はadChainを使う必然性が薄く、広告から入ってくる利益を不正を犯してまで上げたい場合は、従来からの中央集権型の広告配信システムを使っていれば事足りてしまいます。しかも、掲載主がadChainのトークンを保有している必要があり、導入のハードルがあります。
そのため、adChainの成功のカギは、従来の中央集権型の広告配信システムを上回るだけの魅力がないと厳しいと思われます。
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adToken (ADT)の入手先
adChainは既に稼働しており、adToken (ADT)は仮想通貨取引所から入手することができます。
現在ADTを売買できる取引所は、以下の通りです。括弧は通貨ペアで採用されている通貨です。
2018年8月11日時点で、UpbitがADTの売買全体の96.39%を占める状態です。Upbitは日本の居住者が登録できないため、Bittrexしか選択肢がありません。
日本居住者にとって、ADTの売買は十分満足できる水準でできないのが現状です。
adChainに関する情報
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