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NASDAQが技術提供している取引所 DX.Exchange の「DX 東京ミートアップ」レポート

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2018年で多くの人が湧いたICOといえば、DX.Exchangeを思いかべる人も多いことでしょう。

DX.Exchangeは、米国の証券取引所であるNASDAQが技術提供しているということで話題になりました。実際は話に尾ひれがついて、NASDAQそのものが仮想通貨取引所に参入しているような煽り方をする人まで現れたほどです。

そんなDX.Exchangeですが、2019年1月28日に東京でミートアップを開催したので、その模様を取材してきました。

ミートアップの会場の様子

ミートアップの会場の様子

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DX.Exchangeとは

DX.Exchangeはイスラエルのテルアビブに本拠地を置く仮想通貨取引所です。

エストニアにライセンスを持ち、機関投資家が使うことを前提に設計されています。仮想通貨の他に、株式をトークン化したデジタルストックを取引することができます。この他に、バニラオプションやレバレッジ取引ができるようになります。

DX.Exchangeは、米国の証券取引所であるNASDAQがマッチングエンジンの技術提供をしていることで話題になりました。

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DX 東京ミートアップ レポート

ミートアップはCo-Founder & CEOのDaniel Skowronski氏と、Asia Pacific DirectorのRyuji Shimizu氏の通訳により進められました。

DX.ExchangeのDaniel氏とShimizu氏

DX.ExchangeのDaniel Skowronski氏(左)とRyuji Shimizu氏(右)

DX.Exchangeのローンチ経緯

DX.Exchange(以下、DX)は、2019年1月7日にソフトローンチをして、仮想通貨とデジタルストックの売買を開始しました。

DXはNASDAQとパートナーシップを結んでいて、NASDAQのマッチングエンジンを使って取引所を運営しています。さらに、ブルームバーグと提携して世界に発信していく体制を構築しています。

はじめにDaniel氏は、参加者に向かってオープンが遅れたことを謝罪しました。

遅れた理由は、他の取引所と差別化を行うためだったといいます。既存の取引所と完全に競合しないように、自分たちがフィンテック企業として活躍できる取引所どうやっやら実現できるかを模索していたといいます。

DX.Exchaneの概要

DX.Exchaneの概要

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デジタルストック

DXは、新しい金融商品としてデジタルストックを売買できるようにしました。これがDXと他取引所との明確な差別点になります。

デジタルストックとは、NASDAQの上位取引銘柄をERC20規格でトークン化するものになります。デジタルストックは株式がトークン化されたものなので、株式と同等の価値を持ちます。

デジタルストックのアイデアが出てきたのは昨年の8月20日だったそうです。DXのライセンスはヨーロッパの認可ですが、株式をトークン化して仮想通貨取引所で売買できるようにするのは問題なかったそうです。

DXでは、株式をデジタルストックにするためにMPSというパートナー企業を利用します。MPSの会社のライセンスで証券を購入し、それを証券化し、ブロックチェーン上で取引できるようにします。

デジタルストックの一番の利点は、株式では必須だった単元以下の取引ができることです。米国株式の場合は、日本と異なり1株単位で購入することができますが、それでも少額投資したい人にとってはハードルになります。デジタルストックではトークン化の恩恵により、0.5株といった1株以下の買い方ができるようになります。

また、仮想通貨取引所における取引になるため、証券取引所の取引時間に依存せず、24時間取引することができます。また、トークンがERC20規格であるため、手持ちのイーサリアムウォレットにデジタルストックを保管することもできるようになり、取引所を経由しなくてもトークンの送信をするだけで他人に譲渡することができます。

デジタルストックの特長

デジタルストックの特長

しかし、誰でもデジタルストックを取引できるわけではなく、ホワイトリスト化したイーサリアムウォレットにしか送信できないようにします。例えば、米国人は利用することが禁じられています。

このようにトークン取引の特性を利用することにより、世界の銀行口座を持つことができない層が株式を保有することができ、しかも少額からその取引に参加することができるようになります。

デジタルストックに関しては世界中で大きな反響になったといいます。

デジタルストックの取引画面例

デジタルストックの取引画面例

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取引所トークン DXCASH

DXでは、取引所トークンとしてDXCASHを発行しました。DXCASHはERC20規格のトークンになります。

DXCASHの供給量は1.8億枚で、プリセールでは4000万枚を販売しました。プリセールのトークン価格は1.5USDで、販売総額は5200万USDになります。

DXCASHの供給状況

DXCASHの供給状況

DXCASHを保有していると、DXのメンバーシップの支払いができるようになります。プリセールでDXCASHを購入した投資家は2月7日からDXを取引できるようになります。

Daniel氏がミートアップ前にDXCASHのトークン価格を確認したところ、2.1USDになっていたそうで、現時点ではICO割れとなっていません。まだDXCASHを持っていない人は、流動性が出てくるであろう2月7日以降に購入すると良いと思うとのことでした。

なお、DXCASHトークンはDXに直接投資してくれた投資家には既に配布済みとのことで、代理店から購入している場合は、代理店に自問い合わせてほしいとのことでした。

DXCASHトークンは、保有すると取引手数料の割引や月額メンバーシップの割引が受けられるようになります。

また、将来的には取引マイニング(FCoinJPやCROSS Exchangeで採用されている仕組み)によるインセンティブ付けも利用しているそうですが、取引マイニングで得られるトークンはセキュリティトークンに分類されるため、まずはライセンスの問題をクリアする必要があるそうです。

この他、今後リワードプログラムを開始していき、それらの支払いにDXCASHを充てられるようにする他、DXに上場するブロックチェーンプロジェクトについてもDXCASH払いに対応させて行きます。

まだアイデアの段階であるものの、デジタルキャッシュをDXCASHのみで買えるようにすることを模索しているそうです。

DXCASHの保有特典

DXCASHの保有特典

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今後の展望

DXは、既にソフトローンチ済みで、2月7日には正式ローンチを控えています。

DXでは2019年Q1にモバイルアプリを提供します。既にiTunesストアにiOS向けアプリを登録済みで、現在は手続き待ちになります。Android向けアプリは間もなくベータ版が終了し、Q1のうちには提供できる見込みになります。

また、現在のデジタルストックはNASDAQの上位10銘柄だけですが、ヨーロッパの上位銘柄も扱っていく予定です。この他、OTCデスクがQ1中に提供される予定です。

2019年Q1にヨーロッパのデジタルストックに対応

2019年Q1:ヨーロッパのデジタルストックに対応

2019年Q2にはデビットカードを提供し、仮想通貨をカードにチャージして買い物ができるようになります。

さらに、デジタルストックが対応する株式市場を増え、香港証券取引所と東京証券取引所で扱われている上位銘柄も売買できるようになります。

またAlipayと提携し、デジタルストックを売却してオンラインの買い物に利用できる手段が提供されます。

2019年Q2にデジタルストックを売却しオンラインでお買い物

2019年Q2:デジタルストックを売却しオンラインでお買い物

2019年Q3には、レバレッジ取引に対応します。

DXのレバレッジ取引の特徴は、ライセンスに準拠しているということです。DXは、既にエストニアの仮想通貨に関するライセンス(ウォレット取引所)を取得しており、間もなくMTFライセンスも取得予定といいます。

MTFライセンスを取得すると、DXが世界ではじめてMTFライセンスを取得した仮想通貨取引所になります。

これにより、DXでロンドンやドイツの取引所と同等のサービスを提供することができるようになり、法律に準じた仮想通貨のレバレッジ取引をユーザーに提供することができるようになります。レバレッジ取引の倍率は5倍になります。

2019年Q3:レバレッジ取引に対応

2019年Q3:レバレッジ取引に対応

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2019年Q4には、デジタルバンクが提供されるようになります。

現在仮想通貨の世界では、仮想通貨を法定通貨にして引き出すサービスが求められており、デジタルバンクはそのニーズに応えるものとなります。

DXはパートナーに銀行を有しており、KYCが済んだ取引口座を持つと、パートナーの銀行口座も開設されるようになります。その銀行口座から法定通貨を送金することができるようになります。

2019年Q4:デジタルバンクを提供

2019年Q4:デジタルバンクを提供

2020年Q1には、DXは米国のマーケットへ参入します。

まもなく取得できるMTFライセンスで基礎を固め、米国でサービスを提供できるようにします。

また、同時期にバニラオプションを提供します。バニラオプションでは、特定の価格と特定の時間で原資産を購入または売却する権利を提供するものになります。

2020年Q1:バニラオプションの提供

2020年Q1:バニラオプションの提供

そして2020年Q4には、分散型取引所を提供します。

現在はレンディングサービスを提供するプロジェクトのCelsiusSALTと共に、仮想通貨を預けると利息がつけられる仕組みを模索しているといいます。

2020年Q4:分散型取引所のオープン

2020年Q4:分散型取引所のオープン

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質疑応答

Q.プロジェクトの進捗はどう告知してくのでしょうか?

A.公式のメディアやDaniel個人のTwitterを使っていきます。詳細内容はブログで告知されます。

Q.日本の金融庁から警告を受け、Bankeraのように突然日本人の取引ができなくなることはありませんか?

A.その時は金融庁と話しながら、日本の顧客にベストな方法を提供していきたいと思っています。

Q.月間メンバーシップ費用をとると、ユーザーが使わないのではないでしょうか?

A.メンバーシップのアイデアは、世間の仮想通貨熱が熱いときのものでした。ユーザー目線で費用が高いようであれば、今後費用体系を変えていく可能性はありますが、現時点で変えると断言することはできません。既に社内で変える必要があるのではないかという議論をしている段階です。アップデートがあったらお知らせします。

Q.NASDAQが仮想通貨取引所を開始する予定だが、それについてはどう思っていますか?

A.NASDAQとはあくまでもテクノロジーのパートナーであり、サービス面の提携はありません。今はどうなるかわからないので、NASDAQが競合になるかもわかりません。

Q.DXCASHの価格を維持するために、運営が買い支えることはありますか?

A.運営側で買い支えをすることはありません。ライセンスで禁止されています。

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Q.DXから代理店へのDXCASHの配布はいつになりますか?

A.代理店には既にトークン配布をしており、2月6日にユーザーに行き渡るようにお願いをしています。

Q.DXCASHは今はERC20規格ですが、独自ブロックチェーンに移行する予定はありますか?

A.今のところはありません。

Q.JPY建ての取引ペアは今後増えていくのですか?

A.USD建ての取引ペアと同様になるように増やしていきます。

Q.2020年Q4に提供が予定されている分散型取引所は、既存の中央集権型取引所から置き換わるものなのでしょうか?それとも別途用意されるものなのでしょうか?

A.別途用意されます。

Q.取引所のAPIは提供されますか?

A.今の時点ではAPIは提供していませんが、これから提供する予定です。

Q.デジタルストックの価格は株式とどのように連動させているのですか?

A.株式市場がオープンしているときに、マーケットメイカーがそれに合わせて取引して価格を合わせていきます。

DX.Exchangeの公式情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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