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スマートコントラクトで機密取引を実現するブロックチェーンプラットフォーム「QURAS(キュラス)」

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スマートコントラクトが搭載されたブロックチェーンプラットフォームはEthereumやNEOなど50以上が存在していますが、その殆どが明確な差別化ができずにいます。

そのような中、差別化ができつつあるのがブロックチェーンプラットフォームのQURAS(キュラス)です。QURASでは「プライバシー 2.0」を謳っています。

はたしてどのようなプロジェクトなのか、詳しく紹介していきます。

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QURAS(キュラス)とは

QURAS(キュラス)とは、世界で初めてスマートコントラクトの匿名トランザクションを実現するブロックチェーンプラットフォームです。

QURASでは、匿名トランザクションができるスマートコントラクトのことをシークレットコントラクトと呼んでいます。

一般的に、ブロックチェーンは透明性の高さが売りになっていますが、これは個人が利用していく上においてプライバシーの侵害をもたらすということを意味しています。

例えば、第三者からウォレットの残高の中身が見られたり、送金履歴を追われるリスクがあります。また、スマートコントラクトの契約履歴を第三者に見られるリスクもあります。

実用の観点で見ると、ブロックチェーンのトランザクションはすべてが第三者に公開される必要はありません。多くの人は、自分たちのしていることを第三者に全部公開したいとは思っていないのです。

そのようなニーズを満たすため、QURASでは送金やスマートコントラクトやトランザクション履歴など、ありとあらゆるプライバシーを完全に保護することができます。

またQURASでは、今まで10カ国以上でカンファレンス出展やミートアップを行い、Telegramグループは4万名以上と、高い知名度を誇ります。

現在のQURASの情報発信状況:

匿名であることの重要性

「そもそも匿名の仮想通貨通貨(匿名通貨)は良くないのでは?マネーロンダリングに使われるのではないか?」そう考える人も少なくないことでしょう。かつて日本の金融庁は匿名通貨のネガティブキャンペーンを行い、コインチェックは匿名通貨を上場廃止にしたので、そのようなイメージを持つ方も多いかもしれません。

まずは、匿名であることがどういうことなのか、プラスの面を見ていきます。

あなたがビットコインを第三者から送金してもらうとします。そのときには、自分のウォレットのアドレスを第三者に知らせる必要があります。もちろん、そうしないとビットコインを受け取ることができないからです。

問題はここからです。その問題はビットコインの透明性が高いゆえに起こります。

ビットコインは透明性が高いため、ウォレットのアドレスの残高は誰でも調べることができます。送金してもらうときには自分のウォレットのアドレスを必ず第三者に伝える必要があるため、第三者からはその残高を把握されてもおかしくないということになります。

特にビットコインに詳しい人は、そのアドレスに入出金履歴があるかを調べた上で、そのアドレスがきちんと使えるものかを把握しようとするでしょう(筆者は送金ミスをしたくないのでそうしています)。

仮に自分が1億円分のビットコインを持っていて、それが第三者に知られたとします。

日本であれば、せいぜいたかられる対象になるだけで済むかもしれません。しかし、ブロックチェーンは世界中で使われるものであるため、治安が良い日本だけで使われるとは限りません。もし治安の悪い国で同じことが起きた場合、強盗に襲われ命を危険に晒す可能性すらあります。匿名ブロックチェーンを使うことで、このようなリスクを背負わずに済むようになります。

これは極端な例ですが、自分のプライバシーが知られることにより気分が良い人はいないことでしょう。

匿名ブロックチェーンがマネーロンダリングに使われる可能性はゼロではありません。しかし、それ以上に自分を守るための極めて有効な手段となるのです。

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QURAS(キュラス)の技術面の特徴

それではQURASの技術面の特徴を見ていきましょう。

匿名技術によりプライバシーを保護できる

QURASはではあらゆるものを匿名化することにより、プライバシーを保護することができます。

従来の匿名通貨もにある送金履歴やウォレット残高を見られないようにすることはもちろん、スマートコントラクトのトランザクション、スマートコントラクトで発行されたトークン流通の匿名性も確保することができます。

QURASでは、主に2つの匿名技術を使っています。

  • ゼロ知識証明(zk-SNARK:zero knowledge Succinct Non-interactive ARgument of Knowledge)+匿名アドレス(Anonymous Address)
  • リング証明(RingCT:Ring Confidential Transaction)+ステルスアドレス(Stealth Address)

ゼロ知識証明+匿名アドレス

ゼロ知識証明と匿名アドレスは、暗号資産のZcash(ZEC)に採用されている匿名技術で、最も匿名性が高いものとされています。

トランザクションを匿名にしたい場合、承認ノードがトランザクションの内容を見られる状態になっていては匿名になりません。そこで、匿名性を確保するために承認ノードからはトランザクションの内容が見えないようにします。そうなると、承認ノードは内容が見えない状態で、そのトランザクションが本当に正しいものなのかを判断しなければいけません。そこで有効なのがゼロ知識証明になります。ゼロ知識証明の内容は難しいので、詳しい内容は割愛します。

QURASにおいては、これらの技術は主にデータをシールドするためにに利用されます。しかし、ゼロ知識証明は処理が重いため、モバイル環境やWebウォレット、軽量ウォレットには向いていないというデメリットもあります。

そこで、軽量さが求められる処理は後述の「リング署名+ステルスアドレス」で匿名性を確保します。

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リング署名+ステルスアドレス

リング署名とステルスアドレスは、仮想通貨のMonero(XMR)に採用されている匿名技術です。

一般的に仮想通貨を送金する場合は、自分のウォレットの秘密鍵だけで電子署名をして送金します。しかし、これだと誰が送ったのかが明確にわかるようになります。

そこで登場するのがリング署名です。リング署名の考え方は、江戸時代の一揆に用いられた傘連判状(からかされんばんじょう)に近いものになります。傘連判状では、署名が複数あり、しかも円状になっているため主謀者が誰かわかりません。

江戸時代の傘連判状

江戸時代の傘連判状

リング署名でもデジタル的に似たようなことを行います。ランダムに選出された複数人で電子署名(リング署名)を行い、ダミーのワンタイムアドレスが生成されそこから送金されます。これにより、どこから送金されたかがわからなくなります。さらに、送金する場合も送金先としても使い捨てのワンタイムアドレスを利用することで、本当の送金先をわからなくします。これらの仕組みをステルスアドレスといいます。

QURASにおいては、これらのリング署名とステルスアドレスは主に送金用途で利用されることになります。

当事者のみが情報を参照することができる

匿名のブロックチェーンを使っていると、第三者が情報を閲覧することができなくなります。

しかし、当事者間で情報を閲覧できないのでは意味がありません。そこで、QURASでは当事者のみが情報を閲覧できるようにする仕組みが備えられています。

例えば、当事者がスマートコントラクトの契約内容を確認したい場合や、送金履歴の監査が必要な場合にこの機能が役に立ちます。

ストレージ・ファイル共有機能が使える

QURASでは、ストレージ・ファイル共有機能を扱うことができます。

オンラインのストレージ・ファイル共有サービスで有名なものには、DropboxやOne Drive、Google Driveがあります。これらのサービスは、提供会社がデータ格納設備を用意して集中管理しています。管理は彼らに任されているため、彼らの裁量でサービスが勝手に止められてしまう可能性があります。

一方で、QURASが提供する分散型のストレージ・ファイル共有機能では、従来のサービスのようにデータが集中管理されていません。データを管理するのは、インターネット上の誰かです。

データは、Bittorrentという技術を使いインターネット上の複数のノードに分散し保管されます。データは分散されて保管されるため、1つのノードがダウンしたとしても他のノードによりデータが維持されます。また、データがどこに保管されているかは、データの所有者もノード提供者もわかりません。そのため、高いハッキング耐性を確保することができます。

承認ノードが寡占化しにくいコンセンサスアルゴリズムを採用

QURASは分散型のブロックチェーンプラットフォームです。誰でも承認ノードになることができます。

既存のブロックチェーンではPoWやPoSが主に採用されています。

PoWはハッシュパワーが集まれば高いセキュリティを確保可能ですが、最近は新規のPoWブロックチェーンではハッシュパワーの確保が難しく、脆弱なブロックチェーンになるリスクが増しています。また、手数料が高い傾向にあります。

また、PoSではトークンを多く保有しているノードが強くなっていくため、富めるものがさらに富むという構造になっています。

これに対して、QURASではdBFT(厳密にはTSdBFT)を採用します。dBFTでは新たにブロックを生成するノードは1つしかないため、ハードフォークが理論上発生せず、ブロックチェーンの合意形成がより効率的になります。また、すべてのトークン保有者がブロックチェーンに関与することができるため、より分散化したブロックチェーンを実現できることが期待されます。

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トークン発行者に送金手数料を還元する仕組みを導入

QURASはブロックチェーン”プラットフォーム”であるため、Ethereumと同様にトークンを発行したり、アプリケーション(DApps)を動かすことができます。

プラットフォームの発展に必要不可欠なのが、それを利用する開発者が増えていくことです。

現状のブロックチェーンプラットフォームで最も開発者が多いのはEthereumです。性能面ではEthereumより優れたEOSやNEOが登場しているにも関わらず、Ethereumの地位は揺るぎないものとなっています。

なぜならば、開発者から見るとEthereumは他と比べて圧倒的に情報が充実しており、開発しやすいメリットがあるからです。この強力な要素があるため、Ethereumの性能が他と劣っていても、開発者はEthereumから離れようとしないのです。

そのため、開発者を自分たちのブロックチェーンプラットフォームに呼び込むというのは、それを上回るくらいの絶対的な魅力が必要になります。

QURASでは、トークン発行者に送金手数料を還元する仕組みを導入することにより、開発者の取り込みを図ります。

Ethereumの場合、自分たちが発行したトークンが流通したとしても、送金手数料はすべてマイナーに行ってしまいます。せっかく頑張って作ったトークンが流通したとしても、自分たちへのインセンティブはゼロということです。

これに対して、QURASのプラットフォーム上でトークンが流通した場合、トークン発行元に送金手数料の一部が還元されるようになるため、Ethereumを使うよりもプロジェクトの継続性を高められる可能性があります。

QURASプラットフォームでトークン発行をすると、Ethereumよりお得であるという状況をQURASでは作り出そうとしいます。

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見込まれているQURAS(キュラス)の用途

QURASでは、匿名技術をベースにスマートコントラクトを実行することができます。これにより、今まで実現できなかったプライバシーの保護が求められる用途にブロックチェーンを活用することができるようになります。現状では、以下のような用途が見込まれています。

分散型金融(DeFi)

金融で多く利用されるのがレンディング(貸し付け)になります。誰が誰に貸し付けたかは、当然第三者に見られる必要がないものになります。また与信履歴などの情報も、関係者だけで見ることができれば十分なものになります。

QURASでは、当事者間のみで情報を参照できる仕組みを導入するため、このようなニーズに応えることができます。

ヘルスケア

最近のヘルスケア分野では、ウェアラブルデバイスを取り付け、そこから個人の心拍数などの健康データを取得するようになっています。このようなデータはむやみに第三者に公開されるべきものではありません。

QURASでは、このような個人情報を安全に保管して共有する方法を提供します。

電子商取引(Eコマース)

取引の契約には当然機密性が求められます。QURASの匿名スマートコントラクトを利用することで、革新的なEコーマスを実現することができるようになります。

例えば、匿名スマーコントラクトを利用することで非公開オークションを自動実行することができるようになります。

エンタープライズ / 行政

エンタープライズや行政の用途では、第三者にすべての情報が開示する必要はありません。

行政を例に取ると、選挙の投票結果は改ざんされてはなりませんが、誰がどこに投票したかを第三者に見られる必要はありません。また、匿名入札においても、誰がいくらで入札したかは第三者に見られる必要がなく、当事者だけで閲覧できるようにするべきです。

QURASは、改ざんが許されないものの、当事者だけで情報を閲覧できるようにする上記のような用途に向いています。

QURAS(キュラス)と他のブロックチェーンの比較

2019年9月10日時点で判明しているQURASと他のブロックチェーンとの比較は次の通りです。未公表部分はN/Aになっています。

QURASと他のブロックチェーンとの比較

QURASと他のブロックチェーンとの比較

ロードマップ

2019年9月10日時点で公表されているロードマップは、以下の通りです。

達成済み

2017年

  • 2017年1Q:コンセプトの策定及びDAppsの開発開始
  • 2017年2Q:ブロックチェーンの技術や匿名技術の調査開発開始
  • 2017年3Q:ブロックチェーンとスマートコントラクトの開発開始

2018年

  • 2018年1Q:ブロックチェーンとスマートコントラクトの開発完了
  • 2018年1Q:ブロックチェーンエンジンへのzk-SNARKsの実装開始
  • 2018年2Q:ウォレットの開発開始
  • 2018年3Q:QURAS DAppsの分散型ウォレットの開発開始
  • 2018年3Q:ブロックエクスプローラーの開発開始
  • 2018年4Q:ブロックチェーンエンジンへのzk-SNARKsの実装完了
  • 2018年4Q:ブロックチェーンエンジンへのリング署名の実装開始

2019年

  • 2019年1Q:トークンマネージャへの手数料還元機能の実装開始
  • 2019年1Q:スマートコントラクト取引へのzk-SNARKsの実装完了
  • 2019年1Q:ウォレット(Mac, Windows, Web)のテストローンチ
  • 2019年1Q:ブロックエクスプローラーのテストローンチ
  • 2019年1Q:QURASブロックチェーンのテストローンチ
  • 2019年1Q:ホワイトペーパーのリニューアル
  • 2019年2Q:ビジネス開発部門の立ち上げ
  • 2019年3Q:ブロックチェーンエンジンへのリング署名の実装完了
  • 2019年3Q:ティッカーと基本単位の決定
  • 2019年3Q:スマートコントラクト取引へのリング署名の実装完了
  • 2019年3Q:QURAS VMへのリング署名の実装完了
  • 2019年3Q:XQCとXQG向けの取引手数料システムの実装完了

これから

2019年

  • 2019年4Q:調整可能なスマートコントラクト手数料の実装完了
  • 2019年4Q:トークンのフィー分配の実装完了
  • 2019年4Q:コード監査開始(ブロックチェーンエンジン、スマートコントラクト、ウォレット、ブロックエクスプローラー)

2020年

  • 2020年1Q:QURAS DAppsのテストローンチ
  • 2020年1Q:QURASブロックチェーンメインネットのローンチ
  • 2020年1Q:zk-SNARKsとリング署名を他機能への実装開始
  • 2020年2Q:暗号化処理の高速化開始
  • 2020年2Q:管理者付き匿名機能の実装開始
  • 2020年2Q:ファイルストレージ機能のテストローンチ
  • 2020年2Q:トランザクションステーキングの開発開始
  • 2020年3Q:クロスチェーンの開発開始

QURAS(キュラス)に関する情報

公式情報

当メディアによる情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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