先日の「STOの基本がわかる「株からSTOへ ー証券の未来がどう変わるのか 放談会」レポート」は既にご覧になったでしょうか?
STOでは、国の資金調達に関する法的規制に従って有価証券のトークン「セキュリティトークン」を発行するということでした。
はたして、セキュリティトークンにはどのような種類があるのでしょうか?詳しく見ていきたいと思います。
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セキュティリティトークンの種類
セキュリティトークンの種類について、2019年2月時点において厳密な定義はありません。そもそも、セキュリティトークンとは有価証券を単にトークン化しただけで、それ以上でもそれ以下でもありません。
もちろん、セキュリティトークンの種類について提唱している人は存在しており、ここでは筆者が見つけた代表的なものを紹介します。
Jesus Rodriguez氏の提唱
よく例にされるのが、暗号通貨アナリストでもあるJesus Rodriguez氏が「The Security Token 2.0 Stack」で提唱しているものになります。
Jesus氏の提唱では、セキュリティトークンは4つに分類されています。
債権トークン(Debt Tokens)
不動産リースや現金ローンなど、資金を借り入れの借用証書にあたるトークンです。
株式トークン(Equity Tokens)
会社や特別目的事業体(SPV)の部分所有など、資産に対する部分的所有にあたるトークンです。
ハイブリッドトークン(Hybrid Tokens)
債権を株式に転換したり、その逆をしたりできるトークンです。
デリバティブトークン(Derivative Tokens)
先物やオプションなど、原資産であるトークンから価値が派生したトークンです。
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Mikko Ohtamaa氏の提唱
TokenMarketのCEOでもあるMikko Ohtamaa氏も、「What are Securities and Security Tokens」でセキュリティトークンの種類について提唱しています。
Mikko氏の提唱内容では、前述の有価証券以外に現物資産もトークン化できるとしています。有価証券については、Jesus氏の内容とほぼ同じです。
現物資産については「不動産(Real Estate)」「絵画(Art)」「稀少品(Physical precious)」「知的財産(Intellectual rights)」があげられています。
セキュリティトークンは儲かるのか?
ここまでの内容からもわかる通り、結局のところセキュリティトークンは、単にこれまでの有価証券や物理資産の形態がトークンに変わっただけになります。
セキュリティトークンについて世間の関心は高くなっていますが、一方で勘違いしないでいただきたいのは「セキュリティトークンだから儲かる」というわけではないということです。それは、株式市場ですべての人が儲けることができていないのと一緒です。
しかも、セキュリティトークンの場合は、株式上場(IPO)ができるほどの資金体力がない企業がSTOをします。つまり、STOとは本質的にはICOと同様のベンチャー投資でしかありません。ベンチャー投資のリスクは非常に高いため、STOは基本的に儲からないという前提で考えておく必要があります。
ここに有名な事実があります。かつてアメリカのゴールドラッシュで、金を掘っていた人より、金を掘るための道具を売っていた人が儲けました。ジーンズでよく知られるリーバイスは、金を掘っている人たちにジーンズを売って大きくなったといわれています。
STOでも同じことがいえます。STOをする企業そのものより、STOをしやすいプラットフォームを整えているところに投資をするほうが、より良い投資パフォーマンスを得られるかもしれません。
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