2019年5月7日に、バハマ政府の担当者が招かれ、STOの取り組みが紹介されました。今回はイベント内のバハマの事例に絞ってご紹介します。
イベントページ:【バハマ政府STO担当官来日!メディア独占イベント】バハマ政府のSTOの枠組みと、ブロックチェーン実用化事例のご紹介
[the_ad id=”13126″]
バハマのSTO規制状況
カリブ海に位置するバハマは、金融が進んだ国でもあります。バハマ政府STO担当官ドン・コーニッシュ氏が、バハマのSTOについて説明しました。
バハマは100年前から国を挙げて金融サービスに参入しています。そして、ドン氏はバハマこそ金融業界においてデジタル・アセットにどこよりも取り組んでいるといいます。つまり、STOについてどこよりも取り組んでいるということです。
バハマでは、新規にトークンを発行して資金調達することをITO(Initial Token Offering)と呼んでいます。
バハマで資金調達をしたい企業は、ITOをするためにトークンの発行体が日本のようにライセンスを取る必要がありません。弁護士を雇う必要もありません。
ITOするには、スポンサーに相談をすることになります。スポンサーとは、バハマ政府から認可を受けた人間や団体を指します。
企業から相談を受けたスポンサーは、企業の審査を行い、最終的に証書を発行することになります。ここまでのプロセスが最長45日で済むようになっています。これはIPOをするためにかける時間に比べると圧倒的に早く、そしてその分コストも圧倒的に安くなります。また、その後企業に何か変更事項があればスポンサーに連絡すれば良いようになっています。
このように、バハマではシンプルであって迅速なトークンを使った資金調達の枠組みが既に確立されています。
もちろん、迅速な分だけ審査がゆるいかと言われればそうではありません。スポンサーや審査を受ける企業側に課されるルールがあり、それに沿って制度が運用されるようになっています。もちろん、ルールを破った場合の罰則規定も設けられています。
[the_ad id=”7916″]
バハマのSTO事例 – PO8
バハマのSTOの事例として紹介されたのは、バハマ初となるSTOプロジェクトのPO8です。PO8のCEO、マシュー・アーネット氏がその取組について語りました。
マシュー氏は、まずSTOについて、政府の人間がここに来て話す時点でそれが重要なことだろうと、その重要性を強調しました。そしてSTOを推進させていくには、官民が一体になる必要があると述べました。
PO8は、各国から評価されているといいます。Inter-American Development Bank(IDB)という銀行が主催するコンペティションでは、大賞を受賞しました。これは、カリブ海のエリアにおいて、社会的にも経済的にもナンバーワンのブロックチェーンプロジェクトということを意味します。
そして、スマートドバイとよばれる中東のコンペティションでは、700あるプロジェクトのトップ20に選ばれました。ドバイではブロックチェーン都市を作る計画があり、その都市にマシュー氏らのプロジェクトが組み込まれるそうです。
PO8のプロジェクトが扱うのは、沈没船の遺品です。メンバーには、タイタニックを発見した海洋研究の第一人者も加わっています。
海洋探索で沈没船を発見して、遺品を回収します。しかし、マシュー氏らは、遺品を売らずに博物感に収め、子どもたちや学者、研究者が見ることができるようにしたいと考えています。
今までであれば、そのような遺品は博物館に引き渡され、所有権は博物館に渡っていました。それに対してPO8では、Non-Fungible Token(代替不可トークン、以下NFTと表記)を使い、個々の遺品と個々のトークンの紐づけを行います。つまり、その遺品を所有したい場合はトークンを保有するようになります。これにより、博物館に遺品が展示されたままにして、所有権を売買することになります。
このようなNFTを使った資産のトークン化手法は、Non-fungible Investment Vehicles(NFIV)として語られるようになっています。NFIVは船の遺品に限らず、不動産や美術品、ありとらゆるものに応用することができます。例えば、ゲーム内のデジタルアセットで使うこともできます。
マシュー氏は、NFTは多様性があって未来に満ち溢れているといいます。
最後に、近いうちに日本のNFTを発行する団体とジョイントベンチャーを立ち上げることを予告し、プレゼンテーションを締めくくりました。
PO8に関する情報
イベント主催者について
イベント主催者のBINARYSTAR(バイナリースター)は、日本最大級のブロックチェーン専用のコワーキングスペースです。既存の技術特化型のブロックチェーン専用のコワーキングスペースとは異なり、ブロックチェーンを社会実装することをミッションに、ブロックチェーン企業と一般企業が同居できる環境を提供します。
BINARYSTARでは、今後も積極的にブロックチェーンに関するイベントを主催していきます。是非、Peatixの「【バイナリースター】イベント事務局」をフォローして最新のイベント情報を入手してください。
[the_ad id=”7916″]