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バハマ政府のSTOの枠組みと、ブロックチェーン実用化事例 イベントレポート

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2019年5月7日に、バハマ政府の担当者が招かれ、STOの取り組みが紹介されました。今回はイベント内のバハマの事例に絞ってご紹介します。

イベントページ:【バハマ政府STO担当官来日!メディア独占イベント】バハマ政府のSTOの枠組みと、ブロックチェーン実用化事例のご紹介

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バハマのSTO規制状況

カリブ海に位置するバハマは、金融が進んだ国でもあります。バハマ政府STO担当官ドン・コーニッシュ氏が、バハマのSTOについて説明しました。

バハマ政府STO担当官 - ドン・コーニッシュ氏

バハマ政府STO担当官 – ドン・コーニッシュ氏

バハマは100年前から国を挙げて金融サービスに参入しています。そして、ドン氏はバハマこそ金融業界においてデジタル・アセットにどこよりも取り組んでいるといいます。つまり、STOについてどこよりも取り組んでいるということです。

バハマでは、新規にトークンを発行して資金調達することをITO(Initial Token Offering)と呼んでいます。

バハマで資金調達をしたい企業は、ITOをするためにトークンの発行体が日本のようにライセンスを取る必要がありません。弁護士を雇う必要もありません。

ITOするには、スポンサーに相談をすることになります。スポンサーとは、バハマ政府から認可を受けた人間や団体を指します。

ITOとスポンサー

ITOとスポンサー

企業から相談を受けたスポンサーは、企業の審査を行い、最終的に証書を発行することになります。ここまでのプロセスが最長45日で済むようになっています。これはIPOをするためにかける時間に比べると圧倒的に早く、そしてその分コストも圧倒的に安くなります。また、その後企業に何か変更事項があればスポンサーに連絡すれば良いようになっています。

このように、バハマではシンプルであって迅速なトークンを使った資金調達の枠組みが既に確立されています。

もちろん、迅速な分だけ審査がゆるいかと言われればそうではありません。スポンサーや審査を受ける企業側に課されるルールがあり、それに沿って制度が運用されるようになっています。もちろん、ルールを破った場合の罰則規定も設けられています。

スポンサーに申請せずに企業がやっていはいけないことの例

スポンサーに申請せずに企業がやっていはいけないことの例

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バハマのSTO事例 – PO8

バハマのSTOの事例として紹介されたのは、バハマ初となるSTOプロジェクトのPO8です。PO8のCEO、マシュー・アーネット氏がその取組について語りました。

PO8 CEO - マシュー・アーネット氏

PO8 CEO – マシュー・アーネット氏

マシュー氏は、まずSTOについて、政府の人間がここに来て話す時点でそれが重要なことだろうと、その重要性を強調しました。そしてSTOを推進させていくには、官民が一体になる必要があると述べました。

PO8は、各国から評価されているといいます。Inter-American Development Bank(IDB)という銀行が主催するコンペティションでは、大賞を受賞しました。これは、カリブ海のエリアにおいて、社会的にも経済的にもナンバーワンのブロックチェーンプロジェクトということを意味します。

そして、スマートドバイとよばれる中東のコンペティションでは、700あるプロジェクトのトップ20に選ばれました。ドバイではブロックチェーン都市を作る計画があり、その都市にマシュー氏らのプロジェクトが組み込まれるそうです。

コンペティションの実績

コンペティションの実績

PO8のプロジェクトが扱うのは、沈没船の遺品です。メンバーには、タイタニックを発見した海洋研究の第一人者も加わっています。

海洋探索で沈没船を発見して、遺品を回収します。しかし、マシュー氏らは、遺品を売らずに博物感に収め、子どもたちや学者、研究者が見ることができるようにしたいと考えています。

PO8でターゲットにする市場

PO8でターゲットにする市場

今までであれば、そのような遺品は博物館に引き渡され、所有権は博物館に渡っていました。それに対してPO8では、Non-Fungible Token(代替不可トークン、以下NFTと表記)を使い、個々の遺品と個々のトークンの紐づけを行います。つまり、その遺品を所有したい場合はトークンを保有するようになります。これにより、博物館に遺品が展示されたままにして、所有権を売買することになります。

このようなNFTを使った資産のトークン化手法は、Non-fungible Investment Vehicles(NFIV)として語られるようになっています。NFIVは船の遺品に限らず、不動産や美術品、ありとらゆるものに応用することができます。例えば、ゲーム内のデジタルアセットで使うこともできます。

Non-fungible Investment Vehicles(NFIV)

Non-fungible Investment Vehicles(NFIV)

マシュー氏は、NFTは多様性があって未来に満ち溢れているといいます。

最後に、近いうちに日本のNFTを発行する団体とジョイントベンチャーを立ち上げることを予告し、プレゼンテーションを締めくくりました。

PO8に関する情報

イベント主催者について

イベント主催者のBINARYSTAR(バイナリースター)は、日本最大級のブロックチェーン専用のコワーキングスペースです。既存の技術特化型のブロックチェーン専用のコワーキングスペースとは異なり、ブロックチェーンを社会実装することをミッションに、ブロックチェーン企業と一般企業が同居できる環境を提供します。

BINARYSTARでは、今後も積極的にブロックチェーンに関するイベントを主催していきます。是非、Peatixの「【バイナリースター】イベント事務局」をフォローして最新のイベント情報を入手してください。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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