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金沢工業大学虎ノ門大学院×DIWal Limited「ブロックチェーンシンポジウム」 イベントレポート(前編)

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6月19日に、金沢工業大学虎ノ門大学院とDIWal Limitedが共催のブロックチェーンシンポジウムが開催されました。

産学連携が画期的になりつつあるブロックチェーン界隈の取り組みを取材してきました。

イベントページ:金沢工業大学虎ノ門大学院×DIWal Limited共催イベント 「ブロックチェーンシンポジウム」開催

Ginco

暗号資産(仮想通貨)ウォレットで有名なGincoは、ブロックチェーンのレポートを四半期に1回出しています。今回はレポートの内容の一部が紹介されました。

レポートでは、ブロックチェーン業界動向を市況、ビジネス、規制、技術面に区切っています。

ブロックチェーンの業界動向 2019上半期

ブロックチェーンの業界動向 2019上半期

市況の解説

市況においては、暗号資産(仮想通貨)相場が回復基調にあり、原因は不明であるものの、回復しているというという事実がはっきりしています。

資金調達分野においては、ICOが規制に準拠していないので全部スキャム(詐欺)という共通認識が増え、規制当局の管轄下でトークンを発行するSTOの動きが活発化しています。しかし、ユーザ体験を早く提供したい事業者には向いておらず、IEOがそのニーズを受ける形となっています。

ICO/IEO/STO

ICO/IEO/STO

ビジネス動向の解説

ブロックチェーンを用いたアプリケーション、DAppsの利用者数は、2018年Q3と比べると現時点でユーザ数が4倍になっているにもかかわらず、アクティブなDApsp数は減っています。つまり、DAppsは一極集中になっているということがデータからはいえます。

現在、一番アクティブなDAppsはブロックチェーンゲームのMyCryptoHerosとなっており、これがユーザ数に寄与しているといいます。

DAppsユーザの状況

DAppsユーザの状況

規制動向の解説

今までの規制では、仮想通貨の交換売買についてが資金決済法、暗号資産という視点で金商法のガイドラインが作られていました。

これからは、これらが決済用途と投資用途に分類され、前者が資金決済法、後者が金商法の対象になっていきます。さらに、流動性が高いものに関して、それぞれの法律の範囲で規制がかかっていきます。

また、セキュリティトークンについては、金商法の一項有価証券で扱われる対象になるとみられています。

技術動向の解説

シンポジウムにおいて、技術については、多くは触れられませんでした。

MimbleWimbleなどの匿名技術に注目が集まり、日本ではLayerXがzerochainを開発していることが紹介されました。

電通

電通の発表では、社内のブロックチェーンの取り組みが紹介されました。発表した月村氏によると、電通ではブロックチェーンの取り組みがようやく始まったばかりで、社内で散発的に取り組まれている段階だといいます。

その中の取り組みの1つが「Social Good×Blockchain」です。取り組みでは、がんになっても笑顔に暮らせる社会を作ることを目指し、がんの人にメイクをして写真を撮るということを行いました。

その中でラベンダーリングコイン(LRC)を流通させ、話したい人と聞きたい人を探してコインを送り合うという試みをしました。

ラベンダーリングコイン

ラベンダーリングコイン

このような試みをした理由は、がんの人たちは自分の命と向き合っているため、表現意欲が強くクリエイターであるからだといいます。

彼らの記憶の共有ではなく、記録を共有していくことを、この取り組みで行っていきたいとしています。

ラベンダーコインのコンセプト

ラベンダーコインのコンセプト

金沢工業大学

金沢工業大学は、ブロックチェーンハッカソンの様子を報告しました。

金沢工業大学では、直近のハッカソンにてNEOやIOSTの後援で初のブロックチェーンのハッカソンを開催しました。

1日目はブロックチェーンの基礎に関する内容の講義を受けアイデア出しをした後、2-3日目に開発作業に取り掛かりました。開発作業には、学生のほか、社会人も一緒に加わる形式が採られました。

KITハッカソンの様子

KITハッカソンの様子

教員チームもハッカソンに参加

教員チームもハッカソンに参加

もともと、金沢工業大学では学生からハッカソンの要望があり、そこから9回も継続開催されるに至りました。さらに、ハッカソンから取組みが継続している事例があり、みんなで地域防災のマップを作るプロジェクトを行い、その後に地域の畑の運営や里山に関する活動をしたグループがあります。

取り組みを発表した中澤教授は、さすがに1回やっただけでは成果は出ず、トークンエコノミーを循環させるのは難しいと感じたといいます。また、1つの分野の枠組みより、複合領域においてブロックチェーンを活用する必要があると、ハッカソンの感想を述べました。

博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ

博報堂では、ブロックチェーンの専門部署を立ち上げています。伊藤氏は、個人的に2016年からブロックチェーンに関わりはじめ、その後に博報堂の社内でブロックチェーン部門の立ち上げに関わりました。

ブロックチェーン部門では、コミュニティにフォーカスをしていいます。社会的にコミュニティが求めてられている現代において、生活者のコミュニティをトークンの力で活性化させようとしています。

発表の中では、博報堂のアドテックの子会社が、ブロックチェーン企業の分析ツールを出していることが紹介されました。ツールでは、トークン流通などの活性情報の統計を分析して、グラフ化し、データを具体的に見れるようにしています。コミュニティの状態を見て影響力がある人を抽出し、PDCAを回せる状況を作り出します。

ブロックチェーン企業の分析ツール「トークンコミュニティアナライザー」

ブロックチェーン企業の分析ツール「トークンコミュニティアナライザー」

また、広告を今まで以上に見てらうための仕組みとして、Web上の広告バナーをクリックするとトレーディングカードが貰える仕組みの実証実験を行いました。例えば、車のトレーディングカードを集め、全部が揃うと新車に試乗できるといったことができるようになります。これは、広告にゲーム性と経済出口を取り入れてみたら、結果的にトレーディングカードになったといいます。

トレーディングカードを用いた広告

トレーディングカードを用いた広告

博報堂では、広告とブロックチェーンを使うことにより、情報のマーケティングから価値のマーケティングにシフトし、価値を含めて伝えられるようにするべく取り組んでいます。



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Junya Kato

TOKEN ECONOMISTの管理人、ブロックチェーン専門誌「月刊仮想通貨」「CRYPTO CROWD」の執筆陣。ブロックチェーンプロジェクトでは、QURASのコミュニティマネージャー。 より多くの人にブロックチェーンの未来を感じてもらうべく、先進的なブロックチェーンプロジェクトやイベントのレポートをお伝えしています。 ブロックチェーンの素晴らしさを世に広げたい!!

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