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金沢工業大学虎ノ門大学院×DIWal Limited「ブロックチェーンシンポジウム」 イベントレポート(中編)

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6月19日に、金沢工業大学虎ノ門大学院とDIWal Limitedが共催のブロックチェーンシンポジウムが開催されました。

産学連携が画期的になりつつあるブロックチェーン界隈の取り組みを取材してきました。

イベントページ:金沢工業大学虎ノ門大学院×DIWal Limited共催イベント 「ブロックチェーンシンポジウム」開催

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エイベックス・テクノロジーズ

エイベックス・テクノロジーズでは、クラウドエンターテイメント事業を展開し、ゲーム開発を進めています。その中で、最近ブロックチェーン事業を立ち上げし、版権を管理し、デジタルコンテンツでどのように価値をもたせるかということを追求していきます。

最初に、発表されたばかりのFacebookのブロックチェーン、Libraについて触れられました。Libraは、17億人の成人が銀行口座を持っていない現状を打開するものであるとし、今後人々は分散型ガバナンスを信頼するようになるのではないかと、プレゼンターの石田氏は分析しています。

Libraでは、Libraリザーブとよばれる準備金をもとに、通貨のLibraを発行します。Libraの運営資金の運用収益が、ブロックチェーンの運営資金になるため、その分手数料が安くなる見込みです。

Libraについて

Libraについて

そして、石田氏は本題の版権管理の話に入っていきました。エイベックス・テクノロジーズはまだ公式発表しても良い情報がないため、ブロックチェーン活用としてソニーミュージックの事例が出されました。

ソニーミュージックでは、事実情報をブロックチェーンに登録していくことにより、データの認証・権限管理を行える認証システムを作っています。これは実証実験段階のものになります。

ソニーミュージックの実証実験

ソニーミュージックの実証実験

ブロックチェーンを用いたシステムは、IP(知的財産)の課題を解決できることが期待されています。IPは、活用と保護の相反性があるからです。

IPの活用と保護の相反性

IPの活用と保護の相反性

できるだけ多くの人に知ってもらうようにIPを運用すると、IPの価値が高まる一方、海賊版や二次制作が増え、IP所有者には還元されなくなります。日本のコンテンツの場合は、これと真逆のため、海外からは扱いが敬遠されがちだといいます。

そこで、IPを海外でもっと気軽に使えて、権利者も守られるプラットフォームの必要性が求められます。

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imusify

続いて紹介されたのが、音楽に関わるブロックチェーンプロジェクトのimusifyです。

現在の音楽業界では、仲介人が多いのでアーティストの手元にお金が届くのに3-24ヶ月かかる上に、全体の14%しか届きません。

imusifyでは、ブロックチェーンの仲介を省く特性を利用して、アーティストに70%の利益をすぐにもたらすことができるようにします。

imusifyの収益配分

imusifyの収益配分

アーティストは音楽をimusifyのプラットフォームにアップロードし、それをファンが再生すると自動的に収益が入るようになっています。さらに、Likeをクリックしても収益が入ります。

ストリーミング画面

ストリーミング画面

また、この他にファンから直接アーティストへのウォレットアドレスに送金する事もできます。

アーティストへの直接送金

アーティストへの直接送金

TECHFUND

TECHFUNDでは、自社で開発しているACCEL BaaSを紹介しました。

現状のブロックチェーン業界は、トランザクション数やプロジェクト数、プロトコルも増えていいます。しかし、実際に稼働しているプロジェクトが全体の6%と低く、TECHFUNDではこれを問題視しています。

この問題を解決する手段がACCEL BaaSです。ACCEL BaaSは、ブロックチェーンとDAppsの間に位置するミドルウェアで、簡単なコードだけで自分のブロックチェーンサービスを作ることができます。

現状は複数のプロトコルが乱立しており、それらのプロトコルを試すには、プロトコルにあったプログラミング言語を覚えなければいけません。ACCEL BaaSでは、使い方さえ覚えれば複数のブロックチェーンを試すことができるようになります。

ACCEL BaaSではAPIを呼び出すだけ

ACCEL BaaSではAPIを呼び出すだけ

ACCEL BaaSにはコントラクトテンプレートというものがあり、テンプレートに必要なプロパティを入れると、簡単にコントラクトをデプロイすることができるようになります。

コントラクトテンプレート画面

コントラクトテンプレート画面

また、テンプレート以外にも書いたコードを公開するコントラクトマーケットがあり、コードを公開すると、他のエンジニアからコメントを求めることができます。

現在、ACCEL BaaSはイーサリアムとNEOに対応しており、これからも対応範囲を広げていく予定です。

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モバイルファクトリー

モバイルファクトリーでは、位置中心ゲームを中心に取り組んできた経緯があり、現在はDAppsを身近にするための利用にフォーカスしています。

そのためのプロダクトとしてQurage(クラゲ)をリリースし、Webアプリでブロックチェーンを利用しやすくなる環境を整備しています。

現状のDAppsブラウザは、ブロックチェーンをシームレスに使うことができるものの、最新のWeb技術が使えなくなるというトレードオフがあります。そのため、Qurageでは、Quras Linkによりトランザクションの署名機能をブラウザから分離することにより、ユーザが最新のWebブラウザを使いつつも、ブロックチェーンを簡単に使えるようにします。

Qurage Linkの機能

Qurage Linkの機能

Qurage Linkでは、QRコードやディープリンクを使い、DAppsとスマホ上のQurageウォレットをリンクさせます。DAppsにトランザクションが飛んでくると、Qurage側に通知がきて、スマホ側で署名をします。

これにより、Nintendo Switchのような家庭用ゲーム機でもゲーム内で手に入れたデジタル・アセットのやり取りが簡単にできるようになります。また、公衆無線LANを使った環境でも秘密鍵を入力する必要がなくなるため、安全にブロックチェーンを使うことができるようになります。

Qurage Linkの活用例

Qurage Linkの活用例

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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