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Future of Blockchain #2 イベントレポート(ピッチ前半:STO)

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国内のブロックチェーン展示会が立て続けに中止になるなか、久々に都内の秋葉原でミニカンファレンスが開催されました。今回はピッチ内容をご紹介します。

イベントページ:Future of Blockchain #2-ブロックチェーンが魅せる未来-令和元年、歴史に残るブロックチェーン社会実装の現状を体験する祭典、序章開幕!!

最新STOの動向とこれから

JDAA「STOの歩み STOは企業の資金調達をどう変えるのか?」

JDAA 理事 木村紀文氏

JDAAは、国内外の企業、関連諸団体との情報交換や連携・協力、活動を通じて、デジタルアセットに関わるグローバル企業の日本進出の支援を行っている一般社団法人です。

理事の木村紀文氏は、これまでのIPOとICO、そしてSTOとの違いを解説していきました。

STOでは、今までの株や債券と同じで、それがブロックチェーンのトークンになっているだけだといいます。つまり、有価証券の権利の裏付けがあるトークンというだけです。

STOとは?

STOとは?

STOは、現時点で私募がメインになっています。

有価証券をトークン化することにより、今までの私募では難しかった個人間でも、24時間365日、かつ即時取引をすることが実現になります。また、所有権の分割が今まで以上に容易になり、全く新しい証券が生まれる可能性があります。

そのようなSTOですが、市場規模が大きい証券の分野ということもあり、各社がしのぎを削って参入してきています。カオスマップの分類では、「Broker/Dealer」「Compliance」「Regal」「Issuance」「Trading」「Custody」に分かれています。

STOエコシステムのカオスマップ

STOエコシステムのカオスマップ

「Broker/Dealer」は証券会社、「Compliance」はKYC業者やプラットフォーム整合性を取る業者、「Regal」はSTOに強い弁護士事務所、「Trading」は取引所、「Custody」は資産の保管業者になります。

このように、STOは法律に則るための業種で構成されています。

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スタンダードキャピタル「セキュリティトークン発行プラットフォームの技術的課題について」

スタンダードキャピタル CTO 柳谷昂希氏

スタンダードキャピタルは、日本でSTOを実現するための標準化作業や、システム開発を行っています。

STOにおいては、ブロックチェーンを使ったセキュリティトークン取引のための日本向けのJP規格の策定を行っています。パブリックブロックチェーンを使うとパフォーマンスが落ちてしまうため、一部の人に権限を付与して3つの組織で合意形成をします。合意形成の過程でNGだった顧客をエコシステムから弾く仕組みになっています。

JP規格における承認の仕組み

JP規格における承認の仕組み

JP規格では、JP20とJ-FTAが中心となります。JP20は、分散型取引の仕組みになります。共通の分散台帳をもち、承認の権限を分散させ、各権限はブロックチェーンで管理していきます。

JP20

JP20

 

また、J-FTAでは、REITのように不動産収益分配権を小口化します。REITとの違いは、ブロックチェーンを使い不動産情報の管理の透明性を確保します。スタンダードキャピタルでは、府中の駅前施設の一部区画で、J-FTAの試験運用をしています。

J-FTA

J-FTA

これらのSTOプラットフォーム開発は課題が多く、複数の法律がまとめて絡んできます。そのため、要件定義が複雑で、技術者にとっては大きなハードルになるといいます。

スタンダードキャピタルでは、STOnlineというニュースメディアを運営しており、STOに関する最新情報をお届けしています。

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JIN「株取引がネット化された様に、今後はあらゆる資産がトークン化される」

JIN 中村真人氏

STOコンサルタントの中村真人氏は、ブロックチェーンの原点から紹介をはじめました。

その原点は、6000年前のメソポタミア文明の初期、シュメールまでさかのぼります。シュメールは農耕文明の始まりであり、粘土板に羊の権利や稲の権利など、農業の契約を刻んでいました。その粘土板は、第三者から見れられるようになっていました。ブロックチェーンも、後から書き換えられないとう点でシュメールの粘土板に似ているといいます。

そしてセキュリティトークンについて、STOが注目を浴びてきたきっかけは、米国のSECがICOをしたプロジェクトを次々と起訴していったことでした。

セキュリティトークンは、所有権をプログラムできることだといいます。技術によって多くの部分を自動化することができ、関わる人を削減できることから投資家への分配に回せる収益が増えるだろうとしています。しかし、既存の証券関係者が仕事を失うことになるので、普及までには紆余曲折を経るだろうとしています。

STOとネット証券がもたらした変化

STOとネット証券がもたらした変化

既存権力からみたSTO

既存権力からみたSTO

しかしながら、今後はあらゆるものがトークン化され、保険もトークンで売買できるようになると見込まれています。(※詳しい内容は、JDAAの木村氏の内容と被るため割愛します)

また、中村氏は自身が投資のみで生活していた時期を振り返り、投資家に対してアドバイスをしました。それは、投資だけに頭が行くと人間は幸せにならなくなるということです。そして、投資タイミングは周りが仮想通貨なんてやめてしまえというときであり、投資を控えて売り抜けるタイミングは、CMが頻繁に流され、周囲が今買わないとダメと言っているときだといいます。

最後に、中村氏は自身のYouTubeチャンネル「ブロックチェーンTV」の紹介をしました。

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Polymath「Polymathのセキュリティトークンプラットフォームについて」

Polymath 事業開発部門 Heslin Kim氏

Polymathは、分散型台帳技術と従来金融の隙間を埋めるために取り組んでいるプロジェクトで、2年ほど技術開発に取り組んでいます。現在Polymathは全世界で活動しており、規制当局や金融機関と話しをしながらプロジェクトを進めています。

プラットフォームで扱われるトークンはイーサリアムベースになっており、Token Studioにアクセスすることで、自らのトークンを発行することができます。Polymathのサービスを利用するには、POLYトークンが必要になり500POLY(2019年7月23日時点のレートで約3,100円)程度という、従来の株式発行と比べると驚異的に安いコストで済みます。

Polymathが提供するソリューション

Polymathが提供するソリューション

Polymathは技術の提供にフォーカスしています。その活動は2018年から始まり、既にセキュリティトークンが133種類作成されました。また、株のティッカーにあたるシンボルは271が予約されており、規制当局の申請受理を待ってセキュリティトークンが発行され、資金調達に入ります。

Polymathの活動状況

Polymathの活動状況

Polymathの技術は4つのレイヤーに分かれています。下位レイヤーはイーサリアムになります。

その上にST-20プロトコルが乗り、ST-20プロトコルは今後ERC1400規格(Security Token Standard)に準拠していきます。また、取引所ハッキングの資産流出を考慮して、発行体による強制転送やマルギシグネチャによる送金機能がついています。

Polymath Token Studioでは、WordPressのように情報を埋めていくことによりセキュリティトークンを簡単に発行することができます。その価格は35USDほどで済んでしまいます。これだけ簡単にすることにより、STO市場を活性化できると見込まれています。

Polymathの技術レイヤー

Polymathの技術レイヤー

また、Polymathは日本の市場を重要視しています。現在は規制当局と調整をしており、これからネを張り活動していく予定となっています。

ピッチ後半

ピッチ後半では、ゲームやSTO以外のブロックチェーンを使った取り組みについて取り上げていきます。

Future of Blockchain #2 イベントレポート(ピッチ後半:ゲーム、その他)

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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