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SKYHASH 藤井真幸氏 インタビュー【第1部】そもそも暗号通貨のマイニングとは何か

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筆者自身がここ1年、日本発のブロックチェーンプロジェクトで最も注目しているのがSKYHASHです。SKYHASHは暗号通貨のマイニングにフォーカスし、第3世代マイニングを謳っています。

この思想をひとことで表すと「経済活動を行なっていく上で大切なものを作るプラットフォームである。その上でマイニングという行為は自らお金を生み出す」ということです。

暗号通貨のマイニングという言葉を聞いたことがある人は多いと思われますが、それがどうやって行われているかを知っている人は多くありません。そこで、第1部ではSKYHASHがフォーカスしているマイニングとはそもそもどのようなものか、藤井真幸氏に解説していただきました。

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藤井氏の自己紹介

SKYHASH 藤井真幸氏

SKYHASH 藤井真幸氏

加藤:今回はインタビューよろしくおねがいします。長いので覚悟していてくださいね(笑)

藤井:よろしくおねがいします。

加藤:最初に藤井さんについてお伺いします。もともと何をやっていて、どのようにマイニングに関わってきたのでしょうか?

藤井:私はもともと探偵業をやっていました。

加藤:おお、探偵業ですか!ブロックチェーン業界は、過去のキャリアが多様な方が多いと感じますね。

藤井:探偵業をマスターして独立したあとに仕事がありませんでした。アルバイトをしながら探偵業務をやっている最中、暗号通貨というものに出会いました。その時は、よくわからなかったです。怪しいとは思いましたね。

でも、ちょっと面白そうだと思いました。最初は、探偵の仕事をしながら暗号通貨の勉強とか、金融業をやっていて、じゃあ取引所を作ろうぜという話になりました。

加藤:最初は取引所だったのですね。

藤井:取引所のシステムを作ってもらって、それで走ろうぜというのがファウンダー今井とのスタートでした。2014年半ばですかね。なぜそのとき取引所だったのかというと、ザルだったわけです!皆さんがお金を入れて、入金残高をすべて見られるし、当然どれだけ暗号通貨を保有しているかがわかる。

加藤:取引所側であれば、当然ユーザの状況というのはよく見えますよね。

藤井:これをうちの事務員が使った時に、銀行のシステムと一緒だよねといわれました。それくらい、僕らの一般の人たちが銀行とやっていることと同等レベルのことをできるかもしれないという事業だったので、面白いと感じました。

2016年ですかね、SBIが仮想通貨取引所をやりますと発表して、そこでシフトチェンジしました。さすがにゾウとアリの戦いになるからやめよう、勝てないとなりました。向こうは大量の資金を持っていて、会社のネームバリューも持っていて、僕らのようなこれからやっていこうという会社だと難しいなと。

それで、ウォレットを作ろうとなってウォレットに移行しました。ウォレットはキャッシュポイントを生まないので、僕らの計画ではフリーミアム戦略で、無料でばら撒いてそこに別のアプリケーションをつける予定でした。よくウォレットを作る人は、送金手数料をとればいいと簡単にいうけれども、大量のトランザクションを生まないと会社を維持するくらいのお金って絶対落ちないんですよ。

加藤:確かに、送金手数料はたかが知れていますよね。暗号通貨は、銀行より送金手数料が安いのが売りなわけですし。

藤井:10万ダウンロードいけば少しは送金手数料が積み重なるのかもしれませんが、僕らが最初に目指したのはLINEと一緒で、バーっとばら撒く戦略でした。

例えば、金とペグしたコインを用意して、ゴールドの単価に合わせると。これで何ができるかというと銀行ができるわけです。実際に金をたんすに入れていたら、何かあったときに持って逃げられないだろと。じゃあ、デジタル上に保管したらどうだとやっていくと、みんなが一気に解約しなくなってくるわけです。

100BTC集めたら、みんな引き出さないので30BTCくらいが運用できるわけです。これだったらチャリンチャリンいくよねと思って、ウォレットを作りました。僕らのウォレットはBTCと ETH、XRP、そして僕らの独自通貨に対応していました。ちょうどその時にXRPのウォレットが使えなくなるとリップル社が発表していたので、XRPを保有している顧客を巻き取れるねとなりました。

そこで顧客を囲ってしまえば、ある程度シェアを取れるかなという戦略だったのですが、これもこれでエンジニアにひと槍打たれて案件がだめになって、疲れたころにマイニングをしようかなという話になったんです。

加藤:ここでやっとマイニングの言葉が登場しましたね!

藤井:それで、2016年後半にマイニングをしようとマシンを買って、岡山県のオフィスで運用してみました。当時はGPUマイニングでしたが、実際に運用してみると意外とスペックを維持できました。マイニングをしている人たちは基本オタクなのですが、彼らのコミュニティに入った時に、我々の技術がたまたま高かったことがわかりました。そのきっかけを作ったのが、SKYHASHのマイニングエンジニアの新美でした。

加藤:その頃からは新美さんとお会いしていたのですね。

藤井:彼とは取引所の頃からの付き合いですね。マイニングをやってみようとなった時に、たまたまやってもらったら、コミュニティ内でも「どうやったらそんなことできるんですか?」ということになりました。マイニングは安定稼働しなければいけないので、一定期間自社で運用して1台から10台に増やして、10台から30台に増やして、3箇所にわけました。当時はまだ家庭用電力でやっていたので、1箇所に集中して30台にまわすと毎月100万円以上の電気代がかかるので、費用対効果が合わないのですよ。電力単価が22-23円/kWhくらいでした。

藤井氏らが運営しているマイニング工場

藤井氏らが運営しているマイニング工場

加藤:どれくらいの期間で運用したのですか?

藤井:1年間ですね。地味にテストしていき収益をとりながら、チューニングしてみたりトライアンドエラーを繰り返したりしていました。この時期は、僕はほとんど関わっていませんでしたけれども。

それで、1年くらい回していて、ある程度のスペックが出るということが分かりました。暗号通貨のマイニングは基本的にスペックが落ちていくから、これを放っておけば急降下してしまう。回しているだけで結局採掘できない状態になるんですよ。

でも、うちは安定して同じハッシュレートを維持できたので、これでマイニング工場としてお金集めようという話になったんですね。僕はマイニングをするのが嫌でした(笑)

僕はその時に何をやろうとしていたかというと、暗号通貨のバイナリーオプションです。当時はまだなかったんですよ。

加藤:バイナリーオプションは、今はよく聞くようになった話ですね。それはいつ頃ですか?

藤井:2017年半ばですね。その時は世界中でアメリカに1か所しかなくて、エントリーするたびにBTCを送るんです。

加藤:聞くだけで面倒そうです・・・

藤井:そう、面倒くさいでしょ。僕らはその仕組みでは無理だと思っていたので、ユーザにデポジットさせてHi-Lowと打たせたほうが会社が儲かると考えていました。このシステムは簡単に作れるので、それを販売するか、トレーディングツールを販売するかのどちらかをしようと思いました。

でも、もともとこの業界に入ったきっかけの一番の醍醐味は、1000兆円以上の産業になっていくであろうIT最後の革命といわれているのがブロックチェーンや暗号通貨だったので、そこに乗っかるのであればそのうちのシェアのを取れるよねという、業界に入った初心を今井と話して、マイニングだったらブロックチェーンの根幹技術をやっているところだからそれをやろうとなりました。

2018年の初頭にSKYHASHと僕の日本の法人が提携した発表して、国内最大級のマイニングファームだったんです。すぐにDMMに抜かれたのですが、それをわかっていて、先に発表しました(笑)

加藤:ベンチャーは巨大資本には勝てないですからね。

藤井:一瞬でもいいので、日本一をとっておくかと。そこからSKYHASHのプロジェクトがスタートしていったという感じですね。

加藤:ということは、藤井さんのところがマイニング業界としては間違いなく日本では先駆けだったということになりますね。

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そもそもマイニングって何?

加藤:マイニングというと一般人からは分かりづらいように思います。せいぜい知っていても「仮想通貨が掘れる」くらいだと思われます。そもそもはどのような仕組みか、できるだけわかりやすく教えていただけますか?

藤井:まずはマイニング工場があって、そこにはマイニングマシンがあります。そして、マイニングマシンはどこかのマイニングプールに接続します(図の1と2)。

加藤:必ずマイニングプールに繋がなければいけないのですか?

藤井:いや、そうでもないです。(図の3のように)ブロックチェーンに直接接続するパターンもあり、ソロマイニングと呼びます。

マイニングの仕組みの説明

マイニングの仕組みの説明(1と2はマイニングプールに接続してソロマイニング、3はマイニング工場が直接ソロマイニング)

藤井:簡単に言うとマイニングプールは、みんなの力をあわせてマイニングします。図だと1+2という感じで、この2つのハッシュレートがプールの力になります。このマイニングプールが承認作業で得た報酬が、参加者に分配されることになります。

加藤:報酬はマイニングプール内で承認作業に成功した人がもらえるのですか?それとも、マイニングプールへのハッシュパワー提供の割合で按分されるのですか?

藤井:ハッシュパワーの割合で按分されます。マイニングプールで取った報酬を、マイナーに比例分配します。一方で、自分がマイニングプールより低いハッシュパワーで、マイニングプールに接続せずにソロマイニングをしていると、マイニングプールに接続するよりも計算を当てにくくなってしまいます。マイニングを集団のパワーでやっているのがマイニングプールということですね。

加藤:この話を聞くと、マイニングプールに接続する方がメリットがあるように感じますね。

藤井:これはどちらかというと、経営者と一緒です。給料は貰えないけれど、当たったときのギャランティーは当然でかいですよと(図の3)。こっち(図の1と2)はサラリーマンと一緒です。

ハッシュパワー分を比例分配で貰っているだけの話です。マイニングプールで大きくなってきているのがBTC.comだったりAntpoolだったりします。何十万というマイナーが接続してきているので、驚異的なハッシュパワーを持っているわけです。マイニングプール=マイニング工場と思われがちですが、厳密にはこの図の通りです。

なので、一般的にはマイニングをするにはマシンを買って、マイニングプールに接続して、比例分配で報酬をもらうという形になります。

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第2部の予告

第1部では、なぜマイナーがわざわざマイニングプールに接続してマイニングをしているのか、その仕組みを訊いていきました。

そして、マイニング業界というのは未だに黒いことが多い分野でもあります。そこで、本題に入る前に怪しいマイニング案件や営業マンの嘘の見抜き方など、マイニング業界の闇について訊いていきます。

第2部:マイニング業界の闇を暴く

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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