2019年11月10日、XRPコミュニティ主催のミートアップ「XRP MEETUP JAPAN」が、ブロックチェーンビジネスハブBINARYSTARで開催されました。
このミートアップは日本のXRPコミュニティ主催で開催され、それににも関わらず、リップル社からもメンバーが駆けつけ、業界著名も登壇するなど、豪華な顔ぶれとなりました。
今回は当メディアもプレスとして取材してきたので、その模様を何部かにわたりご紹介していきます。
今回は第3部としてリップル社のCTO David Schwartz氏の講演内容をお伝えします。第2部がまだの方は以下の記事も併せてご覧ください。
▼第2部はこちら
Ripple inc. CTO David Schwartz氏
リップル社のCTO David Schwartz氏の講演では、「XRP Ledgerと価値のインターネット」のテーマで、主にXRPの基本的な技術と価値のインターネットを実現するための取り組みが紹介されました。
まず、Schwartz氏はリップル社について紹介しました。リップル社は2012年に設立され、現在は400名の従業員を抱えています。
リップル社はビジョンに「情報が世界を行き来できるように、価値も自由に行き来できる世界を目指す。」を掲げています。現状は、メールだと簡単に世界を行き来できるにも関わらず、お金はメールのようにいかず、時間とコストがかかります。リップル社ではそのような問題を取り除いていきます。
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XRP Ledgerの紹介
Schwartz氏は、仮想通貨の発展を自動車になぞらえました。世界最初の自動車の量産モデルはフォードのModel Tでした。そこから、トラックなどの特定の用途に特化した自動車が誕生していきました。同様に、仮想通貨も進化するにつれてユースケースに応じた設計のものが誕生しています。このような流れの中、リップルでは決済に特化しているというわけです。
Schwartz氏がブロックチェーンのユースケースを考えている時に、ブロックチェーンの有効なユースケースは結局の所決済だったといいます。そこで、Schwartz氏はブロックチェーンの原点であるビットコインの何が良いかを突き詰め、中央集権的な管理者がいない、透明性がある点であると結論づけました。そこで、これらの良さをXRP Ledgerを通じて伸ばそうと考えたそうです。
XRPはビットコインと比較すると、コストが安くて速い、スケーラブルなソリューションになります。Schwartz氏は、暗号資産の決済という点では、XRPは非常に優秀だといいます。既に5,000万決済を捌いた実績があり、今この瞬間にも毎秒4-5個の取引情報がXRP Ledgerに刻まれています。
そもそも、XRP Ledgerの技術的な革新はなにか?Schwartz氏は、連邦制ビザンチン合意(Federated Byzantine Agreement)、取引の可視化、不変性への違反をチェックする点の3つをあげました。
XRP Ledgerはコードで書かれているので、バグが内在している可能性があります。不変性への違反をチェックする機能があるおかげで、何か問題が起こった時に問題が起きた原因を自動的に確認することができるようになっています。もし、コードにバグがあった場合、この機能によってバグが自動的に発見されるということです。この機能により、Schwartz氏はXRP Ledgerはどの分散台帳と比べても安全でセキュリティが強いと述べました。
また、XRPは連邦制ビザンチン合意(Federated Byzantine Agreement)を採用しています。Schwartz氏はXRP Ledgerの合意モデルを考えている時に、Proof of Workしかないのではないかと思うほどだったといいます。そしてさらに考えを深めていく中で、シンプルにトランザクションを順番通りに合意できれば良いと気がつきました。そのため、正しい取引を順番通りに決済できる仕組みを作りました。
実は、XRP LedgerはXRPだけではありません。ステーブルコインやコミュニティ通貨の発行もでき、分散型取引所がネイティブに統合されています。XRPはこのような機能が早くから実現されていました。それだけ、XRP Ledgerは決済の仕組みが綿密に計画され、組み込まれているものになります。
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価値のインターネット
Schwartz氏は、なぜ決済が大変なのかについて、お互いが相互接続できていないことが原因だとしています。その結果誕生したのが、遅くて高いコストの送金システムになります。しかし、顧客はもっと良い決済を求めています。
Schwartz氏らは、決済の問題を仮想通貨やブロックチェーンが解決できると信じています。しかし、現実問題としてブロックチェーンが登場してからも、それらが相互接続できておらず、結局は新しい問題が誕生してしまったといいます。
そこで、デジタル通貨を既存の決済システムにつなぐことが大切だとし、その前段階としてすべての価値をブロックチェーン上に乗せることが大事だといいます。そのために、誕生したのがInterledger(インターレジャー)と呼ばれるプロトコルになります。
Interledgerは、オープンなプロトコルで、W3Cコミュニティグループにより開発が進められています。このプロトコルは既に稼働しており、あらゆる仮想通貨や法定通貨にも適用することができます。つまり、価値の交換ネットワークをインターネットのように拡張することができます。
Schwartz氏は仮想通貨がもつ他のアセットとの特異性を述べました。これまでのアセットは物理的にどこかにある必要があります。例えば、現金を銀行に預け自身がオーストラリアにいたら決済はうまくいきません。しかし、XRPだと台帳に価値が刻み込まれているので、そのような状態でも決済がうまくいくようになります。このように仮想通貨は他のアセットにはない素晴らしさがあるものだといいます。
最後に、Schwartz氏は価値のインターネットを完成させるには、これまで述べてきた機能が絶対必要なのですと述べ、プレゼンテーションを締めくくりました。
第4部の予告
XRP MEETUP JAPANでは、新たな発表がありました。それがXpringプラットフォームの日本展開になります。会場ではそのミニローンチが行われました。
続いての第4部では、Xpringプラットフォームのミニローンチ、そしてXRP基軸の取引所Bitrue紹介の様子をお届けします。
▼第4部はこちら
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