メディアのデジタルジャーナル主催で「Japan Blockchain Tech Summit with Future of Blockchain #3」が開催されました。筆者が気になった当日のステージの模様をお送りします。
イベントページ:Japan Blockchain Tech Summit with Future of Blockchain #3
ChainUP
ChainUPでは、鄭天宇氏が「ブロックチェーン時代の技術と金融」というテーマのもと自社のビジネスを紹介しました。
ChainUPは、技術を提供する会社です。150人の技術エキスパートを抱え、50以上のウォレット業者、300以上の暗号資産取引所にサービスを提供しています。既に20以上の国にサービスを提供しています。
ChainUPの主要製品は、取引所システム、流動性関連製品、ウォレットシステムから成り立っています。
取引所システムは、自社サーバーに設置できる買い切り型と、クラウド環境に展開するSaaS型があります。SaaS型は、10分あれば自社の取引所が簡単に設立することができます。現物や先物、OTCなど、今どきの取引所に求められるサービスが全て揃っています。
流動性関連製品は、新興取引所でも大手取引所並みの流動性を提供することができます。BitWindと呼ばれるアグリゲーション取引所が用意され、顧客の取引所はそこをカバー先として使うことにより、流動性を獲得することができます。既に200以上の取引所と流動性を共有しています。
ウォレットシステムでは、アセット管理と決済にわかれます。アセット管理では、ホットストレージやコールドストレージ、バックアップまでが提供されます。また、ゲーム入金やECサイト、実店舗決済の仕組みが提供され、ポイントのトークン化も含みます。また、ChainUPでは自社ノウハウを盛り込んだHiCoinと呼ばれる独自ウォレットも提供しています。
最後にChainUPを使った取引所の代表事例が紹介されました。
BiKi.comは、グローバル総合ランキングトップ20に入り、150万近くのユーザー登録があります。さらにDAUが10万人以上と、利用が盛んです。また、GOKO.comでは、登録ユーザーが35万を超え、DAUは3万を超えており、GOKO.comはこの値を設立1年未満で達成しています。
日本ビジネストークン
日本ビジネストークンでは「日本ビジネストークン決済の普及」というテーマのもと、胡逸飛氏が紹介をしました。ちなみに、日本ビジネストークンは、現在IMO ExchangeでIMOを行っています。
日本ビジネストークン(BTE)は、中国の一帯一路戦略に則ったパブリックブロックチェーンプロジェクトになります。現在ロシアやラトビア政府ともビジネスを広げるべく話しているといいます。
既にトークンマーケットを展開しています。その分野は幅広く、会場では「テレビ、メディア、不動産、シニア施設、文化、教育、貯蓄預金、流通、生命科学、SNS、情報コミュニティ、決済、旅行、移民、ショッピング」に使われていると紹介されていました。
日本ビジネストークンでは、トークンの価値の裏付けには自社が保有している資源を用います。それが、カムチャッカの金鉱及び、森林資源になります。
ブロックチェーン自体はサイドチェーンをつくることができ、それぞれの産業ごとに必要な機能を使うことができます。サイドチェーンはスピーディに構築でき、すべての機能が使え、技術成熟し、資金流通が柔軟に行えます。
現在グローバルに数カ国の取引所を有しており、ビジネストークンだけの決済手段や暗号通貨や法定通貨との交換をサポート、さらにクレジット決済ネットワーク3社を利用することができます。
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IMO Exchange
今回のメインスポンサーとなるIMO Exchangeは、FounderのShaw氏が「今ブームのIMOはなぜ人気なのか?」というテーマで講演しました。
IMO Exchangeは「すべての人が平等に参加できる、オープンで透明」な取引所とウォレットのエコシステムを提供しています。
プロジェクト自体は2018年10月からスタートし、2019年7月から正式運営を開始しました。
IMO Exchangeでは、すでに日々4万BTCの取引量があります。すでに世界でトップ20位に入り、ユーザー数は20万人、毎日のアクティブユーザー数は1万人以上になります。取引所パートナー制度を設けており、全世界で2000人を募集しています。
ブロックチェーンプロジェクトは、すぐに成し遂げられるものではないため、1から2年の月日がかかります。その解決策がIMOです。
IMOは私募のための資金調達プラットフォームです。プロジェクトは、複数の段階経ることにより、資金調達をすることができます。IMOを利用することにより、プロジェクトは3から6ヶ月程度の長い期間資金調達をすることができます。
取引所がプロジェクトの監督をすることになるため、投資家はプロジェクトの状況を見ながら投資するかしないかを決めることができ、リスクを減らすことができます。
IMO Exchangeのエコシステムは、ウォレットと取引所分かれます。
ウォレットは私募のプラットフォームになっており、投資家はウォレットからIMOのトークンを購入します。購入すると全体の10%がロックなし、残りの90%がロックありになっています。90%のロックは毎日自然に解除されていきます。
もし、解除する時間を短縮したい場合、紹介制度を使ってロック解除を加速させることが可能です。取引所は私募価格の2から3倍でトークンが取引されているため、早くロック解除できた人は大きなリターンを上げることができます。
現在IMO Exchangeではグローバルで2000人のパートナーを募集しています。パートナーはIMO Exchangeの株主に相当する立ち位置で、プラットフォームから得た収益を享受することができます。ただし、全員が享受できるわけでなく、取引所が用意する貢献指標を満たしたパートナーのみとなります。
ASIA GOLD
AISA GOLDは、ミャンマーの金鉱山の問題を解決を目指しています。
プロジェクトではSDGsの目標のうち「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさを守ろう」への貢献を掲げています。
現在ミャンマーの金鉱山は大きな問題を掲げており、採掘で有害薬品を使うための労働者の身体への負担、手彫りによる生産性の低さ、環境に配慮しない採掘による水害の併発があります。ASIA GOLDではこれらを解決していきます。
AISA GOLDでは、資金調達の際に金と連動しているトークンを発行します。スマートフォンで扱うことができるスマートゴールドであり、本物の金と交換することができます。ここで大事なのが、本当に金があるのかという話になります。AISA GOLDでは、ロンドンの上場企業であるIntertekによる埋蔵量の調査を受けており、3トンの金が埋蔵されていることがわかっています。
ASIA GOLDは、トークンをSTOにより発行します。米国の法律に準拠し、免除プログラムのReg. Dに対応します。Reg. Dによりトークンを発行するため、トークンを購入できるのは米国適格投資家のみになり、STO終了から1年後にトークンが配布されます。
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IPWeb
IPWebは、P2P分散型ストレージのパブリックチェーンのプロジェクトです。非中央集権型インターネットを実現するための基盤となる技術を提供しています。
P2P分散型ストレージは、ブロックチェーンを活用するために必要な技術になります。ブロックチェーンを活用するにあたり、出力されたデータをストレージに入れる必要があるためです。
IPWebが属するクラウドストレージの市場はすでに巨大で、23%の年間成長が見込まれています。しかし、コストが高く、分散型ストレージを使うことにより98%のコストを削減できるとの試算もあります。
しかし、現状の分散型ストレージはデメリットが多く、報酬の仕組みや冗長性のなさがあり、ストレージ効果はよくありません。また、セキュリティが脆弱で盗聴が容易です。それを解決するのがIPWebです。
IPWebは、P2P分散型ストレージにおけるパブリックチェーンで、カスタム性があります。サイドチェーンを作ることにより、独自のP2P分散型ストレージを構築することができます。アーキテクチャには2層モデルを採用し、ストレージと検索用のネットワークを分離することにより、従来より高速なアクセスができるようになります。
インセンティブモデルでは、ストレージを利用するユーザーはIPWトークンで費用を支払います。また、ダウンロードするユーザーも安めの費用を支払うことになります。
IPWebは、3つのプロダクトを用意しており、分散型ストレージの「IPWeb Drive」や分散型Webの「IPWeb Browser」、動画共有サイトのIPWeb.ioがあります。
SKYHASH
SKYHASHは暗号通貨のマイニングを効率化するためのプラットフォームを開発しています。主なターゲットはマイナーになります。
現状のマイニングは非常に厄介で、様々な設定や調整にマシンが必要になり、知識が必要です。市場はよりシンプルで高収益な、コストが低くて済むマイニングを求めています。
SKYHASHの主な技術は、DTS-Optimizer、O2W、O2W-AIになります。DTS-Optimizerは、どのようなマイニングマシンでもハッシュレートを確保できる最適化技術で、国際特許をベースにしています。O2W-AIは、24, 12, 6時間後にどのマイニングコインの価格が上がるかを予想します。さらに、O2Wを使い、マイングするコインを一括切り替えすることができます。
O2W-AIは、現在実証中の機能になるものの、約80%の正答率をを誇り、月額20%の運用益を確保できたといいます。また、O2W-AIはマイニングをしなくてもトレード用途のために利用することもできます。
つまり、SKYHASHのサービスを使うことで、最適化されたハッシュレートで効率の良いマイニングを行い、さらに効率よくトレードを行うことができます。
Health Care Ecosystem Platform
Health Care Ecosystem Platformは医療データをブロックチェーンで利活用するプラットフォームです。
近年の医療業界は、ビッグデータも医療費も増加傾向です。このプロジェクトの根底には、医療データを活用できれば、医療費が下げられるのではないかという考えがあります。
現状は、データが知らないうちに企業間で売買され、自分のデータが売買されても個人は利益を得ることができません。
Health Care Ecosystem Platformが作ろうとしている世界は、自分の医療情報がスマートフォンに入りいつでも確認でき、使うデータの提供可否を決めることができます。さらに、データを提供した場合は、それが還元されるというものです。
最終的には、これらをオープンプラットフォームにしていきます。プロジェクトだけものではなく、生活者やデータ加工業者、トークン発行ノードなど、様々な関係者に開放していきます。
これにより、患者主役でデータ活用側にもメリットがあるエコシステムを構築していきます。
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MDNS
MDNSは、分散型のDNSのプロジェクトです。
インターネットの通信で欠かせないのがDNSです。コンピューターはIPアドレスで通信を行うため、人間には識別しにくいものになります。そこで必要なのがDNSです。”www.tokekn-economist.com”というっドメイン名をIPアドレスに変換することにより、通信が実現しています。しかし、DNSは中央集権管理で、攻撃されやすく、脆弱で非合理的です。MDNSでは、このDNSを分散化します。
MDNSがターゲットとする分散型Webでは、ハッシュで通信を行います。MDNSでは、ドメイン名をハッシュアドレスに変換することで、分散型Webを扱いやすくすることができるようになります。MDNSのドメイン名は競争入札方式で獲得することになります。
ドメイン名の操作はMDNSウォレットから行い、サイト登録もウォレットから行います。
今はテストネット段階で、来年にメインネットローンチします。MDNSでは、ブロックチェーン技術を使って公平なインターネットを作っていきます。
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