まだまだ世間に認知されている状態から程遠いブロックチェーンゲームですが、少しずつですが浸透が始まっています。今回は、ブロックチェーンビジネスハブBINARYASTARの定例イベント第2弾が開催されたので、ブロックチェーンゲームの最新情報を追ってきました。
イベントページ:ブロックチェーンゲーム最新動向と新作ブロックチェーンゲームの紹介【ブロックチェーンゲームミートアップ#2】
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Dapp.com|ブロックチェーンゲーム最新動向
登壇者:藤岡紀光 氏(Dapp.com Japan Lead/株式会社GeekHash CEO)
Dapp.comを運営する藤岡氏は、プレイヤーデータから見るブロックチェーンプロジェクトについて市場データをもとに解説しました。
Dapp.comは、ブロックチェーンアプリケーションのための分析配信プラットフォームを提供しており、DApps版AppStoreを目指しています。Dapps.comにログインすることで、どのDAppsも遊べるようにできることを目指しています。
まず紹介されたのが、最近のDApps市場です。これは8-10月のデータで、ゲーム以外も含まれています。最新のDApps市場では、ゲームが全体の5分の1の取引高になります。全体的にはギャンブルとDeFiが目立っています。
さらにDAppsの可能性を金額から見ていくと、2008年の立ち上がって間もないAppleのAppStoreは売上が4200億円でした。2018年のDAppsの取引高は6700億円になるため、世界的に見るとそこそこの規模が既にあることになります。
ここで、さらにゲーム市場に目を向けてみると、ブロックチェーンゲーム市場は、まだゲーム市場全体の1000分の1程度になります。ゲーム市場が30年以上あることを踏まえると、たった2年しかないブロックチェーンゲーム市場がこの規模なのは健闘している方とも解釈できるといいます。
ブロックチェーンゲーム市場自体は、CryptoKittiesからはじまり、MyCryptoHerosを経て、最近はゲーム性が高いものがリリースされている傾向にあります。また、どんどんプレイの敷居が下がっており、最近は仮想通貨ではなく日本円でゲーム内アセットを買うことができるようになっています。
このようなブロックチェーンゲームですが、従来のゲームと比べるとプレイヤーの傾向は異質だといいます。平均的なユーザーでも一人5万円は課金をしており、少数ゲームに集中して一人で2億円も課金するユーザーもいるといいます。
ヴィ―ナスランブル|ソーシャルゲームからブロックチェーンゲームへ
登壇者:松本健一 氏(株式会社ブループリント 代表取締役社長)
ブループリントは、4年前にD2Cからゲーム事業が分社化され、LostCrusade IIやNBA DREAM TEAM、VENUS RUMBLEの運営経験があります。既存のソーシャルゲームをブロックチェーンゲーム化するユニークな取組みをしており、第一弾はかつて運営してたVENUS RUMBLEになります。
もともと、VENUS RUMBLEはスクウェア・エニックスと共同開発され、2017年8月31日よりサービスを開始し、約1年1ヶ月間サービスを提供していました。それが、今回ブロックチェーンゲームとして生まれ変わります。なお、ブロックチェーンゲーム化にあたって、スクウェア・エニックスは一切関与していないそうです。
VENUS RUMBLEは、コンセプトとして女神とイチャイチャしてハーレムをつくるRPGです。育成アイテムをゲットして女神とイチャイチャしながら親密度を上げ、GVG(Guild vs Guild)で戦うことができます。女神には色々なタイプやアビリティがあります。
また、Live2D機能を実装し、タップする場所で女神が様々な反応をします。松本氏は、女神とのコミュニケーションを通じて推し女神ができ、それが二次創作につながっていけば良いと述べました。
肝心のブロックチェーンは、NFTキャラクターの購入や管理に使われます。さらに将来的には、キリ番やラストワンによる特殊パラーメタやユニークIDを使った施策などが予定されています。
また、ブロックチェーンゲームらしく、ゲームのキャラクターを他のゲームで利用できるようにしたり、声優LIVEの参加券にするなどで、NFTの二次流通価値の向上も図っていきます。
EOS Kights / Knights story|新作ブロックチェーンゲーム紹介
登壇者:Jay Lee 氏(Studio Biscuit社 CEO)
EOS Knightsの制作会社Studio Biscuit社のCEO、Jey Lee氏はEOS Knightsで学んだことを会場にシェアしました。
Studio Biscuit社はゲーム開発企業で、ブロックチェーンゲームと既存のゲームが変わらなくなることを信じてゲーム開発に取り組んでいます。
同社は第1弾としてEOSを用いたブロックチェーンゲーム「EOS Nights」をリリースしました。ブロックチェーンゲームは成約が多いため、EOS Nightsはバトルとアイテム収集といったシンプルな内容になりました。
EOS Nightsを展開するにあたり、3つの大きな制約があったといいます。EOS NightsはEOSを使っているため、EOSウォレットをサインアップし、ゲームをダウンロードし、EOSウォレットとゲームのアカウント同士を紐付ける必要があります。しかし、ウォレット作成の時点で既に多くのユーザーにとっては高いハードルになります。さらにEOSを持っているユーザーが殆どいないため、ユーザーがアイテムを買えない状況が起きました。
そこで、後続タイトルのKnight Storyでは、今までよりはブロックチェーンから離れ、UI/UXの改善に努めました。ゲームをGoogleアカウントでプレイできるようにし、仮想通貨の他に法定通貨の支払いにも対応するようにしました。また、NFTはオープンマーケットでトレードできるようにしました。
この他、複数のブロックチェーン対応にし、EthereumやEOS、TRONやKlaytnに対応させました。
パネルディスカッション Q&A
パネルディスカッションでは、登壇者がお題に対して回答していきました。ここでは、筆者が気になった内容をピックアップしてご紹介します。
1.ブロックチェーンゲームを運営していて、ユーザーから多い問い合わせは?
Jey:ほとんどが登録やログインの仕方になる。ブロックチェーンの難しさが、その原因だ。
松本:ゲームはこれからローンチなのでまだ想定の範囲になるが、自分たちはゲームとNFTの売買機能は別々にリリースするので、直接遷移できないパターンを想定している。
2.プレセールを行う上で気をつけているところは?
Jey:何かを作る前にプレセールをするのはそもそも危険。自分たちはサービスを提供するのでお金をもらっている。プレセールをするのはマーケットを壊しかねない。
3.仮想通貨市場を見ているか?
藤岡:クライアントと接する限り、BTC価格が下がると、どの企業もプロモーションに回すお金が減ってくるようだ。
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