インタビュー

【インタビュー】Ontology 共同創業者 Andy Ji氏 – Ontologyのグローバルなビジネス展開について訊く

Onotology - Andy Ji インタビュー
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中国のブロックチェーン企業Ontology(オントロジー)は、先行したブロックチェーンプラットフォームの企業として知られています。Ontologyは、エンタープライズを中心にアプローチし、ブロックチェーンの社会実装を目指しています。

今回は、共同創業者のAndy Ji(アンディ・ジ)氏からお時間を頂戴し、2020年2月17日に行われた東京ミートアップの前にインタビューを行いました。

インタビュー Ontology 共同創業者 Andy Ji氏

Andy Ji氏の自己紹介

加藤:アンディさんのプロフィールをお願いします。どのような経緯でブロックチェーン業界に入ったのでしょうか?そして、Ontologyでは何をしていますか?

Andy:私は、Ontology共同創業者のアンディです。現在は、投資やエコシステムの構築を率いています。Ontologyは中国のプロジェクトで、プロジェクトをグローバルなレベルにしていくことに注力しています。製品の国際的な認知度向上や、日本や米国、ヨーロッパ法人を立ち上げました。

ブロックチェーン業界との出会いは2013年です。当時リップルという新しいフィンテックの会社があることを知り、面白いと思い、ブロックチェーンや分散台帳技術を調べました。そこで、XRPを買いました。XRPはあまり長く保有していませんでしたが、これが私とブロックチェーン業界との出会いでした。

加藤:なるほど。なぜアンディさんはブロックチェーンが面白いと思ったのでしょうか?

Andy:個人的な意見ですが、ブロックチェーンは人やモノが互いにコラボレーションできる初めてのシステムだと思っています。スマートコントラクトなど、人が何かをブロックチェーンに記録したら、もう改変することができなくなります。

私は、将来的にAIが人の代わりになると思っています。未来では、AIと機械だけで回っていく世界があるかもしれない。そのようなところに、ブロックチェーンの可能性を感じています。

Ontologyの組織紹介

加藤:Ontologyは主に何をしている組織でしょうか?

Andy:現在のOntologyは分散型組織(DAO)です。本部は中国にありますが、米国のサンフランシスコにも拠点があります。どちらでも、ビジネスやシステム開発を行っています。他に、日本やドイツ、韓国にも支社があります。そこでは、コーディングや企業にブロックチェーンを提供しています。世界中に散らばっている企業がお互いにコラボレーションできるように動いています。

Ontologyの競合優位性

加藤:Ontologyが作っているブロックチェーンの優位性は何でしょうか?なぜ、企業や開発者はOntologyを選ぶべきなのでしょうか?

Andy:本当に簡単な理由ですが、支払いにおいてXRPより速くて安い。スマートコントラクトにおいてEthereumより速くて安いという優位性があります。

ビジネスや開発者がOntologyを選ぶ理由は3つあります。

1つ目は、Ontologyがマルチチェーン、クロスチェーンであるので、BitcoinやEthereumなどの様々なプロトコルをサポートすることができ、1つのプラットフォームを選ばなくて良くなります。Ontologyを選んだら全部カバーできるようになります。

2つ目は、企業がOntologyを適用しやすい、開発者フレンドリーである点です。OntologyではIDツール「Smart X」を提供していて、コピー&ペーストするだけでDAppsを作ることができます。そのため、企業は自社のシステムにOntologyを簡単に導入することができます。Smart XはPython言語の開発キットです。我々のスマートコントラクトはPython言語だからです。

3つ目は、Ontologyは大きい組織で、社内のエンジニアが200人程度おり、人員が豊富です。Ontologyの利用者に問題があったら、電話をしてくれればすぐにエンジニアが対応します。EthereumやEOSはコミュニティが大きいですが、社内のエンジニアがいるわけではないので、対応の良さはOntologyの強みになります。

加藤:実際に企業とやり取りする上で、Ontologyのどこが評価されていると感じますか?

Andy:先ほどの2つ目の理由を評価してもらっていると感じています。簡単であるということです。また、Ontologyは国際的な組織なので、国際的なコネクションを使ってビジネスの広がりを手伝うことができ、米国やヨーロッパ、中国にネットワークを持っていることが評価されています。

Ontologyの日本マーケティング

加藤:Ontologyは日本に対して何を期待をしていますか?どのようなマーケティングを展開していくのでしょうか?

Andy:日本に対する期待は3つの領域に分けられます。まずは、デジタルソサエティです。行政と連携して、Ontologyを使えるシーンを増やしていくことです。2つ目は、金融機関と組んでインフラを作っていくことです。例えば、証券取引所やメガバンクと組んでいきたいと思っています。3つ目はゲーミングの世界でOntologyを使えるようにしていきたいと考えています。

実態経済でOntologyが使えるようにし、顧客を増やしていき、日本でも暗号資産として認められるようにしたいと考えています。

加藤:日本はゲームミングが盛んな国ですが、日本のゲーム会社にアプローチする上においてどのような手応えを感じていますか?

Andy:ゲームのビッグプレイヤーはブロックチェーンに興味がないと感じています。既存のもので十分に収益を上げているので、新しいものをやる必要性を感じていないようです。

それに対して、中堅やスタートアップのゲーム企業は、NFT(Non-Fungible Token)に関心があると思っていて、新しい収益源を探している彼らには、手応えがあると感じています。NFTにおいて、デジタル化したアセットの売買でお金を作ることができるので、そこに関心を持っているようです。

だいぶ先になるかは分からないですが、そのうちビッグプレイヤーもこちらに参入してくると思います。

ブロックチェーンのマスアダプションに必要なこと

加藤:現実的に、ブロックチェーンのビジネス適用はまだ模索段階にあるように感じます。ブロックチェーンのマスアダプションには何が必要だと思いますか?

Andy:私はブロックチェーンのマスアダプションについてずっと考えていて、行き着いた答えは利用者の数になります。より多くの利用者がいればマスアダプションにつながるだろうと思っています。そのためには、メインのメディアとつながることが大事で、日本だとLINE、米国だとFacebookのようなところと繋がり、こちらの方に利用者も持ってくることがマスアダプションの第一歩だと思っています。そのため、LINKやLibraとつながることができるクロスチェーンのOntologyには勝機があると思っています。

また、ブロックチェーンということに対する精神的な障壁を下げる必要があると思っています。開発者からみると、ブロックチェーンの開発は難しく、AppStoreやGooglePlayに載せることも難しいので、それを簡単にするためのツールを作りました。利用者に対しては、ウォレットを提供しています。一般の人は秘密鍵を理解できない人が多く、ブロックチェーンはすごく難しいというイメージが強いので、そのようなことを変えなければいけないと思っています。

パブリックブロックチェーンを企業が採用するために必要なこと

加藤:Ontologyはパブリックチェーンですが、企業はまだパブリックチェーンを使いたがりません。GASの問題や、プライバシーの問題、性能やUXなどが様々ですが、アンディさんが考えるパブリックブロックチェーンが企業に採用されるための要素は何だと思いますか?

Andy:この質問は、Onotologyにとってあまり問題ではありません。なぜかというと、我々はマルチチェーンなのであらゆるものに対応できます。企業が、プライベートやコンソーシアム、パブリックが良いとなったら、全部それに合わせることができます。

Andy氏が注目している他のブロックチェーン

加藤:パブリックブロックチェーンは、近年では差別化されているものが出てきています。Ontology以外で、アンディさんがこのパブリックブロックチェーンは面白いと思うものはありますか?それはなぜですか?

Andy:私はブロックチェーン投資家でもあるので、興味があるトピックです。私は2つの視点でみています。1つ目は、私は相互接続性には注目していて、PolkaDotはQ2にメインネットがリリースされるので気になっています。

2つ目が、マスをとれる可能性があるものです。FacebookのLibraやLINEのLINKなど、何百万人もの利用者を取り込むことができるので、とても面白い動きだと思っています。LINEについては、実際にLINKブロックチェーンで何ができるのかをヒヤリングしています。

Andy氏のブロックチェーン愛

加藤:Andyさんはブロックチェーンの話の部分になると楽しそうに話していますね。Andyさんにとって、ブロックチェーンとはどのようなものでしょうか?

Andy:私にとってブロックチェーンは人生です。時には食べ物、時にはすべてです!

もともと私は、中国の大きい金融機関で働いていて、伝統的なビジネスの中にいました。そこにいたからこそ、ブロックチェーンがどれほど新しくて、これが未来であるかと判っています。ですので、私は若い人たちのために未来を創る可能性があるのはブロックチェーンだと思っています。

私にとって、ブロックチェーンは人生であり未来です!

日本の皆さんへのメッセージ

加藤:最後に、日本のみなさんに向けてメッセージをお願いします。

Andy:Ontologyをサポートしてくださり、本当に感謝しています。我々は真摯な気持ちで、日本の皆さんに新しいテクノロジーを持っていきたいと思ってます。それにはどれくらいかかるか分かりませんが、ブロックチェーンという素晴らしい技術をどんどん進化させていきます。Ontologyはグローバルなネットワークですので、日本だけでなく世界中の人々により良い生活をもたらすために頑張っていきます。

Ontologyで、今ある伝統的なインフラを新しい次のレベルに持っていけると思っています。それは、人間と機械が融合していく、そのような未来を持ってくることが私たちのゴールです。

Ontologyに関する情報

公式情報

当メディアによる情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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