プロジェクト解説

匿名スマートコントラクトを実現する「Origo」のプロジェクト概要

プロジェクト解説
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米国最大手の仮想通貨取引所Coinbaseのブライアン・アームストロングCEOが、2020年は匿名通貨の時代になるだろうと述べたように、ブロックチェーンにプライバシーを求める動きは加速しています。

匿名ブロックチェーンは、スマートコントラクトを含めた高度な機能までを対象とすると実装難易度が飛躍的に上がるため、実はそれほど数が多いわけではありません。

今回取り上げるOrigoは、早期からスマートコントラクトのプライバシーに取り組むプロジェクトです。

Origo Network概要

Origoは、プライバシーに特化したブロックチェーンプロジェクトです。2020年1月21日にメインネット Medietasをリリースしました。

ブロックチェーンの未来はパブリックブロックチェーンと言われている一方で、現状は透明性が高すぎて、センシティブのデータが扱うことができません。例えば、サプライチェーンや医療データなどの機密性が求められるものをパブリックブロックチェーンで扱うことは困難です。つまり、現状のパブリックブロックチェーンは企業のニーズを満たしていないということです。

Origoでは、Origo Protocolでゼロ知識証明を利用することにより、スマートコントラクトの入出力のプライバシーを保護することができます。また、利用者のニーズに合わせて、トランザクションの公開/非公開を選択できるようになる他、開発者の学習コストを最小限に抑えられるように、Ethereum互換になっています。

Origo Networkの特徴

スマートコントラクトも匿名化できる

Origoでは、ゼロ知識証明(zk-SNARKs)でスマートコントラクトを匿名化することができます。

Origoのスマートコントラクト実行は、プライバシーを確保するためにコミット、実行、決済の段階に分かれています。クライアント側でコミットを行い、Origo Layer 2 Executorと呼ばれる隔離された環境でコントラクトを実行、そしてチェーンで検証され決済されます。

開発者は、Origoを利用することで自らのDAppsでデータのプライバシーや取引の機密性が求められるコンテンツを扱うことができるようになります。これにより、オークションや保険などのアプリケーションにブロックチェーンを応用しやすくなります。

もちろん、これまでの匿名ブロックチェーンと同様に、送金も匿名化することができます。Origoでは、透明性のあるアドレスと匿名性のあるアドレスの2種類が利用され、それぞれのアドレス同士やアドレス間で送金をすることができます。

Ethereum互換

Origoでは、2種類のアドレスが発行されます。透明性のあるアドレスは、Ethereumと同じ形式になります。

  • 透明性のあるアドレス例:0xeee28d484628d41a82d01e21d12e2e78d69920da
  • 匿名性のあるアドレス例:ogo180m058urhazk8j98zvz9fsq5zd0vd9dpsc8c6ednwd2xkc3l8z9thmxsezepzx4aascp6nrlkd6

OrigoのネットワークはEthereumとの互換性が確保されているため、Ethereum用に開発されたDAppsは、Origoでシームレスに実行することができます。

Origoのホワイトペーパーによると、Ethereum互換の理由はEthereumの巨大コミュニティを取り込む為だとしています。

将来的な開発でスケーラビリティ向上

Origoでは、トランザクションのスループットの改善を計るためにコンセンサスアルゴリズムの最適化、シャーディング、スマートコントラクト実行速度を改善するための拡張仮想マシンの技術を取り入れていく予定です。

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Origoで使われるコイン

コイン用途

Origoではブロックチェーン上で基軸通貨となるOrigoコイン(OGO)を扱います。既にリリースされているERC20トークンは、取引所を経てメインネット向けコインにスワップされます。

OGOコインは、総発行数が10億OGOになり、EthereumのGASと同じような役割をします。10億OGOのうち、およそ24%はマイニング報酬として割り当てられています。

主要な取り扱い取引所

Origoのロードマップ

  • 2018年12月:機密トランザクションが可能なテストネット「Originis」をリリース
  • 2019年4Q:メインネット「Medietas」- メインネットリリース →実際は2020年1月21日にリリース
  • 2020年1Q:メインネット「Adscensus」 – プライバシー保護された内蔵スマートコントラクトを有効化
  • 2020年2Q:メインネット「Infinitas」 – 開発者が安全で検証可能なスマートコントラクトで独自のプライバシー保護を作れるようになる

Origoに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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