コラム

Filecoin(ファイルコイン)のマイニングサービスはどれを選べば良いか

Filecoin_IPFS Cloud コラム
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現在Filecoin(ファイルコイン)のマイニングサービスが多く出ており、それらの差は投資家からはわかりにくいものになっています。

最近、筆者のもとには「Filecoinのマイニングサービスでこういう話が来ているんだけど大丈夫?」という相談が相変わらずよくきます。

この記事では、メインネットのマイニングが本格的に行われている2020年11月11日において、その注目ポイントをお伝えしていきます。

そもそもFilecoinのマイニングサービスとは

自分が投資しているものが何かを理解することは極めて重要です。一般的にFilecoinのマイニングサービスでは、サーバーのストレージを期間限定で区分所有するイメージになります。

Filecoinのマイニングサーバーの一例

例えば、サーバーに100TiBのストレージが搭載されて、自分が10TiBのストレージを契約した場合、サーバーから得られるFIL(Filecoinの仮想通貨のこと)の10分の1が自分に比例配分されることになります。実際には、ここから管理費が差し引かれます。

FILの配分方法は、マイニングサービス業者に委ねられるため、業者の都合で配分が止まるリスクはいずれにも存在しています。そのため、その業者を信じるしかないという前提があるため、しっかり業者の真正性について確認する必要があります。

Filecoinのマイニングサービスの見極めポイント

多くのマイニングサービス業者は、容量あたりの単価やマイニング規模を売りにする場合がありますが、そこはあくまでも検討のための一要素にしか過ぎません。

Filecoinのマイニングサービスの良し悪しは、投資の観点でみると以下の要素を総合した値になります。

  1. 1 TiBあたりのマイニング効率(高いほど良い)
  2. 報酬率・還元率(高いほど良い)
  3. ストレージ充填率(高いほど良い)
  4. データ処理の失敗率(低いほど良い)

これらの多くは、Filecoinの統計サイト(FilfoxFILscout)を利用して確認することができます。確認の際にはマイニングサービス業者のマイナーIDが必要になります。マイナーによっては複数のIDが存在しているので、サービス業者に問い合わせてみると良いでしょう。

もし開示を断られた場合は、その時点で投資検討対象から外すことをお勧めします。たとえパフォーマンスが良くないとしても、誠実な業者であれば開示してくれるからです。

ここからは前述の要素の解説になります:

1 TiBあたりのマイニング効率

この値は、高いほど良いです。

1 TiBあたりのマイニング効率は、ストレージ容量1 TiBあたりでどれだけのFILをマイニングできるかの指標です。

最近は、大手のマイナーであれば、値が横並びにな傾向があります。それでも、5-15%のパフォーマンス差があります。これは1年マイニングを回すと1ヶ月分の差が出ることになります。

報酬率・還元率

この値は、高いほど良いです。

マイニングサービスは、マイニングしたうちの100%を還元するわけではありません。そのうちの、いくらかを管理費として徴収し、残りを投資家に配布します。

一般的には、60-85%が投資家に還元されます。MLMで広げているサービスは還元率が低く、直販しているサービスは還元率が高い傾向にあります。

ストレージ充填率

この値は、高いほど良いです。

Filecoinのマイニングは、過去に取引されたデータをきちんとストレージに収め続けているマイナーに対して高いマイニング報酬を出すようになっています。仮に、100TiBのストレージがあり、そのうち50TiB分のデータが充填されている場合、50TiB分に対してマイニング報酬が出されます。

マイニングをするには、予めFILを調達して担保入れする必要があります。担保入れが必要なFILは、マイニングする容量分になります。例えば、100TiBのストレージを保有していたとしても、担保入れしたFILが30TiB分しかなければ、充填できるデータ容量は30TiBが上限となります。

つまり、全ストレージ容量に対してFILが担保入れされ、その後マイニングが進行してストレージ充填率が100%になったときが最もマイニングパフォーマンスが高い状態となります。

ここまで読むと察しがつく通り、これは契約に依存する要素です。通常、契約がスタートするとストレージの充填率は0%からスタートするからです。

データ処理の失敗率

この値は、低いほど良いです。

Filecoinでは、データ処理をセクタ単位で扱っており、この処理の成功率が判断要素の1つになります。処理がうまくいかないと、FilecoinではマイナーがデポジットしたFILが減らされるというペナルティが用意されており、それは結果的に投資家の収益を下げることに繋がるからです。

どのマイナーもデータ処理の失敗率はさほど高くありませんが、ペナルティそのものが大きいため、少しでも失敗率が低いところが望ましいです。

見極めポイントの個別要素

統計データの確認には「Filfox」を使用します。是非、Filfoxとにらめっこしながら解説をご覧ください。

”https://filfox.info/en/address/<マイナーのID>” と打ち込むと、マイナーのマイニングパフォーマンスを直接確認することができます。

セクタのデータ処理の成功率が高いか

Filecoinは、データ処理をセクタ単位で行っています。この処理の失敗比率が大きければ、問題があると判断できます。

この要素は「Sector Status」から確認することができます。「total」は、処理が試みられたセクタ数の総計になります。そのうち正しく処理できたものが「active」、処理に失敗したものは「faults」、失敗の後に自己修復したセクタは「recoveries」になります。faults及びrecoveriesの値が小さいほど良く、理想は両者が0になることです。

良い例では、faults及びrecoveriesは0になります。悪い例では、全体に対してfaultsの割合が多めになっています。

セクター処理

ストレージパワーが安定して推移しているか

Filecoinでは、マイナーはネットワークに対してストレージパワーを提供します。ストレージパワーとは、FILの担保入れが完了し、実際にマイニング可能になっているストレージ容量のことを指します。そして、ストレージパワーが安定して提供され続けていると、報酬獲得のための高いスコアリングがされるようにっています。

この要素は「Power Change」から確認することができます。

Filecoinでは、ネットワークから新たに有効とみなされたストレージパワーが「Adj.storage Power Growth」となり、その累積が「Adj.storage Power」となります。

ストレージパワーにおいては、「Adj.storage Power Growth」でマイナスがないことが重要です。加えて「Adj.storage Power」が右肩上がりであることが望ましいです。前述のストレージ充填率が高ければ、この値の立ち上がりは速くなります。ただし、マイナー全体でストレージ充填率が100%になるとこの値の上昇はストップします。

良い例では、常にAdj.storage Power Growthがプラスで安定的に推移しており、時間経過とともにAdj.storage Powerが右肩上がりになっています。そして、できるだけ直近でも上昇していることが望ましいです。悪い例では、Adj.storage Power Growthがマイナスに触れることもあり、Adj.storage Powerが一時的に落ち込むことがあります。

ストレージパワーの変化が安定しているか

1TiBあたりのマイニング効率が良いか

上記の要素を総合した値は1TiBあたりのマイニング効率にも反映されます。この値は「Mining Efficiency」から確認することができます。

例は、7日間で比較した場合です。良い例では、1.59 FIL/TiBに対して、悪い例では1.38 FIL/TiBになります。仮に、1 FIL = 3,000円として、このままの収益で推移するとした場合、良い例だと24.87万円、悪い例だと21.58万円が年間収益見込みになります。これは13%程度のパフォーマンス差になります。

1TiBあたりのマイニング効率

単価やコストが妥当か

他のサービスと比較可能な場合、1TiBあたりの1年単価のマイニングサービスのコストを比較してみます。

マイニングサービス業者を比較して、たとえ1TiBあたりのマイニング効率が同じだとしても、コストの割合により利益が異なる場合があります。一般的にあげられるコストとしては管理費があります。また、販売方式にMLMを採用しているマイニングサービスは、それ自体のマイニング効率が良かったとしても、紹介報酬分のコストがある分、結果として投資家の手残りが少なくなります。

また、1TiBあたりの1年単価が高いからといってそのサービスが悪いとは限りません。単価が高くても、担保入れするFIL代が含まれている場合は、マイニングパフォーマンスの立ち上がりは速くなります。逆に、単価が低いと、初期段階ではマイニングされた分が担保に回されるため、パフォーマンスの立ち上がりは遅くなります。しかし、後者のほうがお財布には優しいです。単価が高いのに、FIL代が含まれていない場合、そのサービスは疑うことをお勧めします。

契約期間が妥当か

マイニングサービスの一部では、5年を超える長期契約ができるものが存在しているようです。しかし、契約期間が長いからといってそれが必ずしも良いとは限りません。

例えば、5年契約をした場合、自分が投資したお金を使って機器が5年間押さえられることになります。しかし、IT機器の性能向上速度は速いため、同じ機器を5年間押さえるよりは、2-3年程度の期間で契約して、その後に登場したより最新の機器でマイニングするほうが総合的なパフォーマンスを上げられる可能性があります。

特にストレージ機器は、IT機器の中でもライフサイクルが短めのものになります。利用者が年を追うごとに大きなデータを預けていく傾向にあり、さらにストレージそのものの消耗が激しいからです。ストレージは消耗品です。HDDではヘッダが摩耗し、SSDでは内部の絶縁体が劣化していきます。

一般的に、ストレージを大量に積んだファイルサーバーの製品サイクルは2から3年になります。そのため、契約期間が2から3年にして、1TiBあたりの1年単価が割安になる場合は、その期間を目安に契約するほうが、1年契約よりも総合的にプラスに作用する可能性があります。

見極めポイントのまとめ

Filecoinのマイニングサービスでは、必ずしもマイニングの容量単価が収益に大きく貢献するわけではありません。

セクターのデータ処理の失敗がなく、マイニングパワーが安定して推移しているマイナーが、結果的に良いマイニング効率を確保することができます。そのため、お金の面だけにとらわれず、総合的に見ていくことが必要になります。

実際にどのようなマイニングサービスを選べばよいのか

2021年2月26日に、最新状況を踏まえた記事「Filecoin(ファイルコイン)でベストな投資パフォーマンスを得るための方法」を公開しています。併せてそちらもご覧ください。

筆者もいち投資家であるため、このトピックは非常に関心があるテーマになります。現時点で得られるデータやコスト面、手の届きやすさから総合して、FIL POWER(旧 FILECOIN MINER)はより良い選択肢になる可能性があります。実際に、これはポジショントークではなく、後述するように第三者で確認可能なデータから良いと判断することができます。

FIL POWERは、中国NONENTROPY社のマイニングを採用し、高いマイニング効率を獲得しています。NONENTROPY社のマイナーに関するデータは、Filfox上にてf020331(NONE-π)とf010056(NONE-Maxwell’s Demon)のマイナーIDから確認することができます。

FIL POWERの優れている点

1.セクタのデータ処理の成功率が非常に高い

FIL POWERは、セクタのデータ処理の成功率が非常に高くなっています。

主力マイニングノードのf020331に関しては、2020年11月11日時点においてSector Statusが「299,716 total, 299,716 active, 0 faults, 0 recoveries」となっており、処理失敗(faults)が1件もありません。

これは、データ処理の失敗により、担保となるFILが取り上げられるペナルティが無いことを示しているため、安定してマイニング収益があげられることを示しています。

FIL POWERのデータ処理失敗数

2.ストレージパワーが安定して推移している

FIL POWERは、セクタのデータ処理の成功率が非常に高いため、ストレージパワーが安定して提供され続け、報酬獲得のためのスコアリングが高くなっています。

主力マイングノードのf020331に関しては、Adj.storage Power Growthがマイナスになることがなく、時間経過とともにAdj.storage Powerが順調に上昇しています。

FIL POWERのストレージパワー

3.1TiBあたりのマイニング効率が良い

FIL POWERでは、2020年11月11日における直近1週間のマイニング効率が、以下のようになっています:

  • f020331:1.60FIL/TiB
  • t010056:1.41FIL/TiB

マイナーのマイニング効率平均は1.33FIL/TiB程度になるため、それよりも6.0%, 13.4%高い値になります。これは、マイニングを1年まわすと1ヶ月分のパフォーマンス差になる可能性があります。

FIL POWER独自のマイニング数量保証プラン

FIL POWERのプランは3年契約が前提となっており、容量に応じて7つのプランが存在しています。1TiB/年あたりの単価は、相場と比べて安めに設定されています。

そして、最も特徴的なのが1TiBあたり40FILの分配保証が付いている点です。これは、3年間で必ず1TiBあたり40FILのマイニング数量を保証するというものです。

いずれのプランでも、マイニングされたうち管理費として28.5%がかかり、71.5%が投資家に還元されます。注意点として、FIL分配保証の枚数を超えると、契約が終了するまでの期間は成果報酬が取られる形になり、還元率が35.75%になります。

プラン名 契約TiB数 価格
(税抜)
価格
(税込)
FIL分配保証 TiB単価 TiB単価/年 FIL取得コスト
(保証FIL分)
ブロンズプラン 1 77,000 円 84,700 円 40 77,000 円 25,667 円 2,117.50 円
シルバープラン 4 300,000 円 330,000 円 160 75,000 円 25,000 円 2,062.50 円
ゴールドプラン 8 595,000 円 654,500 円 320 74,375 円 24,792 円 2,045.31 円
プラチナプラン 16 1,170,000 円 1,287,000 円 640 73,125 円 24,375 円 2,010.94 円
ダイヤモンドプラン 40 2,880,000 円 3,168,000 円 1,600 72,000 円 24,000 円 1,980.00 円
ミリオンプラン 80 5,680,000 円 6,248,000 円 3,200 71,000 円 23,667 円 1,952.50 円
ロイヤルプラン 160 11,200,000 円 12,320,000 円 6,400 70,000 円 23,333 円 1,925.00 円

マイニング開始からFIL配布までのスケジュール

FIL POWERを申し込んでも、マイニングが開始になるまでは時間を要します。

まず、マシンの調達が行われ、その後約135日間かけてストレージパワー及び担保の充填を行います。この間は、マイニングパフォーマンスが高くないため、マイニングされたFILはマイニングのための担保に回されます。そして、契約から180日後にマイニングされたFILを引き出すことが出来るようになります。

FIL POWERのマイニング時間軸

参加方法

FIL POWERでは、まずユーザー登録をして、その後「購入」からご自身が気になるプランを選択します。購入方法は、日本円の銀行振込の他、暗号資産払いに対応しています。暗号資産払いでは、以下のリンクからユーザー登録し、BTC, ETH, USDTで支払うことができます。いったん、支払い用のウォレットにチャージする必要があります。

FIL POWERに参加する

ユーザー登録すると以下のような画面が表示されます。左がマイページになります。「ウォレット」に購入に使用する通過をチャージし、画面下の「購入」から右のようなプラン一覧に飛び自分が希望するプランを選択します。

FIL POWERのユーザー画面

▼FIL POWERに関する公式情報

FILECOIN MINER
日本国内初国内唯一のIPFS専用サーバーレンタルサービス。業界最高の効率性を実現。

マイニングサービスの比較

マイニングサービス間のパフォーマンスを比較するための専用サイトを作成しました。

実際にマイナーごとの良し悪しを確認することができます。

https://www.filecoin-mining.net/
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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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