2020年10月28日から30日にかけて、幕張メッセで久々のブロックチェーンの大型イベントとして「第1回 ブロックチェーンEXPO【秋】」が開催されました。本イベントの第1回は、当初は今年の4月に開催される予定だったものの、新型コロナの影響で秋にスライドされる形になりました。
今回は、筆者が取材した企業で、どのような展示を行われていたかをご紹介します。
Ontology Japan
Ontology Japanは、グローバル展開しているブロックチェーンプロジェクトOntologyの日本支部です。Ontologyは、ビジネス利用を想定したOntologyパブリックブロックチェーンをリリースしており、その暗号資産はONT, ONGとして知られています。
Ontologyは、ブロックチェーンの技術進捗やビジネス実装が進んでおり、技術面では直近では分散型データマーケットプレイス「SAGA」をリリースしました。また、ビジネス面では大手自動車とのダイムラーとの提携を発表しており、車のスマートデバイス化に同社の分散型ID技術が使われるようになります。
日本支部代表の片山氏は、「来場者の多くは『ブロックチェーンで何ができますか?』という質問が多く、企業がブロックチェーン活用を手探りで模索しているようだ」と語りました。
チェーンアップジャパン&VIVE Corporation
チェーンアップジャパンは、世界の暗号資産取引所300社以上を顧客に持つ、世界大手の暗号資産技術プロバイダーChainUPの日本支部です。
同社は、暗号資産取引所に向けたクラウドサービスや流動性ソリューションの他、ウォレットやブロックチェーン開発やPoC実施のサービスを提供しています。取引所のクラウドサービスについては、日本の証券会社から問い合わせが来ている状況だといいます。
また、直近で開始したFilecoinのマイニングサービス「File Hash」について、同社によると「Filecoinマイニングが話題になりつつあるのか、会場で問い合わせてくる人が多い」といいます。
共同出展しているVIVE Corporationは、同社の新製品であるウォレット「Onellet」(公式ページ未公開につきTwitterリンクを掲載)を展示していました。一般的なウォレットで使えるメジャーな暗号資産はもちろんのこと、Filecoin(FIL)やBitcoin Vault(BTCV)にも対応しています。同社の担当者は「極力、日本のユーザーが好む暗号資産には対応させていきたい」と語りました。
bitFlyer Blockchain
会場で最も多く人が入っていたのが、bitFlyer Blockchainでした。同社は、暗号資産取引所のbitFlyerのブロックチェーン事業部からスピンオフしており、企業のブロックチェーン導入コンサルティングやエンタープライズブロックチェーンのmiyabiについての展示を行っていました。
展示では、同社のブロックチェーンIDのソリューションである「bPassPort」や、オンライン株主総会のための投票システム「bVote」の他、住友商事との不動産分野での共同事業や、分散型翻訳プラットフォームの事例が紹介されていました。
ソラミツ(一般社団法人日本ブロックチェーン協会)
ソラミツは、一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)のブースに共同出展していました。
同社は主力製品としてHyperledger Irohaをブロックチェーンレイヤーに組み込んだ「UNKAI/雲海」の提供を開始しました。UNKAIでは、企業はサプライチェーンや決済、KYCを含むサービスを簡単に構築できるようになります。また、地域通貨の「白虎」はこれから行政を巻き込んで拡大していくことが紹介されました。
ソラミツの担当者によると「本当はUNKAIを大きく押したかったが、カンボジアのCBDCのBakongが稼働開始になり、そちらが話題になってしまった。Bakongは、既に動いているCBDCなので、中国より先にリリースすることができた」と、同社の製品力に自信を見せました。
Hashkey DX
Hashkey DXは、同社が所属するHashKeyグループや提供しているソリューションについて紹介していました。
HashKeyグループは、中国を主拠点に、日本を含むアジア圏に展開しています。600人以上の人員を有し、ブロックチェーンの幅広い領域を手掛けています。ブロックチェーン分野は6年前から手掛けており、既にこの分野としては老舗に入ります。
同社では、企業のためのブロックチェーン開発やコンサルティングサービス、システム監査「SLOWMIST」やリサーチの他、暗号資産分野としてはEthereum 2.0やPolkadotのステーキングサービスである「HashQuark」を紹介していました。
アバンギャルドチェーン
アバンギャルドチェーンは、同社のブロックチェーンゲーム「クリプトガールズフロントミッション」やインフルエンサーメディアの「I-TOPICS」などを紹介していました。
筆者がブースを通りかかった際には、NFT(非代替性トークン)のユースケースについて紹介しており、人だかりができていました。
コインポスト
コインポストは、日本発のブロックチェーンメディアです。閲覧者数がの成長が著しい同社は、日本語のみのメディアにも関わらず、全世界のブロックチェーンメディアの中で閲覧数3位を獲得しています。
これについて、担当者は「規制面が整ってブロックチェーン事業者が業界に参入してきた点、DeFiブームなどが要因で閲覧者数が増えているのではないか」と語りました。
コインテレグラフジャパン
コインテレグラフジャパンは、ウララコミュニケーションズが運営するコインテレグラフの日本版です。担当者によると、最近は相場記事が読まれており、ビットコインの価格回復に伴いユーザーの関心が戻ってきているようだといいます。また、最近は動画コンテンツに力を入れているので、是非見て欲しいと語りました。