インタビュー

【インタビュー】Lambda – グローバルパートナー Eric Greensmith氏 先行する分散型ストレージの取り組み

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ブロックチェーン界隈では、Filecoinをはじめとし、分散型ストレージに注目が集まりつつあります。そこで、当メディアではこの手のプロジェクトとしては先行してメインネットをリリースした分散型ストレージプロジェクト、Lambdaにインタビューを行いました。今回インタビューの窓口となったEric Greensmith氏は、グローバルのエコシステム構築の責任者になります。

Lambda グローバルパートナー Eric Greensmith氏インタビュー

Lambdaプロジェクトの背景

加藤:Lambdaプロジェクトの発足経緯を教えてください。

Eric:我々がLambdaを立ち上げた理由は、ブロックチェーンのビジネスモデルに大きな価値と可能性があるからです。

創業者の得意分野はテクノロジーとビジネスモデルです。シリコンバレーの投資の第一人者であるPeter Thiel氏は著書「ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか」の中で、技術革新には2つのタイプしかないと考えています。1つ目は0から1へ、つまり存在しないものを創造すること、2つ目は1からnへ、つまりグローバル化をしていくことです。

ビジネスモデルの革新については、あらゆるビジネスを生産と流通の2つのレベルに分けることができます。そのビジネスが良いかどうか、ベンチャーキャピタルに人気があるかどうかを評価するには、上記の2つのレベルの能力を考慮する必要があります。

したがって、ビジネスの分野で差をつけようとするならば、まず0から1までの方向軸、つまり価値ある製品を生み出せるかどうか、次に1からnまでの方向軸、つまり生産と流通のスケーラリゼーション能力を確立する必要があります。

一方で、ソフトウェア企業にとっては、オープンソース志向、コミュニティ志向が最も科学的で最良の選択であり、最も科学的な選択になります。これはブロックチェーン業界でも提唱されている考え方です。ブロックチェーンのトークンエコノミーは、多くの分野でビジネスモデルを完全に変えてしまいました。そのため、我々はブロックチェーン業界でイノベーションを起こし、探求を始めようと決意しました。

我々が分散型ストレージに着目した理由は、分散型ストレージはブロックチェーンとオフチェーン領域の架け橋になることができるからです。そして、我々は、ブロックチェーンは将来の取引モデルとデータに変化をもたらすことができると信じています。それは将来的な経済モデルの土台となるものです。分散型ストレージのパブリックチェーンは、必然的にブロックチェーンの重要部分になることでしょう。

分散型ストレージの信頼性

加藤:Lambdaが焦点を当てている分散型ファイルシステムは、まだ新しいため、人々はその安全性を信じきれずにいます。分散型ストレージは、何が優れているのでしょうか?

Eric:DropboxやGoogleドライブなどの集中型のオンラインストレージは、今やデータを保存したり共有したりするのに便利な場所になっています。これは、そのようなシステムの開発に多額の費用が費やされたためです。彼らがそれらを使いやすくしたことで、人々はそのようなサービスを使うことに慣れています。

同時に、2005年以来Googleが企業顧客のパスワードを平文で保存していたことを知っている人はあまりいません。クラウドサービスの使いやすさと便利さは、ユーザーがサービスを信頼することを強制させます。サービス提供会社が不正をしたとしても、必ずしもその報告が受理されるとは限りません。プライバシーを気にする人にとって、これは問題になる可能性があります。

我々は、分散型ストレージの利点は、ブロックチェーンストレージの特性を最大限に活用できる点にあると考えています。それらの特性は、分散型でデータ検証が可能で、透明性があり、なおかつプライバシー保護をすることができます。これらの分野において、分散型ストレージは集中型ストレージと比較することができます。分散型ストレージには、絶対的な利点があるため、我々は分散ストレージの価値を探るためにこれらの領域に焦点を当てる必要があります。

分散型ストレージの今後発展していくだろう利用シーンは3つあります。 1つは、秘密鍵などの価値あるデータの保管です。 2つ目は、長期保存する長期データです。 3つ目は、コールドデータのバックアップです。

Lambdaプロジェクトの紹介

加藤:Lambdaプロジェクトとは、どのようなプロジェクトですか?どのようなペインポイントを解決しようとしているのでしょうか?

Eric:Lambdaのミッションは、インターネットの分散化を推進することであり、次世代ブロックチェーンのためのストレージインフラを構築することを目標としています。

そのミッションに沿う形で作られたLambdaは、安全で信頼性が高く、無限に拡張可能な分散型ストレージネットワークです。Lambda Chain Consensus Network上でデータの保存、データの整合性チェック、セキュリティ検証、ストレージ関連サービスのマーケットプレイスを実現します。

Lambdaにはデータストレージ機能があります。ストレージマイニングは2ヶ月で活性化され、各種指標(エクスプローラより確認可能)は比較的安定しています。

Lambdaの次の重要なタスクは、ストレージ関連のビジネスサポートを提供することです。基本コンポーネントのサポート、ストレージ標準やツールのサポート、金融サポート、クロスチェーン需要のサポートなどがあります。

現在、我々は他のエコロジーとのパートナーシップを進めています。分散型ストレージがブロックチェーンエコシステムにサービスを提供し、伝統的な産業と統合できるようにしようとしています。分散型ストレージのビジネスは今後も拡大していくことでしょう。

Lambdaトークンについて

加藤:Lambdaには2種類のトークン(LAMB, TBB)があるため、利用者にとっては分かりづらいです。それぞれどのような特徴があるトークンなのか、簡単に教えていただけますか?

Eric:Lamndaの経済システムでは、ノード、パートナーノード、ストレージマイナー、投票者、ユーザー、マーケットメイカーなど役割が存在しています。人々は、この経済システムに貢献して利益を得ることができます。しかし、シングルパスとしてのLAMBでは、彼らの多様なニーズを満たすことができなくなります。その結果、我々はLambdaエコシステムの経済モデルを改善し、さらに経済圏を発展させるために、ストレージ資産と連動させるためのTBB(Terabyte Coin)をリリースしました。

Lambdaのトークンエコノミーは、デュアルトークンモデル下で機能します。 LAMBの主な機能は、経済システム内で循環し、マーケットの規制の役割を果たすことです。また、ストレージ資産を下支えするものでもあります。

詳しくは「The introduction of Lambda Dual-Tokens design and model」をご覧ください。

パートナーシップ

加藤:Lambdaは、現在どのようなプロジェクトとパートナーシップを結んでいますか?彼らは、Lambdaのエコシステムにどのように貢献しますか?

Eric: Lambdaメインネットをベースにした新しいプロジェクトVodaについてご紹介します。Vodaは分散型データオラクルとデータ取引のプロジェクトです。取引されるデータは、画像、コンテンツ、著作権、コーディング情報などがあります。ブロックチェーン産業における適切なデータトランザクション市場を実現するためには、市場志向と分散型プラットフォームが必要であり、今後の重要な方向性となるでしょう。

また、より多くのアプリケーションは、分散型ストレージとブロックチェーン経済モデルに対する高い需要を持っています。Lambdaメインネットは、著作権、アートコピー、コンテンツ、ビデオ、ハードドライブのアプリケーションを構築するのに役立ちます。

Vodaについての詳しくは「Voda AMA Live with Lambda (LAMB)」を読むことをお勧めします。

ロードマップ

加藤:今後のロードマップについて教えてください。利用者にとっては、どのような新たな体験が期待できますか?

Eric:ストレージが商用段階に入り、Lambda Xプロトコルもリリースされたことから、我々は今後2?3年でLambdaネットワーク上に多くのアプリケーションを呼び込むことを目指しています。すべてのアプリケーションはLambdaのマイナーが提供するストレージサービスを利用することができるので、マイナーはより多くのマイナーオプションを持ち、経済システム全体を豊かにすることができます。適正な経済システムは、長期的にはより健全なビジネス基盤を持つことになります。

競合のFilecoinについて

加藤:最近世界ではFilecoinが話題になっています。Filecoinは、Lambdaとの競合に当たるわけですが、率直にどのように思っていますか?

Eric:LambdaはPOSTアルゴリズムを採用しています。最近、Coinbaseが新しいトークンの上場を検討し始めました。その候補には、17のトークンがあります。Filecoin、Spacemesh、Chia Networkです。これらはすべてPOSTコンセンサスアルゴリズムが採用されています。ですが、現在のところマイニングはできません(筆者注:インタビューは、Filecoinのメインネットがリリースされる前に行ったため、Filecoinのマイニングは開始されていませんでした。)。しかし、データストレージの分野では、FileCoinやIPFSは非常に人気のあるプロジェクトです。

POST(Proof-of-Space Time)が何かというと、時空間証明アルゴリズムのことです。初期のアルゴリズムでは、時間側面の要素が用いられます。時間軸における空間とその相関関係について合意形成を行うものになっています。具体的な実装形態は、各プロジェクトによって異なります。

FileCoinはコンセプトカーであり、Lambdaは生産中の車といえます。Lambdaは、目標を一歩一歩達成するために、機動的で革新的な方法で物事を行っていきます。我々は自分たちの強みを隠すことなく、長い間ひっそりと製品開発に明け暮れることには弊害があると考えています。

しかし、我々とFilecoinの理想は同じで、根本的な変革をしたいと考えています。つまり、現在のブロックチェーンがデータを保存できるようにするために、ブロックチェーン上に保存モデルを導入するということです。

そのため、FileCoinはよりアカデミックなLambdaのようなものであり、Lambdaはより実用的な“FileCoinの妥協版”と解釈することができます。我々は非常に長い時間をかけて業界にこの分野に専念しているFilecoinに対して尊敬しています。

今後の意気込み

加藤:読者に対して、これからの意気込みをお願いします。

Eric:Lambdaは地道なエコシステム開発によって強くなりましたが、私たちはLambdaのエコシステムについて多くの人に知ってもらい、話題にしてもらえるようなことをしようとしています。これがLambdaのマイナーと参加者の期待になります。

Lambdaについての情報

 

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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