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【インタビュー】グローバルウェイ/TimeCoinプロトコル 代表 各務正人 氏 – 第3部:eSportStarsの界隈の反応とIEO

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今まで暗号資産を使ったプロジェクトはベンチャー企業が主でしたが、規制の整備進行に伴い、徐々に上場企業が参入するケースが増えてきました。今回は、東証マザーズ上場企業の株式会社グローバルウェイの取締役会長 各務正人(かかむ まさと)氏らが取り組む、TimeCoinプロトコルについて伺いました。

本記事は4部構成になっており、第3部では、TimeCoinプロトコルの最初のサービスeSportStars(略して、いぽすた)について、ゲーム会社やユーザーが実際にどのような反応を示しているかを伺っていきます。また、IEOについて資金調達額や取引所の選定について訊いていきます。

第2部がまだの方は、以下のリンクを先にご覧ください。

【インタビュー】グローバルウェイ/TimeCoinプロトコル 代表 各務正人 氏 - 第2部:TimeCoinを使った最初のサービスの戦略
今まで暗号資産を使ったプロジェクトはベンチャー企業が主でしたが、規制の整備進行に伴い、徐々に上場企業が参入するケースが増えてきました。今回は、東証マザーズ上場企業の株式会社グローバルウェイの取締役会長 各務正人(かかむ まさと)氏らが取り組...

第3部:eSportStarsの界隈の反応とIEO

eSportStarsに対するゲーム会社の反応

加藤:今までのお話を伺っていると、eSportsStarsに対しては、ゲーム会社の反応が随分と分かれていそうな感じがしています。実際のところ、eSportStarsに対するゲーム会社の反応はいかがでしょうか?

各務:当然ゲーム会社とは話をしていて、許諾を取らずに勝手にやるなという会社や、そもそも返事をしない会社、ちゃんと審査してくる会社があります。もちろん、じゃんじゃんやってくださいという会社もあります。「荒野行動」の会社は、じゃんじゃんやってくださいというスタンスでした。

ただ、世の中の流れを見ていると、そもそも勝手にやれよとなっていくと思います。今はどうして勝手にやるなとなっているのかというと、ギャンブルの温床になる可能性があるからです。勝手に大会をやって、賞金かけるのが問題視されているのだと思います。

なので、ゲーム会社から怒られるかもしれないですけれどもやります。というよりも、怒られるのはもう分かっています(笑)

でも、キャリコネをやってきた各務だからできるよねというのはあると思うんですよ。そういうことをやってきたからできるし、そこをみんな待っていると思います。

僕らは決してゲーム会社を無視するわけではなくて、もちろん対話をしながらやっていきます。ただ、それはユーザーのためにやらないとダメなんですよと言うだけです。ゲーム会社がロイヤリティのようなお金を払えと言うのであれば払います。でも、ロイヤリティは収益の中から払うものなので、僕らの収益なかったら払えないですけどね(笑)

なので、収益があるのであれば別にゲーム会社に還元しても良いです。繰り返しになりますが、ゲーム会社に喧嘩を売るつもりはなくて、そこのところは歩み寄る姿勢はあるのだけれども、どんどんやりますことだけはお伝えしておきます。

だって、堅い会社とそうじゃない会社があったとして、より広がる可能性があるのは明らかに後者ですよね。堅い会社というのは、最後はやばくなると思います。そう思いませんか?

加藤:今の時代の流れがそうですから、私もそれが自然だと思います。

各務:なので、最終的にゲーム会社の勝敗が決まるのはユーザーのコミュニティ、エコシステムが出来たかというところになってきます。他の産業でもそうですね。こんな状況はあと1、2年で来ますよ。

eSportStarsのユーザーの反応

加藤:続いて、eSportStarsのユーザーの反応についてお訊きします。eSportStarsは10月9日にサービスを開始したばかりですが、実際のところユーザーの反応はいかがですか?どのような手応えを感じていますか?(筆者注:本取材は10月16日に実施しています)

各務:実は、3ヶ月ほどプレでトーナメントをやっていて、既に1万人のユーザーがいます。日本とインドでテストをやっているのですが、それをやってわかったことは、めちゃくちゃ喜ばれているということです。【神運営】と呼ばれているようです。

↓eSporsStarsのユーザーの反応です↓

加藤:どの点が神運営なのでしょうか?

各務:賞金が出るからじゃないでしょうか(笑)それもあるとは思いますが、みんなが自分の好きなゲームで認められる、交流できる場があるというのが喜ばれているのだと思います。

テストマーケティングをしている限りでは、有名選手を見たいニーズと、好きなゲームで認められたいニーズがあるようです。なので、自分が参加できる、見えるということ、さらにプロの選手と一緒にできるということが大事だということがわかりました。

加藤:私もそのニーズはよく分かります。小学生の頃は、ポケモンの全国大会に出てみたいなと思っていたことがありました。

各務:これらは実際にやってみてわかったことです。最近は問い合わせがたくさん来ます!ファンや選手から、ゲームの仕事をeSportStarsでやらせてくれと。「僕が解説したい」「プロ選手になりたいからeSportStarsとして所属できないか?」「チームを作ってくれないか?」「YouTubeでスポンサーになって欲しい」というのが来るんですよ。

話が若干それますが、やっていてわかったのが、芸能事務所でeスポーツに参入しているところがあって、そこには新興のYouTuberやプロゲーム選手が所属しています。ただ、まだeスポーツが黎明期なので、スポンサーからの仕事がほとんど無いようなのです。

僕らができることは、トーナメントを主催することなので、スポンサーがつきやすいと思っています。最初はeSportStarsでみんなが支援してくれるので、その人たちをヘルプするとプロが育っていきます。なので、その人たちに実況してもらい、選手の活動を支援すると、プロの育成がどんどん加速していくと思っています。

ちなみに、オファーしてくるほとんどは未成年です。彼らは超積極的ですよ!自分から問い合わせてきて、どんどん自分のプレゼンをしてきます。

加藤:私の世代だと、ゲームで稼げる世界観はまだ実現できていませんでした。ですが、10代ならゲームで稼ぐという未来は現実的にあり得ますね。

各務:そうですね。先程のマルチ言語、ゲームをたくさんラインナップするというのは予定通りやって、トーナメントをどんどん開催していきます。

TimeCoinのIEO後に特に力を入れようと思っているのは、プロの選手とプロになりたい選手、ゲーム関連の動画実況をやりたい人たちとクリエイター契約を結んでいくことです。既に、水面下で数件進んでいます。現在10万人のチャンネル登録者がいる人と話していて、彼らとどんどん契約していきます。

なぜ、彼らがeSportStartsとやりたいのかというと、まだゲームの仕事は少ないので事務所が放置気味になってしまうからです。だから、所属していてもあまり意味ないと本人たちは思っているようです。僕らが良いのは、トーナメントを主催して、そこにスポンサーをつけるのができることです。そうすると、彼らに仕事が提供できるようになりますし、その人が有名になれるので、理にかなっています。

加藤:これだったらeSportStars自体で事務所ができそうですね。

各務:僕たちは事務所を補助しているだけであって、理想的には大手の企業がチームを持ちたいとなったら、僕たちのところに相談が来るようになれば良いと思っています。eSportStarsで選手のプールを持って、企業にスポンサーしてもらうというイメージですね。

加藤:もしかしたら、eSportStars出身の選手が世界大会に出るということがあるかもしれませんね。

各務:そうそう、すぐきますよ!これから〇〇選手と契約しましたというのがほぼ毎日出てきます!「〇〇選手がどこの企業と契約決定」というのが、ダーッと出ていたら面白いじゃないですか!

加藤:外部から見たらプロジェクト動いているように見えますし、ファンから見ても次は何が来るんだろうというワクワク感はあるでしょうね。

各務:そう、それをやる!思いきりやる!

BitForexでIEOをする理由

加藤:ここからは、IEOの話題に移っていきます。TimeCoinのIEOは、BitForexで行われますが、BitForexになった経緯を教えていただけますか?

各務:大手の取引所3社、Binance、Huobi Global、OKExとあるわけですが、ここは全体的に中国人が占めているイメージになります。BiForexはアジア全体に顧客を持っていて、シンガポールも強いし、香港も強いしという感じです。また、柔軟性があります。契約も柔軟でしたし、信頼できるなと感じました。

あと、BitForexはどこかの国に寄っているわけでもありません。例えば、ある国で取引所がユーザーを取ろうとして入り込もうとすると、その国のライセンスを取らなければいけなくなります。そうすると、その国の規制に合わせるように、グローバルサービス側も変えなければいけなくなります。つまり、グローバルサービスからその国のユーザーをキックアウトするということです。彼らはそういうことはしておらず、ニュートラルなスタンスをとっています。

そもそも、ブロックチェーンや暗号資産は、国に規制されないようにするためにできたものじゃないですか。これはぜひ書いてほしいです!なのに、取引所が儲けるためにいろいろな国のライセンスを取るようになると、ユーザーがキックアウトされるわけですよ。

なので、僕がBitForexの好きなところは、いろいろな国に寄り過ぎていないところです。だから、キックアウトされずにみんなが使える、そういう方針があるからこの取引所を選びました。BitForexに決めた一番大きな理由は中立性ということです(筆者注:トークンセールは、禁止されている国で買うことはできません)。

加藤:そもそもブロックチェーンの根底思想は、国に縛られない自由な世界ですからね。ただ、ビジネスをやるには、法律を守らなければいけないという現実もあります。ブロックチェーンでビジネスをするというのは、色々と矛盾に満ちた側面があると感じます。

各務:そう、矛盾があると思います。結局、税金をどこが取るんだよという議論にもなってきます。では、日本から出ていく全部をトレースしろという話になったとしても、それって多分破綻しますね。ブロックチェーンの仕組み上、それをするのは無理です。これからどんどんボーダレスになっていく流れは、誰にも止められませんね。

少ないIEOの調達額

加藤:グローバルウェイの適時開示によると、TimeCoinのIEOは、1 TMCN = 0.7 USD に設定され、販売数の上限は 1,000 TMCN になっています。これはたったの 700 USD分です。IEOは、本来資金調達を目的としたものではありますが、なぜ 700 USDしか販売しないのでしょうか?実際のところ、TimeCoinの資金調達はどのようにしたのでしょうか?

各務:今までの資金は、すべて株式で調達してきました。つまり、暗号資産では一切調達していません。ずっと手元の資金だけでやるのはおそらく無理なので、暗号資産で賄うときも来るとは思っています。

他の99%のプロジェクトは、資金調達のためにやっているところがあって、価格がガッと上がって、ガッと下がって、投資家を殺して終わっています。ですので、その後の暗号資産はほぼ死んで終わります。

うまく行ったのは、ビットコインでありイーサリアムであり、いくつかのプロジェクトがあると思うのですけれども、それらの共通点は発行体がほとんど売っていないということです。だから価値が認められています。

当然ながら、プロジェクトがうまくいかなければ意味がないです。多くのプロジェクトは、経済圏の大きさと売り圧が逆転してしまっています。そうなると、もうダメですね。

加藤:特に個別サービスの暗号資産は、需要の割に供給が多すぎますね。

各務:僕らの場合は、まずは供給を満たす分だけ少し売るということをします。思いっきり売ってしまうと価格が下がるだけですから。

そうすると、無理に売らないから当然下がらないです。そうじゃないと、貰える暗号資産には価値がないわけですよ。急落したものは誰も買わないですから。

結局、マーケットは実需で取引する人だけでは成り立たないので、あとはボラティリティに価値を見出して売り買いする人が入ることではじめて価値が出てきます。ですが、前者がなくなってしまったら意味がないです。実需の人たちが増えていないのに暗号資産を売ってしまうという実情があるから、ほとんどのプロジェクトの暗号資産の価値がなくなってしまうのだと思います。

当然僕らも売りたいですが、それをやってしまうとプロジェクトが終わってしまうので、やりません。なので、アドバイザーのような人たちにも中長期コミットしてもらっていて、僕らがOKしないと売れないようになっています。ロック期間も特に定めていません。

とにかくプロジェクトが成功しないと売れないという条件にしています。全員そういう契約です。アドバイザー、関係者、僕も含めて全員です。

加藤:それはなんとも厳しいですね!

各務:そうですね。どうして、そこまで厳しい契約したのかというと、別にその人たちが大量に持っているわけではないのですが、売ったら多少のインパクトがあります。経済圏ができてきたらその人が売るというのはそれほどインパクトはないのですが、経済圏がないときに売ったら価格が大きく下がってしまいます。それは避けなければいけません。

第4部の予告

第3部では、eSportStarsのゲーム会社やユーザーの反応、IEOの経緯について伺っていきました。

TimeCoinプロトコルは、日本の上場企業の株式会社グローバルウェイのグループ会社、TimeTicket GmbHが運営しています。そのため、TimeCoinプロトコルは、実質は上場企業による暗号資産プロジェクトとも言えます。

そこで、第4部では上場企業として暗号資産プロジェクトをやる上で、どのようなハードルに直面したかを中心に伺っていきます。

【インタビュー】グローバルウェイ/TimeCoinプロトコル 代表 各務正人 氏 - 第4部:上場企業が暗号資産の発行で苦労したこと
今まで暗号資産を使ったプロジェクトはベンチャー企業が主でしたが、規制の整備進行に伴い、徐々に上場企業が参入するケースが増えてきました。今回は、東証マザーズ上場企業の株式会社グローバルウェイの取締役会長 各務正人(かかむ まさと)氏らが取り組...

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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