ウォレットレビュー

SafePal Wallet & SafePal S1製品解説とレビュー

ウォレット
スポンサーリンク

SafePal Walletについて、ハードウェアウォレットSafePal S1を入手したので詳細に使い勝手を検証しました。

本記事では、SafePal WalletとSafePal S1を組み合わせた場合にどのようなことができるのか、その優位性についてご紹介します。

※本記事の内容は、2023年1月31日時点の仕様を元に構成されています。

SafePal Walletとは

SafePal Walletは、Binanceから出資を受けているウォレット企業SafePalが出している、ソフトウェアウォレットです。SafePal Wallet 単体でも機能する他、ハードウェアウォレットのSafePal S1と連携することでよりセキュアに資産を保管・運用することができるようになります。

SafePal Walletの特筆すべきは、中央集権型と分散型のサービスが組み合わせて利用することで優れたUI/UXを実現し、多くのチェーンや暗号資産のエコシステムにアプリ上から網羅的にアクセスできる点です。また、アカウント開設やKYCなしでMEXCの中央集権取引所をSafePal Walletのアプリ上から直接利用することができるため、個人情報の流出を懸念するユーザーにとって最適な製品になっています。

ハードウェアウォレットのSafePal S1は、競合他社の製品の半額以下で販売されおり、多くの人が入手しやすい価格設定になっています。さらに、本体画面がカラー表示で日本語対応しており、視覚的にも操作的にも分かりやすい作りになっています。

SafePal Wallet と SafePal S1の特徴

ハードウェアウォレットのSafePal S1は、SafePal Walletと連携動作するすることができます。SafePal Walletは、iOS及びAndroidに対応しており、PCには対応していません。

SafePal Walletの特徴

53種類のチェーンに対応

2023年1月時点で、SafePal Walletでは53種類のチェーン、それらチェーンのトークンにも対応しています。そのため、現時点で流通の大半を占めているコイン及びトークンには対応することができます。チェーンの対応は、SafePal WalletのAssetsページから確認することができます。

中央集権型取引所をアカウント登録とKYCなしで利用することができる

SafePal Walletでは、MEXCとBitgetをアカウント登録なしで利用することができます。

この仕組みでは、SafePal Wallet上のEthereumアドレスをキーにして取引所アカウントが自動生成されるようになっており、それらでアカウントで取引所にログインできるようになっています。MEXCは現物及び先物、Bitgetは先物のみに対応しています。また、出金はSafePal Walletそのもので認証するため、通常の取引所の出金よりセキュアになります。

MEXCについての注意点:MEXCで扱われているすべての暗号資産がSafePal Walletで扱えるわけではありません。そのため、MEXCを利用する際は、自動生成されたアカウントのウォレットに入金する必要があります。入金方法は、一般的な取引所と同様の方法が提供される他、SafePal Wallet上の残高から直接入金することができます。

SafePal WalletのMEXC画面

チェーンにとらわれない柔軟なスワップ機能を利用することができる

SafePal Walletにはチェーンにとらわれない柔軟なスワップ機能を利用することができます。

スワップ機能は独自のものとして実装され、中央集権型取引所(MEXC, Binance)の流動性を利用する方法か、分散型取引所(1inch, 0x)の流動性を利用する方法を選ぶことができます。前者は取引所のカウンターパーティリスクが存在するものの、分散型取引所では実施が難しいチェーンをまたいだスワップを実現することができます。ただし、前者は一定以上のボリュームの交換が必要になるため、少額の交換には対応していないという欠点があります。

さらに、親切な機能として、ビットコインのようなトランザクション時間がかかるチェーンのために、交換完了までの目安を視覚的に表示するようになっています。

SafePal Walletのスワップ画面

ビットコインでは3種類のアドレスに対応

SafePal WalletのBTC対応状況多くのウォレットでは、利用できるビットコインのアドレス種類がどれかに固定される傾向にありますが、SafePal Walletでは以下の3種類全てに対応しています。

  • Legacy(1から始まるアドレス)
  • SegWit(3から始まるアドレス)
  • Native Segwit(bc1から始まるアドレス)

2022年11月現在、ビットコインの平均手数料は2ドル程度になっており、過去と相対的に比べると低くなっているものの、絶対値としてみるとそれほど安いものでもありません。

未だにLegacyタイプのアドレスのみを使用しているウォレットもあり、今後ビットコインのネットワークが混雑した場合、手数料の高騰で一番痛手を負うのがこのタイプのウォレットになります。そのため、SafePal WalletでSegwitやNative Segwitの選択肢があることは、将来的な手数料負担を抑えることに繋がります。

主要DAppsに簡単にアクセスできる

SafePal Walletでは、ウォレット上のDAppsメニューから主要なアプリへ1タップでアクセスできるようになっています。また、DAppsによっては自動的にウォレットと接続されるようになっており、毎回DAppsにログインする手間を省くことができます。もし、メニューの一覧にないアプリに手動で接続する場合は、WalletConnectを利用します。

アクセスできるアプリの例:

  • 分散型取引所:PancakeSwap, 1inch, Uniswap, SushiSwap, DODO, Orca
  • 中央集権取引所:Binance (要KYC)、MEXC、Bitget
  • レンディングサービス:Compound, Aave
  • NFT:OpenSea, BakerySwap
  • その他:CoinMarketCap, CoinGecko, Etherscan, Revoke Manager

SafePal WalletのDapps画面

SafePal S1の特徴

※光沢性がある商品の実物を撮影したため、写真には映り込みがございます。

画面がとにかく見やすい

SafePal S1の画面表示SafePal S1は、カードサイズになりますが、この手のハードウェアウォレットの多くは、とりあえず情報が表示できるレベルの画面がついており、多くの場合は白黒です。

SafePal S1は、カラー画面になっている上に解像度が高く、さらに日本語表示が可能です。

単体で暗号資産の受取が可能

SafePal S1の暗号資産一覧SafePal S1は、解像度が高い液晶画面を搭載しているため、ハードウェアウォレット本体にQRコードを表示して暗号資産を受け取ることが可能です。

表示される暗号資産は、SafePal Walletアプリ側で表示されているものと同じものになります。

コストパフォーマンスが絶大

SafePal S1は、49.99ドルで割引販売されています。これは、ハードウェアウォレットとしては業界最安値レベルにあたります。

▼SafePal S1の購入

https://shop.safepal.io/products/safepal-hardware-wallet-s1-bitcoin-wallet?ref=view

SafePal S1の外観と使い勝手

外観と梱包

SafePal S1は、厚紙で作られており、簡単には曲がらないようにできています。

SafePal S1外観表

ハードウェアウォレットの重要なポイント、細工されていないかどうかを担保するための封印シールは2箇所に貼られています。また初期セットアップにおいて、製品が正規品かのチェックができるため、ウォレットの安全性を二重で確認することができます。

SafePal S1外観底

箱の中身は、他のハードウェアウォレットと大差ありません。本体と充電ケーブル(microUSB)、リカバリフレーズを書き写すための紙が添付されています。

SafePal S1中身

初期セットアップの使い勝手

初期セットアップは、他のウォレットと同様にリカバリフレーズのメモ、そしてスマホのアプリ(SafePal Walletのこと)とペアリングするという順序で進めていきます。ここでは、特筆する点、注意すべき点について取り上げます。

ウォレットの初期設定時、Safepal S1では複数の言語を選択することができます。日本人にとってありがたいことに、日本語が用意されています。

SafePal S1のセットアップ1

言語を選択した後に、デバイスが本物であるかを認証します。下記画面の後に表示されるQRコードを、アプリ側でスキャンし、その後に表示される6桁の数字を入れることによって認証をすることができます。

SafePal S1のセットアップ2

続いて、アプリ側でハードウェアウォレットのセットアップ手順を実行し、SafePal S1でアプリ側に表示されるQRコードをスキャン、その後はアプリに表示されるQRコードをSafePal S1側でスキャンすることで、アプリとSafePal S1のペアリングが完了します。

SafePal S1のセットアップ3

最後に、PINの設定及びリカバリフレーズのメモと確認を行います。SafePal S1は、リカバリフレーズの確認が非常に楽で、以下の画面のように該当の単語を選択していくだけです。

SafePal S1のセットアップ4

普段使いのシーンにおける使い勝手

SafePal S1は、SafePal Wallet上で扱うコインの追加、送金実行時の認証やBinanceへのログインで使用します。

送金する場合、送金時にSafePal S1でアプリ上に表示されたQRコードをスキャンします。その後SafePal S1上で表示されている内容を確認し、さらに表示される画面でPINを入力します。

SafePal S1上の送金確認

最後に、スマホ側でSafePal S1に表示される動的QRコードをスキャンすることで、送金を実行します。

SafePal S1のQRコードをスキャン

筆者の所感

筆者の率直な感想を申し上げると、久々に暗号資産を扱う製品で感動しました。

当サイトでは、過去の記事で様々なハードウェアウォレットの検証結果を紹介していますが、その中でもSafePal WalletとSafePal S1の組み合わせは、最もパワフルであると感じました。それは、ハードウェアウォレットという多少手間がかかる製品にも関わらず、暗号資産に関する多くのことが手元で完結できるためです。

特に、MEXCとの連携部分は、他のウォレットでは絶対に真似ができないものであり、これだけでも十分にSafepalの優位性があると断言することができます。しかし、連携しているサービスすべてが分散型というわけではないため、サービスのリスク所在について把握しにくいとも感じました。また、機能不足と感じたのは、Proof of Stakeに参加できるチェーンのステーキング機能に乏しい点です。

いずれにせよ、SafePal WalletとSafePal S1の組み合わせがパワフルであることには変わりありません。特にSafePal S1は、他のハードウェアウォレットと比べても業界最安値の価格帯であることから、ハードウェアウォレットのデビュー製品として強くお勧めすることができます。

もし、SafePal S1に興味を持った方は、以下のリンクより購入いただけると、サイト運営の励みとなります。

https://shop.safepal.io/products/safepal-hardware-wallet-s1-bitcoin-wallet?ref=view

SafePalに関する情報

当メディアの情報

公式情報

スポンサーリンク
この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

Junya Katoをフォローする
TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
タイトルとURLをコピーしました