既に当サイトのレビュー記事で取り上げているSafePalは、2021年2月にIEOを実施しSFPトークンを発行しました。この記事では、SafePalの概要及びSFPトークンについて解説します。
SafePal 概要
SafePalは、最も早くBinanceから投資を得たハードウェアウォレット企業です。ソフトウェアウォレットのSafePal Walletと、ハードウェアウォレットのSafePal S1を開発しており、ソフトウェア単体もしくはハードウェアとの連携で利用することができます。また、その他製品として、リカバリーフレーズをメモするための耐火プレートやSafePal S1用のレザーケースが用意されています。
主力製品であるSafePal Walletの大きな強みは、Binanceと綿密に連携したサービスが提供できることです。その最たる部分は、ウォレットに搭載されている2つの暗号資産の交換機能になり、世界トップ取引所Binanceの巨大な流動性によって支えられています。
また、ウォレットそのもののUI/UXに優れており、トランザクションに時間がかかる暗号資産をスワップした場合に、目安時間が表示されるなど、できるだけユーザーがストレスを感じない作りになっています。
SafePalの主力製品「SafePal Wallet」の機能
ここでは、SafePalの主力製品であるSafePal Walletの機能を紹介します。機能差は、ソフトウェア単体やハードウェア連携時でも特にありません。ウォレットの詳細な使い勝手については、当サイト内の別記事「Binance出資の SafePal Wallet & SafePal S1 製品紹介とレビュー」をご覧ください。
ウォレットの基本機能
SafePal Walletでは、アプリ上で複数のウォレットを作成することができます。例えば、長期保有用にはウォレットA、短期保有用にはウォレットBといった使い方ができます。
暗号資産は20種類のチェーンに対応しており、トークンはERC20, BEP2, BEP20, TRC1/2. NEP5及びEOSとXLMの規格に対応します。また、それらのチェーンのNFTにも対応しています。
スワップ機能 SafePal Swap
スワップ機能は、SafePal Wallet上から暗号資産の交換を直接行うことができる機能です。UniswapのようなDEXのようなインターフェイスを持ちますが、特に外部のDEXが採用されていることではなく、独自の実装がなされています。
スワップでは、チェーンをまたいだ暗号資産の交換ができるようになっており、チェーンはBitcoin, Ethereum, Tron, Binance Chain, Binance Smart Chainに対応しています。例えば、TRC20 USDTからERC20 USDTに交換することができます。
トレード機能 SafePal Trade
トレード機能では、SafePal Wallet上から直接Binanceの現物取引を利用することができます。また、この機能を利用するためのユーザー登録は一切必要ありません。SafePal Walletでは、Binance Chainのウォレットが最初から作られており、ウォレットのアドレスがBinanceアカウントとして利用されるようになっているためです。
SafePal Wallet上のBinanceアカウントは、2段階認証の設定ができるわけではありません。そのため、Binanceアカウントからの出金では、SafePal Wallet上にあるウォレットからの送金と同様の認証をする必要があります。そのため、ハードウェアウォレットのSafePal S1を使用している場合、送金のセキュリティをハードウェアウォレットレベルまで高めることができます。
運用機能 SafePal Earn
運用機能では、DeFiやCeFiに関係なく、暗号資産界隈にある資産運用サービスを利用することができるようになります。ユーザーは、個人のリスク嗜好に応じて運用サービスを選択することができます。
SafePal Earnは2021年2月11日時点でリリースされておらず、2021年第1四半期の公開が予定されています。将来的には、SFPトークンをステークキングして、SafePalから直接提供されるサービスで優遇された利回りを享受できるようになることが見込まれています。
SFPトークン
トークン概要とアロケーション
SafePalのSFPトークンは、Binance Smart Chain上で発行され、SafePalのエコシステムやコミュニティガバナンスで利用します。合計 500,000,000 SFPが発行されます。
トークンアロケーションは、以下のようになっています。
用途 | 割合 |
---|---|
基金向け予約分 | 20% |
チーム | 20% |
コミュニティ / エアドロップ | 15% |
プロダクト / マーケティング | 15% |
シードセール | 2% |
パブリックセール | 10% |
プライベートセール | 4% |
戦略的セール | 9% |
エコシステム | 5% |
トークンの利用用途
SFPトークンは、大きく6つの用途に分かれています。
手数料と割引
SFP保有者は、SafePalの製品やサービスの手数料としてSFPトークンを利用することができます。例:
- ウォレットおよびアクセサリーを含む SafePal ハードウェア製品の購入割引
- アプリ内のスワップや取引サービスの割引
- SafePal リポジトリへの提出のための料金
- アプリ内に広告バナーを掲載するための料金
- DAppsストア内でのDAppsランキングの料金
- カスタマイズされたハードウェアウォレットソリューションの手数料
- コレクタブルマーケットプレイスのような将来のサービスに対する手数料
ステーキング報酬
SafePal Earnで提供されるプログラムで、SFPをステーキングして利息を得ることができます。
ボーナス
SFP保有者は、SafePalやそのパートナーから何かしらのボーナスを受け取ることができます。例:
- SafePalやパートナーからの特別なクーポンをもらうことができる
- SafePalのプラットフォーム上で開催される特別キャンペーンに参加できる
- SafePalとパートナーからの特別な配布を受けられる
SafePalでは、ボーナスの仕組みに関連してWHO(Wallet Holder Offering)を開始しました。WHOでは、ユーザーにSFPを保有させ多少のタスクを課すことにより、ユーザーに新規トークンのエアドロップの機会を提供します。
コミュニティのガバナンス
SFPトークンの保有者は、基金の使用やSafePal製品への新機能のための提案を作成し、投票することができます。提案や投票のための効力はBinance Smart Chain上にあるSFPトークンのみが対象になります。
また、提案を提出するためには、最低 500,000 SFP(2021年2月11日時点のレートで140.5万ドル程度)が必要になり、採択されるためには過半数の賛成と、循環供給量の4%以上が投票に参加することが必要になります。
基金
基金では、SafePalの純利益の一定割合が、四半期ごとのSFPトークンの買い戻しに使われ、コミュニティガバナンスの基金に充てられます。一定割合の具体値は、2021年2月11日時点では明らかになっていません。
エコシステム
SFPトークンは、将来的に提供されるSafePalオープンプラットフォームの基軸通貨として利用されます。オープンプラットフォームでは、開発者がSafePalの技術を使いシステム開発を行うことができるようになります。
SFPトークンが売買できる取引所
- CEX:Binance
- DEX:PancackeSwap